妊娠初期はどんな時期?症状や気をつけることなど徹底解説!

妊娠初期はどんな時期?症状や気をつけることなど徹底解説!

「妊娠初期」って、どのような時期だと思いますか?

「そういえば生理が遅れているなあと思ったら妊娠していた」「妊娠が判明して体調や心の状態が不安定になった」「つわりが始まった」などなど、妊娠初期は、心身共に大きな変化の時期となります。

これらの様々な変化に戸惑っている方も多いかもしれませんね。

妊娠初期とはどのような時期なのか、妊娠初期の症状にはどのようなものがあるのか、赤ちゃんの成長と共にお母さんの心身の状態や気をつけること、するべきことは何か、など順番に説明していきましょう。

妊娠初期とはいつのこと?妊娠に気づくきっかけはある?

妊娠初期とは?

そもそも「妊娠初期」とは、いつからいつまでのことを言うのでしょうか。

妊娠期間は、初期、中期、後期と3つに分かれているのですが、妊娠初期とは、0週~15週(妊娠1ヶ月~4ヶ月)を指しています。

妊娠0週とは、最終月経の開始日を指します。その後、性行為を行い受精するころが妊娠2週となり、受精卵が子宮に移動し着床するのが妊娠3週となります。

ここまでを「妊娠超初期」と表現する方もいらっしゃいますが、正確な医学用語ではありません。

妊娠4週以降になると、妊娠検査薬で確認できるようになります。

妊娠5週ころには、「胎嚢」が確認できるようになり、早ければ妊娠6週、通常妊娠7?8週で赤ちゃんの心拍の確認ができます。その後、胎盤が完成する妊娠15週ころまでが「妊娠初期」と言われる期間となります。

妊娠に気づくきっかけは?

通常どのように妊娠に気がつくのでしょうか。妊活をしていて、毎月常にアンテナを張っている場合は、妊娠5週ころに生理が遅れていることから気がつくかもしれません。

また、基礎体温表をつけている方であれは、高温期が17日以上続いていることで気がつくかもしれませんね。

しかし、多くの場合、次の生理が来ないことで気がついたり、妊娠初期の症状などが出ることで気がつくのではないでしょうか。

妊娠初期に起こる体の変化

では、もっと詳しく、妊娠初期の体の状態をみていきましょう。
この時期には、いったい女性の体の中ではなにが起きているのでしょうか。

妊娠0~3週の体の変化

最終月経開始日を妊娠0週とし、だいたい3週目頃が着床する頃、つまり妊娠が成立する時期となり、時期として次の生理予定日の1週間前くらい、ということになります。

着床後に起きる体の変化の一つに、「着床出血」があります。これは、受精卵が子宮内膜に潜り込む時に、子宮内膜の組織を溶かしながら根を張るために子宮壁が傷つき、血管の一部が破れてしまうことで起こります。

ただし、着床出血は妊娠すると必ず起きるわけではなく、着床しても出血がないことも多いので、着床出血がなくても心配しないでくださいね。
また、着床出血が起きた場合に、次の生理がきたと勘違いしてしまう場合もありますので、妊娠の可能性がある方は注意しておきましょう。

着床出血と通常の生理を区別する方法ですが、通常、着床出血は量が少なく、鮮血というよりは茶色いおりものに近い、またはおりものに血が混じっているような場合が多いようです。

基礎体温表を付けている方であれば、妊娠を継続するために高温期が続いていますので、出血があった場合、着床出血なのか生理なのか、判別しやすいですね。

妊娠4~7週の体の変化

妊娠すると産道の準備のため「リラキシン」というホルモンが分泌され、仙骨と腸骨の関節が緩くなり、腰痛や股関節痛などがみられる場合もあります。
また、「黄体ホルモン」という女性ホルモンが平滑筋という筋肉をゆるめる影響で腸の動きが鈍り、便秘、または下痢気味になります。

甲状腺機能へも影響がでて代謝が盛んになりますので、体温が高く、微熱っぽくなります。この時、風邪をひいてしまった、と勘違いして、風邪薬など飲んでしまわないように注意しましょう。乳腺も徐々に発達しはじめ、母乳を出すための準備も始まります。

まだ、おなかの見た目に変化はありませんが、子宮はひと回り大きくなっているので、腹部の下に位置する膀胱を刺激したり、圧迫することで、トイレが近くなる場合もあります。 

妊娠8~11週の体の変化

妊娠8週の頃の子宮は卵の倍くらいの大きさになり、11週の頃には、小さめのオレンジくらいの大きさになります。まだ見た目のおなかの大きさに変化はありませんが、下腹部に触ると、なんとなくふっくらしているように感じるころです。 

子宮が大きくなるにつれて子宮の筋肉が少しずつ引き伸ばされますので、下腹部にチクチクとした痛みが出たり、または、違和感があることもあります。 

また、ホルモンの影響で骨盤の中の血流が悪くなりやすくなるため、腰が重く感じたり、おなかがなんとなく重だるい感じがしたり、また、腸の働きが鈍くなることで引き続き便秘の症状がみられます。

胎盤はまだ形成途中で、この時期は赤ちゃんが安定していないので、早期流産しやすい時期と言えます。下腹部痛や出血などに注意し、もしこのような症状があったら、安静にして産院に連絡しましょう。

妊娠12~14週の体の変化

見た目におなかの膨らみが、少しわかるようになってきます。胎盤はほぼ完成に近づくので、胎盤からも妊娠に必要なホルモンが分泌されるようにり、ホルモンバランスも安定してきます。
基礎体温も下がっていきますので、熱っぽさやだるさも解消されていくので、活動的なれるかもしれませんね。 

妊娠15週の体の変化

妊娠4カ月の最後の週になり、ついに胎盤が完成します。胎盤が完成したことで、赤ちゃんの状態が安定し、以前と比べると流産の心配は減少します。

子宮の大きさは幼児の頭くらいになり、おなかのふくらみは洋服の上からでもわかるようになってきます。

妊娠初期に現れる症状には何があるの?出血は危険?

ここまで、妊娠初期に起こる体の変化についてみてきましたが、この体の変化と共に実際に様々な症状に悩まされるようになっていきます。

体に現れる症状

これらの症状は個人差があるため、早ければ妊娠4週目を過ぎた頃から症状がでる場合もありますし、妊娠による体調の変化をほとんど感じないという人もいます。

吐き気、嘔吐

いわゆる「つわり」の代表的な症状のひとつです。何かを食べると吐き気、また嘔吐してしまう方もいれば、空腹時に吐き気がするという方もいるなど様々です。

匂いに敏感になる

何の匂いに敏感になるかは個人差がありますが、「ご飯のたける匂い」「シャンプーの匂い」「洗濯洗剤の匂い」「食べ物の匂い」「香水の匂い」など、様々な匂いに敏感になります。これらの匂いが吐き気の引き金となる場合が多いです。

腹痛・腰痛

足の付け根がつるような痛み、下腹部のちくちくした痛み、下腹部の重だるさ、腰痛などがあります。

おりものの増加

膣からの細菌等の侵入を防ぐためおりものが増加し、乳白色でねばりのあるおりものになります。

風邪のような症状

高温期が続くため、熱っぽくなったり、眠気、だるさが起こります。

胸の変化

乳腺が発達するため、胸が張ったり、乳首が敏感になってチクチク痛むことがあります。メラニン色素が増えて、乳輪や乳首の色が濃くなることもあります。

トイレの回数が増える

子宮が大きくなっていくことで膀胱を圧迫しますので、頻尿になります。

便秘や下痢

ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなる、また、子宮が腸を圧迫することが原因となります。

めまい、立ちくらみ

妊娠初期のホルモンバランスの乱れや、自律神経が不安定になったことで起こることが多いです。

食べ物の好みが変わる

今まで好きだった食べ物が急に食べられなくなったり、やたらと同じ食べ物ばかり食べたくなったり、味の濃いものを食べたくなったり、急に甘党になったり、など様々な変化がある方もいます。有名なのが、グレープフルーツなど酸っぱいものが食べたくなる、などです。

妊娠初期の出血は大丈夫?

妊娠初期に出血を起こすことは妊婦さん全体の約30%が経験することといわれています。

その出血が心配するべきものかどうかの判断は、なかなか難しいですよね。
原因は様々ありますが、その原因によって対処の方法も変わってきます。

妊娠初期に出血する場合、胎盤が作られる過程で「絨毛」と呼ばれる細胞が、子宮内膜の血管を傷つけてしまうことが原因となることがあります。また、内診後に少量の出血がみられることもあります。

しかし、妊娠初期には流産も多く、流産する確立は全妊娠の約15%といわれています。赤ちゃんが正常に発育している場合、例え少量の出血があったとしても流産する可能性は少ないので、過剰に心配する必要はありませんが、しかし、妊娠反応がるにも関わらず、胎嚢が確認されていない場合に、強い下腹部痛や出血がある場合は、子宮外妊娠の可能性があります。

いずれにしても、出血があった際はたとえ少量であったとしても、私たちが勝手に判断することはできませんので、必ず病院を受診しましょう。

心に現れる症状は?

ここまでは、体に起こる症状をみてきましたが、ここからは心の状態や変化をみていきます。
というのは、妊娠初期の妊婦さんでは、個人差はあるものの気持ちの落ち込みやイライラを経験する方が多いです。
症状が軽い人の場合は、ただなんとなく気分が優れないという程度ですが、イライラが激しくなると、誰かに何を言われてもかっとなる、周りの人に当たってしまう、などの場合もあります。

逆に、涙もろくなる、悲しくなる、誰かの些細な言葉に傷つく、などの症状がでる方もいます。

「マタニティー・ブルー」という言葉を聞いたことはありますか?
マタニティー・ブルーは、妊婦の約1割~3割で起こるとされており、その内の約5割が妊娠初期に起こるというデータもあります。

マタニティー・ブルーの主な症状は以下の通りです。

・強い不安感
・訳のないイライラ
・訳もなく泣けてくる
・気分の落ち込み
・情緒不安定

これらの症状が複数ある、または、症状が強い、などの場合にマタニティー・ブルーが疑われます。

一過性のものであると言われていますので、そのまま様子をみても良いと思いますが、あまりにも症状が重い場合は、かかりつけの産科に相談するようにしましょう。

「妊娠悪阻」に注意しましょう!

つわりの症状がとても重い場合、実は「妊娠悪阻」だったということがあります。
その場合、「つわりだから仕方ない」と我慢していると、脱水症状を起こしてしまいますので、つらい症状があったらすぐに受診しましょう。

産院ではケトン体の反応を調べるため尿検査を行いますが、その結果脱水や栄養不足が確認できた場合は、輸液の点滴をおこないます。通院して点滴を行うことも可能ですが、重い症状の場合は入院になります。

ただし、妊娠悪阻で母体の栄養状態が悪くても、赤ちゃんの成長に影響を及ぼすことはまずありませんので、心配しないでくださいね。

ここで、妊娠悪阻の症状をご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

〇吐き続け、食べ物も水も口にできない
〇起きているとフラフラしたり、めまいや頭痛が起こる
〇数日の間に5%以上の体重の減少がみられる
〇吐いたものに胆汁や血液が混じる
〇尿が少ない、または出ない
〇日常生活を送れない

 

当てはまるものがあるようなら、一度産科を受診しましょう。

妊娠初期の赤ちゃんの変化

妊娠0~3週

では、今度は妊娠初期の赤ちゃんの変化をみていきましょう。お母さんの体の変化と合わせて、赤ちゃんの成長の過程を知っておくことはおススメです。そうすることで、なぜ妊娠初期に様々な症状がでるのか、また、何を気を付けたらよいのか、などが理解できます。

まず着床した5日後には、赤ちゃんの脳、臓器、目、鼻などになる内胚葉ができます。
この頃の赤ちゃんは、勾玉のような、または、魚のような姿をしていて、「胚芽」と呼ばれ、大きさは、0.3~2㎜程になります。

妊娠4~7週

妊娠4週の終わり頃に、「心臓管」が作られ、血液が循環できるようになり、妊娠5週ころには、赤ちゃんが入った袋「胎嚢」が確認できるようになります。そして妊娠6~7週目に、胎嚢の中に赤ちゃんが確認でき、心拍が確認できると「正常な妊娠」となります。

この頃には、どんどん人間らしい姿に変化し、妊娠7週のころには胎嚢の大きさが1.5~2cmほどになり、赤ちゃんも2頭身になっています。

妊娠5週が終わる頃には上肢のもとや、同時に目、耳、鼻などの顔のパーツ、心臓や血管などの重要な器官も形成され、妊娠6週の終わり頃には手の指もできます。

この頃、消化器官、呼吸器官を形成する「内胚葉」、骨、心筋、赤血球を形成する「中胚葉」、感覚器官、神経を形成する「外胚葉」ができます。
妊娠7週には、とても大切な部分である脳や脊髄、手足の神経や小脳が発達します。

妊娠8~11週

8週目からは、「胎児」と呼ばれるようになり、胎児となった赤ちゃんは頭と胴体がはっきりして、エコー検査などでは見た目にも赤ちゃんの体型が分かるでしょう。まだ胎盤はできていませんので、胎嚢の中の卵黄嚢から栄養をもらって成長していきます。

妊娠10週には、顔や頭も形成され三頭身になります。
この頃の赤ちゃんは、羊水を飲んで吐き出すなど呼吸の練習をしたり、おっしこをするようになります。

妊娠11週の終わり頃には、大きさが9cmほどになり、羊水の中を泳ぎ回ったり、手足を動かすなどの様子を見ることができます。

妊娠12~15週

妊娠12週から13週ころには、内臓器官は全て完成します。
妊娠14週頃には、脳の細胞をつなぐ神経回路が出でき、お腹の中の様子なども分かるようになりますので、お母さんはストレスなどをためないようにしましょうね。

妊娠15週になると胎盤が完成しますので、酸素や栄養など赤ちゃんに必要なものは全て「へその緒」を通して送られます。

以上が、妊娠初期の赤ちゃんの成長になります。

日常の生活で妊娠初期に注意するべきことは?食べ物は何でも食べて大丈夫?

薬の服用について

妊娠初期に気を付けなくてはいけないことで、一番重要なのは「薬」の内服です。特に、市販薬(風邪薬、便秘薬、鎮痛薬など)の服用に関して注意が必要です。

先ほど赤ちゃんの成長の部分で説明した通り、この期間は中枢神経をはじめ、心臓や四肢、目、鼻など、赤ちゃんの体を形成する上でとても大事な器官がつくられます。そこで、赤ちゃんの体に影響を及ぼす恐れがある成分が入った薬を飲んでしまうと、奇形などの形態異常が起こる可能性があります。

特に妊娠4週から7週の間は要注意です。ただし、妊娠しているかまだ分からない妊娠4週未満に飲んだ薬に関しては、赤ちゃんへの影響は心配しなくても大丈夫です。

処方薬(妊娠以前から持病等のために内服している薬)に関しては、母体の状態や赤ちゃんへの影響を考慮してそれでも医師が「薬を服用したほうがいい」と判断することもあります。
そのため、妊娠したからといって自分の判断で勝手に薬をやめてしまうと、母子ともに危険な状態を引き起こしかねませんので、必ず薬を処方した主治医と産婦人科医に相談するようにしましょう。

タバコ

たばこを吸うと血管の収縮が起こりますので、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届かなくなりますし、母子ともに低酸素状態になります。さらに、副流煙に含まれる高い濃度の有害物質や、ニコチンやタールなどの有害物質も胎盤を通じて赤ちゃんに悪影響を及ぼします。

妊娠中にお母さんが喫煙していた場合、生まれてきた赤ちゃんがSIDSになる確率が上がる、との報告もありますので、妊娠をした女性が禁煙をするのは当然ですが、できるならば、周りの家族の方も禁煙することが望ましいですね。

お酒

妊娠中は禁酒をしましょう。
妊娠中にかなりの量、ビールなら大びん3本以上、日本酒なら3合以上、ワインはグラス3杯以上、を飲み続けた場合、赤ちゃんに発育障害などが表れます。

また、胎盤が完成してからは、赤ちゃんにも肝機能障害がおこる危険もありますので、必ず禁酒をしましょう。気分転換にたまにビールをコップ1杯程なら良いのではないか、と思われるかもしれませんが、次第に量が増えていく可能性も考えられます。

妊娠中は赤ちゃんが第一優先ですので、頑張って禁酒しましょうね。

水銀

魚、特に大型の魚には自然界に存在する水銀が取り込まれているため、厚生労働省でも以下の魚について、妊娠中の摂取量の基準を定めています。(厚労省HP「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」)

ミナミマグロ、マカジキ、ユメカサゴ、キダイ他…1回80gを週2回まで
キンメダイ、クロマグロ(本マグロ)、メカジキ、メバチ他…1回80gを週1回まで
お寿司も要注意ですね↓

ヒ素

2004年に英国食品規格局は、無機ヒ素には発ガン性があるとしており、さらに動物実験でヒ素には動物実験で催奇形性と脳障害があることも報告されています。妊娠中は、貧血予防のために鉄分を取るように、といわれると思いますが、その代表的な食べ物に「ひじき」があります。

実は、この「ひじき」はヒ素を含む代表的な食材なのです。そのため、妊婦の方は「ひじき」以外のものから鉄分を補うようにしましょう。

ビタミンAの過剰摂取

妊娠初期におけるビタミンAの過剰摂取(5000IU以上)は、催奇形性があるとの報告があります。妊娠して体力をつけなくては、と昔の人は「ウナギ」を食べていたようですが、実はウナギはビタミンAが豊富に含まれているのです。
ですので、妊娠初期には注意が必要ですね。

ちなみに、前駆体であるβカロチンには、催奇形性の報告はありませんので、心配はいりません。

食中毒

健康な人ではれば、重症にならないような菌にも、妊娠中は免疫が低下していることもあり、感染すると重症化しやすくなります。特に、「リステリア菌」に感染しやくすくなり、感染すると胎盤を通して赤ちゃんにも影響がでることがあり注意が必要です。

加熱することで予防できますので、加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン等は避けましょう。また、ステーキなどもレアなどではなく、しっかり焼いてもらうようにしましょう。また、生野菜や果物も皮の部分に菌がついている可能性がありますので、よく洗ってから食べましょうね。

妊娠初期に注意する感染症

風疹

次に、妊娠初期に注意をしなくてはいけない「感染症」についてご紹介します。

まずは、最近ニュースでも取り上げられている「風疹」です。

妊婦が妊娠12週までに風疹にかかると、胎児に難聴、心臓病、白内障、精神発達遅延などの症状がでる「先天性風疹症候群」が出現する可能性がありますので、注意が必要です。そのため、妊娠を望まれる方は、妊娠前に風疹抗体検査を受けることをおすすめします。
ちなみに、抗体が陰性の場合には、ワクチンの接種が望ましいのですが、ワクチン接種後は、2ヶ月の避妊が必要となります。ですので、早めに抗体の検査をするようにしましょう。

トキソプラズマ

加熱が不十分な肉を食べたり、猫のフンやフンに汚染された土に触れた手を介して感染しますので、ペットで猫を飼われている方は注意が必要です。

問題となるのは、妊娠中に初めて感染した場合で、そのまま胎児に感染すると、流産や死産の原因になりますし、脳や目に障害のある赤ちゃんが生まれる場合があります。肉は必ず十分加熱し、ユッケ、馬刺し、鶏刺し、生ハム、サラミ、生乳等の「生」飲食を避けましょう。
また、ガーデニングや畑仕事などで土を触るとき、猫のフンを扱うときには必ず手袋をつけ、終わったらしっかり手を洗いましょう。

リステリア

先ほど食中毒の部分で説明した通りです。
妊娠中は感染しやすくなり、そのまま胎児に感染すると、流産、早産、死産の原因になる場合があります。リステリア菌は食品を介して感染します。

妊娠初期にすることまとめ

すべての妊婦さんがすること

産院で心拍の確認ができた段階で、お住まいの地域の区役所、市役所、保健所などの窓口で妊娠の届出を行い、母子健康手帳(母子手帳)を受け取ります。このとき、母子健康手帳のほかに、妊婦健診の補助券、保健師等による相談、母親学級や両親学級の紹介など様々な情報ももらえるので、早めに妊娠届を提出するようにしましょう。

母子健康手帳は、毎回検診の際に必要なもので、母体と赤ちゃんの記録を管理するためのものです。妊娠の経過、トラブル、出産の様子、生まれた赤ちゃんの状態、健診結果や予防接種などを記録していきます。

この手帳を見れば、母体と赤ちゃんの妊娠中の経過が全てわかるようになっていますので、外出するときは常に持ち歩くようにしましょう。

仕事をしている方の場合

妊娠初期は、つわりなどの影響で体調を崩すこともありますし、通勤中や職場で具合が悪くなってしまう場合もあります。本来は安定期に入ってから報告したいところですが、妊娠10週前後をめどに、直属の上司には早めに報告をするようにしましょう。

また、夜勤、力仕事、肉体労働、長時間勤務など体に負担のかかる仕事の場合は、配置転換を願い出るなどの対策も必要になるでしょう。 妊娠中は「通勤緩和制度」を利用できる会社もあるので、ラッシュの時間を避けるために通勤時間をずらすことが可能かどうかも、上司に相談してみることをおすすめします。

また、妊娠初期はとても不安定な時期で、心身共に負担も大きいでしょう。
自分と赤ちゃんを守るために、医師による適切な指導や判断を受ける必要がある場合もあります。妊娠の経過によっては、妊婦健診の際に、働く時間の短縮や、休憩の回数を増やした方が良い、など仕事をする上での指導を医師から受けることがありますので、その場合は「母性健康管理指導事項連絡カード」を是非活用しましょう。
このカードは医師に記入してもらうものですので、会社は書かれた指導内容に沿って対応する義務があり、大変効力がありますよ。

無理せず休めるときは休む

妊娠初期は、まだまだ見た目に「妊婦である」ということがわかりませんが、つわりもありますし、心身共に疲れやすい時期です。また、妊娠初期は赤ちゃんの大切な器官が形成されていく大切な時期ですし、まだ胎盤が完成していないので流産の危険もあります。

外出時は、マタニティマークをつけたり、母子手帳をしっかりと携帯するようにしましょう。マタニティマークは抵抗がある方も多いかと思いますが、何かあった時に「妊婦である」ということを周囲に分かってもらう必要があるため、自分自身と赤ちゃんを守るために、見た目に「妊婦である」ことが分からない妊娠初期にこそ、活用するようにしましょう。

また、体調の面でも、安定期に入る前の妊娠初期の方が不安定になりやすく、体調不良になりやすい時期ですので、「しんどいな…」「疲れたな」と感じるときは、一度休息をしましょう。

家事や仕事、やらなくてはならないことは沢山あるとは思いますが、疲れを感じたときは、「大切な命を育てているのだから」と開き直り、しっかり身体を休めるようにしましょうね。

まとめ

以上、妊娠初期に起こる、体の変化や赤ちゃんの成長、注意することなどについてご紹介しました。

妊娠初期は、お腹に赤ちゃんの命が宿ることで、自分の体の変化とともに、「もう自分一人の体ではないんだ…」という、嬉しさ、戸惑い、緊張、不安など様々な感情が湧いてくるかもしれませんね。

しかし、ここにご紹介しました、妊娠初期に気を付けるべきことを意識して頂きながら、今まで通り、リラックスして過ごして頂ければ良いのではないかと思います

つわりで辛い時期かと思いますが、つわりはいつか必ず終わりがきますので、「今だけのことだ」とご自分を励ましながら、乗り越えて行けたら良いですね。