帝王切開の痛みとは?経験者が教える痛みを和らげる方法とは?

筆者(育ラボ編集部のライター)は、2年前と4年前に帝王切開で子供を出産しました。初産は緊急帝王切開で、2人目は選択(予定)帝王切開です。

これから帝王切開を経験する方は手術と言うこともあり「どのくらい痛いのか?」「身体にメスをいれるのは恐い」など、様々な不安要素があると思います。

今回は帝王切開の手術中の痛み、術後の痛み、いつまで痛みが続くのかなど、帝王切開の痛みのことを中心にご紹介していきます。

 

そもそも帝王切開とは?

そもそも帝王切開とは?

帝王切開とは、自然分娩だと母子への危険性が高いと判断された場合に行われる分娩方法です。

  • 逆子
  • 双子や三つ子などの多胎妊娠
  • 巨大児

などが原因で、分娩時間が長引くことが予想され、母子に危険が及ぶなどの悪影響があると判断されたときに実施されます。

また、1度帝王切開での出産を経験した場合、子宮が繊細になっているので、次の分娩も帝王切開にするケースが多いです。

普通分娩では難しいと予めわかっている状態で、手術の予定を立てて実施する帝王切開を「選択(予定)帝王切開」といい、自然分娩で出産を予定していたが、陣痛中や分娩中のトラブルで急遽帝王切開を実施するのが「緊急帝王切開」といいます。

 

選択(予定)帝王切開の流れ

①入院

帝王切開を行う前日または当日に入院します。病院では血圧を測ったり手術の同意書にサインをしたり、手術の説明を聞いたりし、夜の9時ころから飲食を禁止して当日の手術に望みます。(※あくまで筆者の入院した病院でのことです。病院によって術前6時間とか色々あります。)

②手術

基本的に帝王切開では脊椎麻酔(+硬膜外麻酔を併用する場合もある、この場合術後疼痛管理もできる)をうちます。分娩中は意識があるので子宮から出てきた赤ちゃんとすぐに会うことが出来ます。(※麻酔方法は下半身麻酔と全身麻酔の2種類あります。症例によっては予定手術でも全身麻酔になることもあります。)

下半身に麻酔がきいてきたことを確認できると、いよいよ手術が始まります。10センチから12センチほど切開をし、10分ほどで赤ちゃんが取り出されますが、このとき赤ちゃんが子宮から取り出される感覚がよくわかります。筆者の場合ズルンという感じで出てきました(笑)

赤ちゃんが取り出されると、子宮は溶ける糸で、腹部は医療用ホッチキスの「ステープラー」、又は溶ける糸で傷を閉じて手術は終了。だいたい1時間ほどで手術は終わりです。

③術後

入院期間は自然分娩が5日~6日として帝王切開は7日~8日の場合が多く、母体の様子を見て日数は変わるようです。抜糸については、ステープラーなら抜鈎(ばっこう)といい、産後4日くらいで行われることが多いです。溶ける糸なら基本的に抜糸はありません。

帝王切開の流れはわかりましたか?

では手術中の痛みはどのようなものでしょうか。不安に思う方もいらっしゃいますよね。次の見出しからは帝王切開の痛みについてご紹介します。

 

帝王切開の痛みは?手術中だけじゃなく後陣痛も!

帝王切開の痛みは?手術中だけじゃなく後陣痛も!

麻酔の痛み

帝王切開で使用される麻酔の種類は3種類です。そのうちの2つは局所麻酔で、脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔があります。

脊髄くも膜下麻酔

帝王切開で最も多く使用されるのが脊髄くも膜下麻酔で背中に針を刺します。背骨に針をさすのでもちろんチクっとします。緊張している方も多いので痛みには敏感になってしまうかもしれません。しかし、麻酔がきいてくると足から胸までは痛みを感じにくくなります。

引っ張られたり押されたりする感覚は残るので、赤ちゃんを取り出されている感覚はわかるのですが痛みはありません。数時間経つと麻酔の効果は胸からなくなってきます。

手術中は麻酔が効いているので切開の痛みや取り出したときの痛みは感じませんが、手術中麻酔の影響でママが気持ち悪くなってしまうことや嘔吐してしまう場合があります。デメリットとしては効き目があまりない場合、追加して麻酔を打てない麻酔です。

硬膜外麻酔

脊髄くも膜下麻酔と同様に背骨に針を指します。違いは手術中チューブを刺しておくということでしょう。脊髄くも膜下麻酔よりはゆっくり効果が出てきて、麻酔が効いてからもチューブをつないだまま手術を行います。

こちらも母体の意識はある状態なので赤ちゃんが取り出されたときにすぐに会うことが出来ます。脊髄くも膜下麻酔は追加して麻酔を打てませんが、硬膜外麻酔は追加して麻酔が打てるので手術中でも麻酔薬を打つことが出来るのが、この麻酔のメリットでしょう。

しかし、効き目を感じるのに時間がかかるため、緊急帝王切開などでは使用することが難しく、また高度な技術が必要なためほとんどが脊髄くも膜下麻酔を使用します。

ちなみに筆者は脊髄くも膜下麻酔でした。

麻酔が効いてくるにつれサーっと血の気が引いてきて、吐き気が止まりませんでした。出産中は4年前も2年前もどちらも手術中嘔吐し続けるといった状態(笑)

緊急帝王切開の時はパニックになりすぎて、病院の先生に泣きついた記憶があります。先生によると麻酔による低血圧が原因の吐き気、嘔吐だそうで母子ともに影響はないそうです。麻酔が筆者の中ではトラウマの一つとして残っています。

※追加で鎮痛剤鎮静剤を使用することもありますが、その場合は眠ってしまいます。

 

手術中の痛み

手術自体の痛みはありません。麻酔をかけているため、胸から足の先まで感覚がないので不安を感じることは無いでしょう。

筆者は吐き気があったので先生と会話をしている余裕はなかったのですが、中には病院の先生と話をしながらリラックスして行えたという方もいらっしゃいます。痛みではありませんがお腹に手が入ってくる感覚や子供を取り出す感覚、お腹を押される感覚などを感じる場合があります。

 

後陣痛の痛み

後陣痛とは出産後に起こる陣痛のことで、妊娠により大きくなった子宮を元の状態に戻すために、子宮が収縮しようとすることで下腹部に痛みが伴います。

後陣痛の痛みは個人差があり生理痛に似た鈍い痛みであったり、針でお腹を刺されるような痛みであったり、お腹を握られるような痛みであったりします。

基本的には陣痛ほど痛くはありませんが、初産の方より経産婦の方のほうが後陣痛は痛いと言われており、産後2~3日は続きます。また多胎妊娠の方や、羊水過多症と診断された方も、子宮が大きくなっていた分、後陣痛の痛みは強く感じるでしょう。

帝王切開の場合は傷の痛みも加わるので、普通分娩の方よりも痛みが強いかもしれません。

母乳をあげることで分泌されるオキシトシンというホルモンは、子宮の収縮を促進する効果があるので、授乳中に腹部が痛くなってしまう場合もあります。しかし、たくさん母乳をあげることで身体の回復に繋がり治りも早くなるので、ぐっと堪えるところでもあるのです。

 

傷の痛み

傷の痛みですが当日から2日目くらいまでは、後陣痛も重なり強い痛みに感じるでしょう。筆者は熱を出してしまったということもあり、痛みと熱で起き上がるのも大変でご飯もまともに食べることが出来ませんでした。

しかし、傷跡の痛みが激しいときは痛み止めを処方してくれるので、無理せずに飲むことをおすすめします。術後3日をかけて傷は閉じ、自然分娩の方と同じようにゆっくりですが歩けるようになるでしょう。

しかし、傷口には赤みや腫れがまだ残っており、閉じた傷口の内側は炎症しているので痛みを感じる方もいます。安静にすることを心がけ無理は禁物です。

 

日常生活の痛み

帝王切開はお腹を切開し縫い合わせるといった大きな手術です。傷口が治るまでに時間がかかりますし、退院後ももちろん痛みが続きます。

退院してから1ヶ月ほどは、しゃがむことやお腹に力を入れること、重いものを持つことなどは控えるべきでしょう。傷口が痛むだけではなく、傷口が開いてしまうことや治りが遅れてしまう危険性があります。

 

赤ちゃんに会えた後が過酷…?帝王切開の術後の痛みは?いつまで続く?

赤ちゃんをお腹から取り出したら終わりではなく、帝王切開はこの後に後陣痛や切った傷の痛みなどが待ち受けます。

筆者は手術後のほうが過酷だと思いましたが、入院中は子供を病院の先生に見てもらうことができますし、入院中に痛みも和らいでくるので病院にいる間に身体をしっかり治すようにしましょう。

帝王切開による痛みがいつまで続くのかは人によって様々ですが、術後2週間くらいには強い痛みはなくなって、徐々に痛みやかゆみが落ち着いてくるケースがほとんどです。筆者の場合ですが、傷口は一ヶ月検診のときまでまだ痛かった覚えがあります。

 

帝王切開の傷跡はキレイになる?

あれから2年が経ちましたが今では傷跡は目立たず痛みもありません。しっかりケアをすることで、6ヶ月~1年ほどかけて傷跡は肌の色に近い色で傷跡になるでしょう。

ちなみに切開する場所ですが、予定帝王切開は横に、緊急帝王切開の場合は縦に切開するケースが多いようです。これは産院によって異なり、筆者は緊急帝王切開のときでも横に切りました。

横に切開する場合10センチ~12センチ程切開し、縦に切開する場合は3センチから10センチ切開することがほとんどのようです。縦に切開した場合、皮膚の繊維に沿って切開されているため、傷の治りは比較的早いと言われています。

横に切開した場合は傷跡が下着に隠れ、目立ちにくいというメリットがあります。

 

帝王切開からの辛い後陣痛…痛みを和らげる方法は!?

帝王切開からの辛い後陣痛…痛みを和らげる方法は!?

後陣痛はとても痛いですよね。筆者はとても痛かったという記憶があり、トラウマになっています。

でも、痛みを和らげる方法もしっかりあります。陣痛のほうが痛い、なんて報告がありますが痛いものは痛いんです。帝王切開から後陣痛の痛みに悩んでいるかた、また、これから帝王切開をする予定のかたはぜひ参考にしてみてください。

血行促進で痛みを和らげる!

足湯だけでなく湯たんぽだったり腹巻だったり、身体を温めることがとても効果的です。子宮周りの血行を促すことにより、痛みを和らげることができます。ホットドリンクを飲んで内側から温めても良いでしょう。これは後陣痛だけでなく、陣痛中も効果的な方法です。

病院から痛み止めを処方してもらう

どうしても痛くて仕方ない場合は、無理をせずに病院から痛み止めを処方してもらいましょう。授乳中に薬を飲むことに抵抗があるかもしれませんが、赤ちゃんの身体に影響を及ぼす薬というのは全体で80%ほど。病院の先生も、母乳に影響のない薬を処方してくれますので、薬の力に頼ってしまうのも手です。

 

経験者は語ります!筆者の帝王切開の経験談!

筆者の経験上、帝王切開で辛かった上位3位は

  • ①術後の後陣痛
  • ②術中の低血圧による吐き気
  • ③麻酔

この上位3位はトラウマです(笑)

術後の後陣痛ですが、これは2人目出産したときの後陣痛で、初産の時にはあまり痛くなかったと記憶してます。2人目は強烈に痛くてびっくりしました。

また、術中の吐き気ですが、1人目の出産の時も2人目の出産の時も経験しています。麻酔が原因ですが、もともと低血圧だったというのも原因のようです。赤ちゃんが取り出された時も吐き気があり、赤ちゃんどころではなかった気がします(笑)

入院中の話になりますが、入院中の食べ物は病院食でした。

手術をしたので当然ですが初日は「重湯」。人生初の重湯は衝撃的で全部食べきれませんでした。周りは自然分娩の方が多く、ウナギなどおめでたいものを食べていたので、なんだか寂しかった記憶があります。

しかし、悪いことばかりではありません。予定帝王切開の場合、出産する日にちが決まっていることもあり、周りがバタバタせず予定を立てやすい、というメリットもあります。

また、筆者が一番帝王切開でよかったと思うこと、それは陣痛がないこと。

初産の時は陣痛を経験してからの帝王切開だったので、陣痛の痛みは体感しています。あの痛みがないと言うだけで最大のメリットだと言えます。

帝王切開の傷跡ですが、1年ほどで目立たなくなりました。1人目も2人目も横に切開し、初めのうちはやはり傷がかゆかったり赤く腫れていましたが、次第に落ち着き、今ではかゆみもなくあまり目立ちません。主人に見てもらった時もあまり目立たないと言ってもらえました。

個人差はあると思いますが、以上が筆者の経験談です。

 

まとめ

帝王切開はお腹を切る、ということもあり不安に思う人は多いでしょう。しかし、痛みは麻酔のチクッとする痛みくらいで、手術中は「痛い」という感覚がありませんし、後陣痛も個人差があり、筆者も初産と2人目の出産で痛みは違いました。

経産婦の場合はツラい後陣痛を経験するかもしれませんが、これは自然分娩の方も経験する陣痛です。どうしても痛い場合は痛み止めを処方してもらうか、身体を温めるなどして痛みを和らげてください。痛みの緩和にはアロマも効果的。また傷跡のケアにはアーユルヴェーダの薬用オイルも効果的です。

帝王切開はお腹の赤ちゃんとママの身体を守るための分娩方法です。

痛みや傷跡などで分からないことやお悩みがあれば、病院の先生にしっかり相談することをオススメします。傷跡のケアも自己判断ではなく先生の指示に従うことで、綺麗な目立たない傷跡になるでしょう。

帝王切開については次の記事も参考になるでしょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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