産後の夜の営みについて。営みはいつから?止まることで自然とセックスレスに
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産後は、赤ちゃんのお世話で精いっぱいの毎日ですよね。すっかり赤ちゃんにかかりっきりになってしまい、旦那様とゆっくりと過ごす時間もなかなか取れないのではないでしょうか?
旦那様との大切なコミュニケーションの一つでもあるセックスですが、ふと気が付くと、妊娠期間を含め長いことしていなぁ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、産後はいつからならセックスしても大丈夫なんだろう?傷は痛くないかな?と心配される方も多いかもしれません。
または、「セックスが大切なのは分かっているんだけど、どうしてもする気にならない」「できればしたくない」と感じている方もいらっしゃるでしょう。
ここで、産後のセックスについての疑問、不安が解消できるよう、順番に説明していきます。また、どうしてセックスしたくないのか、体の状態や心の状態も合わせてみていきましょう。
産後のセックスはいつからOK?痛くない?
目安は1か月検診
まず最初に、多くの方が「産後のセックスはいつからなら大丈夫?」と疑問に思われているのではないでしょうか。正確には、「いつ」というのはないのですが、産後一か月間は控えるようにしましょう。
というのは、出産直後は体力を消耗しており、子宮もまだ元の大きさに戻っていなかったり、骨盤も開いたままの状態です。これらの状態を含め一般的に産後の体は、3週間~1ヶ月かけて元に戻っていきますが、あくまでもそれはひとつの目安です。必ずしも、全ての女性の体がこの期間に元通りになるわけではありません。
人によっては悪露が長引く場合もありますし、また、腰痛が悪化する方もいらっしゃいますよね。特に高齢出産の場合、体の回復には時間がかかる傾向がりますので、日数ではなく、あくまでも自分の体調を優先するようにしましょう。
また、出産による傷などが完治していないため、この期間にセックスをすると、傷口から菌がはいってしまい、感染症などを引き起こしてしまう危険もあります。
上記のことから、まずは1ヶ月健診の際に、子宮の収縮状況、悪露がとまっているか、出産時の傷は治っているか、などを確認しましょう。そして、問題がなければセックスを再開しても大丈夫です。しかし、まだ膣や会陰切開部分に痛みがある場合は、無理に再開せず、もうしばらく体の様子をみるようにしましょう。
産後1,2ヶ月は産褥期といって、出産でダメージをうけたママの身体を休ませなければいけない時期です。産褥期については次の記事にまとめました。
産後のセックスはなぜ痛い?
次に、産後のセックスに関して多い疑問は、「痛くない?」ということかと思います。
おそらく、再開の時期にもよるかと思いますが、多くの場合最初は痛みを伴うかもしれません。出産により、また、授乳の開始などによって産後のホルモンバランスは大きく乱れますので、心身ともに大きく影響を受けます。また、出産後は傷の痛みだけでなく、授乳や赤ちゃんのお世話で毎日寝不足です。育児優先の生活の中で、気持ち的が追い付かないこともありますよね。
ここで、産後のセックスに痛みが伴う原因をいくつかに分けて説明いたします。
(1)会陰切開や帝王切開の傷の痛み
出産時に会陰切開をした方も多いでしょう。まだ、違和感が残っている場合もあるかもしれませんね。帝王切開の方はさらに大きな傷がありますので、痛みが残っているかもしれません。これらの傷は一般的には産後一か月ほどで治るといわれていますが、会陰の傷の大きさ、深さ、など個人差がありますので、出産で会陰切開した部分がセックスの時に痛む人もいます。もし、普段から痛みがある場合は、受診して診てもらいましょう。
(2)ホルモンの影響
女性は妊娠により、その後は出産により、また、授乳により、女性ホルモンの分泌が変わります。そして、赤ちゃんに母乳を与えるために分泌されるホルモンによって、膣の潤いが低下する場合があります。そのため、セックスの時に痛みがでてくることがあるかもしれません。また、授乳期間は、ホルモンの影響で性欲がなくなることもありますので、セックスに対する興味の無さから、痛みがでることもあります。
(3)精神的な影響
膣の潤いは、雰囲気や精神的なものにとても影響されます。産後すぐに、出産による疲労から回復する間もなく、赤ちゃんのお世話が始まります。そのため、育児や家事からの疲れやストレスがあると、「セックスする時間があるなら眠りたい」と思ってしまいますよね。寝不足やストレスが溜まっていると、セックスをする気分になれず膣が潤わないため、その状態でセックスをしても痛みが伴います。
(4)赤ちゃんが気になる
こちらも精神的な影響の一つですね。
せっかく寝ている赤ちゃんが起きないだろうか…、と気が気じゃない。また、この時期は添い寝をしている場合もあります。すると、赤ちゃんの隣でセックスしていいのか…と赤ちゃんが気になってしまい、セックスをする気分にならない人も多いでしょう。特にこの時期の女性は、母性が強く、赤ちゃんが寝ている横でセックスをするなんて、と余計に罪悪感をもってしまう場合もあります。すると、気が散ってしまい、セックスに集中できず、膣の濡れも不十分となりますので痛みがでてしまいます。
(5)骨盤や子宮がまだ回復していない
出産により子宮はかなりのダメージを受けています。また、女性の骨盤は出産後、緩み開いています。つまり、まだ骨盤が安定しておらず、ぐらぐらしているのです。そのため、腰痛、腹痛を伴う場合もあります。
産後のセックスに痛みが伴う場合の原因として、いくつかその原因をご紹介しました。無理をせずに、旦那様とよく話し合い、再開のタイミングをつかめると良いですね。
注意点
産後は授乳によるホルモンの関係で、月経再開までに少し時間がかかる場合があります。産後の月経再開の時期には個人差があり、時期を予測することはできませんが、月経開始の約2週間前には排卵が起きますので、そのタイミングでセックスを行うと妊娠する可能性があります。そのため、次の妊娠までに少し期間を空けたいという方は、望まない妊娠を避けるためにも、しっかり避妊をするようにしましょう。
産後、セックスをしたくなくなってしまったのは、なぜ?
ホルモンバランスの変化
出産するまでは、まるで恋人同士のように仲の良い夫婦だったのに、出産を機に「セックスをしたくない」という心境になってしまう方も多いようです。夫を嫌いになったわけではないし、今までと変わらず大切な存在なのに、どうしてこのような状況になってしまうのでしょうか。
産後にセックスをしたくなくなってしまう理由の一つは、ホルモンバランスの変化によるものです。
特に母乳育児をしていると、セックスに対して興味がなくなってしまう傾向があるといわれています。産後は「授乳」という大切な仕事のため、女性の体の中では母乳をスムーズに出すためのさまざまな変化が起きており、その中の一つが母乳の元になる「プロラクチン」というホルモンの分泌です。
このプロラクチンというホルモンには性欲を抑制する作用があるのです。プロラクチンは乳腺の発達や母乳作りに大きく関わっており、また、排卵や受精卵の着床にも作用するホルモンなのです。つまり「今目の前にいる赤ちゃんに栄養を与えることに集中させるため、次の赤ちゃんを妊娠することを避ける」ためのホルモンなのです。
ですので、旦那様達には、もしもセックスを拒否されたとしても、「夫を嫌っているわけではない」「赤ちゃんを守るための女性の本能なのだ」ということを分かってほしいですね。
心の変化と疲労
また、女性は、妊娠、出産、そして授乳を体験していく過程で「女性」「妻」から「母親」となり、膣や乳房は聖なる部分へと神聖化されていきます。そのため、セックスそのものに対し「いやらしい」「下品だ」などのマイナスの感情を抱いてしまう場合もあります。
また、産後は子供を守るため、たとえ旦那様でも近寄ってほしくない、触られたくない、という動物的な本能が働いてしまう場合もあります。
さらに追い打ちをかけるように、産後は出産によるダメージをはじめ、後陣痛や、悪露に悩まされ、心身の疲労は相当なものです。体の回復のため、一般的には産後の一か月、特に最初の二週間は十分に休まなくてはいけないといわれていますが、しかし、出産と同時に育児がスタートするため、実際にはゆっくりすることもできません。
特に新生児の間はちょっとしたことで起きてしまったり、やっと寝ては起きての繰り返しです。寝不足と慣れない育児で毎日へとへとなのです。そのため、「セックスするくらいなら少しでも寝たい!」というのが本音ではないでしょうか。
産後の身体に自信がもてない
出産後、女性の多くは自分の身体の異変に気づきます。出産をしたら自然とお腹はペタンコになり、気づいたら痩せていくだろう、なんて思っていた方には、産後の体型はショックかもしれませんね。
赤ちゃんが出てきた後ですから、膣は以前より広がって自分でも締りが悪いと感じられるかもしれません。また、お腹の皮がだらしなく緩んだままになっている、妊娠線もお腹にくっきり残ったまま、「こんな体、旦那様に見せられない」と落ち込んでしまう方もいらっしゃるようです。しかし、10か月もかけて赤ちゃんの成長と共に大きくなったお腹です。ゆっくり時間をかけて元に戻してあげれば良いのです。
自分が劣化してしまった、もう女性らしい魅力がなくなってしまったと、自分の身体をどうしても旦那様に見せたくない、と女性達が感じてしまうのは、もしかすると旦那様のちょっとしたからかいの言葉や、いじりが原因となることもあります。奥様が自信をもてるように自分にとって十分魅力的なんだ、と照れずに伝えることは大切ですね。
身体のプロポーションが気になるママは産後ダイエットや骨盤矯正をしてみると良いかもしれません。骨盤の調整をするだけでも、見た目がスッキリと見えるようになったりします。
男性側がセックスをする気をなくしてしまった場合も・・・。その理由とは??
ここまで、女性側からみた「産後にセックスをしたくなくなってしまった理由」を説明してきました。しかし、女性側だけでなく、時には男性側も産後にセックスをする気をなくしてしまう場合が、稀ではありますがあるようです。
では、旦那様が産後にセックスをしたくなくなってしまった場合、何が理由として考えられるのでしょうか。
母親としてみるようになった
まず、夫側が妻を「母親」としてしか見られなくなってしまったということがあります。
赤ちゃんにおっぱいをあげている姿や、頑張って育児をしている姿を見ていると、妊娠する前の妻としての顔がどんな風だったか?すっかりわからなくなってしまい、性欲が湧いてこなくなってしまう場合もあるようです。
とは言っても、産後の女性は身なりなど構う余裕もないですし、女性らしさを無くしてしまっている場合も多いです。しかし、これは仕方のないこと。目の前の赤ちゃんのお世話で精一杯なのです。
しかし残念ながら、その姿をみて、「妻から母親に変わってしまった」と思ってしまう旦那様もいるようです。
また、性行為の際中に母乳が出てしまう場合もあります。というのは、授乳期間中にセックスをすると、少しの刺激で母乳が出てしまうことがあるため、それにより気持ちも萎えてしまうことが多いようです。
というのは、今まで通りのセックスを望んでいた夫にとって、母乳が出るということはショックでもあり、母親になった身体なんだ、と改めて認識することになるのです。
旦那様の精神的な理由
つぎに、旦那様側の精神的な理由で、セックスをしたくなくなってしまう場合もあるようです。
その一つが、立ち会い出産の衝撃で、立ち会い出産がトラウマになってしまったケースがあるようです。立ち会い出産は、赤ちゃんが産まれてくる感動を夫婦で共有できる大切な瞬間ですが、男性によっては刺激が強すぎることがあるようです。
実際に、立ち会い出産に挑んだものの、気分が悪くなったり気を失ってしまった経験をする男性は少なくありません。
最後に、奥様から断られ続けたことが理由となる場合です。
ただでさえ、男性は女性の体、ホルモンバランスの変化などに疎いものです。すると、一見元気そうにしている妻の身体がどれくらい回復しているか分からず、そろそろ大丈夫かな?と安易な気持ちで近寄ってきてしまいます。
そんな時に、妻から強く拒否をされたり、その後も何度も拒否が続いたりすると、次第にセックスに対して積極性が失われてしまいます。男性はデリケートな面がありますので、何度も拒否をされると自信を失ってしまい、自分からは誘えなくなってしまうのです。
以上、男性側がセックスをしたくなくなってしまう場合のいくつかの理由を説明してきました。女性側も男性側も、当てはまる部分があるかもしれませんね。
産後クライシスにならないために
産後クライシスとは?
ここで、「産後クライシス」について少しご紹介しますね。みなさんは、「産後クライシス」という言葉をご存知ですか?産後にセックスレスが続いてしまうと、産後クライシスへと発展していってしまう可能性があるのです。
「産後クライシス」とは、産後2年以内に夫婦の愛情が急速に失われてしまう状態のことで、最悪の場合、離婚に至るケースも多く、近年このような夫婦は増加していると言います。
産後クライシスの引き金は、産後のセックスレスなど気持ちの擦れ違いから生じることが多く、産後の過ごし方がいかに大きく夫婦関係に影響しているかがわかりますね。
産後クライシスを防ぐためにも、産後のセックスレスにならないようにしていく必要があるかもしれません。
産後クライシスについては次の記事をご参照ください。
産後のセックスレスにならないために
では、産後のセックスレスを防ぐために、どうしうたらよいのでしょうか。
まず、夫婦間でたくさんのことを共有しておくことが大切です。先にも説明した通り、夫は妻の身体がいまどのような状態なのかわかりませんし、妻も夫がどんな気持ちでいるのかがわかりません。
女性からすると、産後は赤ちゃんのことで手一杯になり、毎日慣れない育児と睡眠不足でへとへとですので、旦那様のことまで意識がいかない、というのはよくわかります。しかし、意識して話さなければ情報は共有できないのです。
毎日少しの時間でも良いので、さまざまな情報を共有し、産後のセックス再開の時期を計画していくのがオススメですよ。
産後に大切な夫婦のコミュニケーション
産後の体と心の状態を知ってもらおう
夫婦間で情報を共有する上で、まず旦那様に理解してほしいことは、産後の心身の状態ですよね。
- 出産により1ヶ月は安静にする必要があり、悪露も続いていて、感染症を予防するためにもセックスはできないこと。
- 骨盤が不安定なため、産後6ヶ月くらいまでは腰痛が起きやすいこと。
- 産後はホルモンバランスが崩れるため、イライラしたり、夫に対して攻撃的になりやすいこと。
これらの情報を伝えるだけでも、夫側の認識は変わってくるようになります。すると、妻側も余計なイライラをしなくて良いですよね。
奥様の一番の欲求を理解してもらう
次に、夫婦間で共有しておきたいものが、欲求の優先順位です。「食欲、性欲、睡眠欲」という3つの欲求は、人間の三大欲求と呼ばれています。その中でも「性欲」は最も優先順位が低く設定されているのです。
一方、産後はおむつ交換、授乳など赤ちゃんのお世話で、毎日睡眠時間が大幅に削られてしまいます。そのため、女性は「性欲」よりも「睡眠欲」を優先したくなるのは、生理現象として当然のことですよね。
そのため、たとえ疲れていて拒否をしたとしても、それは旦那様を嫌いになったのではなく、今は睡眠欲モードになっているのだ、ということを旦那様に理解してもらうようにしましょう。そうすることで、たとえ断られても男性側が誤解したり、必要以上に傷つく心配がありませんし、女性側も罪悪感を抱くことも減るかもしれませんね。
計画をたててみる
産後は、赤ちゃんのお世話で心身ともに余裕がないのが現状です。そのことを、まずはしっかり旦那様に理解してもらいましょう。
しかし、産後のセックスレスを防ぐためにも、ある程度の期間が経過したらセックスの再開の時期を計画するようにするのがオススメです。「じゃあ、〇〇からにしよう!」とあまり具体的に決めてしまうと窮屈になってしまい、プレッシャーにもなってしまいますので、大体で構いません。「産後半年ぐらいたったらチャレンジしてみよう」と大まかな予定を立てるのが良いですね。
ただ、産後1年以上過ぎてしまうと、セックスレスが当たり前になってしまい、今度はタイミングが分からなくなってしまうなど、再開しにくくなる傾向がありますので、体調を見ながら、できれば産後1年以内の再開を目指すようにしましょう。
まとめ
以上、産後のセックスについて、いつからOKなのかなどの基本的な部分から、産後クライシスまで簡単にご紹介しました。
出産を経験すると、女性は心身ともに大きく変化します。身体へのダメージも大きく、ホルモンバランスも大きく変化するため、しばらくは性欲が出てこないのが普通ですし、慣れない育児で毎日へとへとになります。
ただし、繰り返しになりますが、その状況を旦那様が理解していないことで、気持ちにすれ違いが生じセックスレスへと発展してしまうケースが多々あります。
産後は赤ちゃんのことが中心になり、夫婦関係にまで気が回らないのは仕方がないのですが、だからこそ、お互いのためにもコミュニケーションをとることを意識して、さまざまな情報を共有しておくようにしましょう。
そして、しっかり産後の身体が回復してから、セックスができるようにしていきましょう。夫婦二人で支えあいながら育児を乗り越えていくことで、産後のセックスレスも自然と解消していくことができますよ。
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