魔の2歳児イヤイヤ期対処法上手に付き合う13のコツ。イヤイヤ期はいつまで続くのか
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育児中の親を悩ませるのが「イヤイヤ期」。
“魔の2歳児”という言葉があるように、この時期の子どもは何かにつけて「イヤ!」と言い、時には暴れたり泣き喚いたりで「まるで怪獣!」、ほとほと困り果てているママ・パパも多いことでしょう。
今回は専門家のお話しを元に、そんな子どものイヤイヤ期がいつから始まりいつまで続くのか、原因や対処法、上手に付き合うコツなどを紹介していきます。
この記事を読み終わる頃には、イヤイヤ期の子どもへのストレスが軽減されていることでしょう。
イヤイヤ期はいつから始まり、いつまで続くの?
実は!イヤイヤ期は生後6か月頃から始まっている!?
「イヤイヤ期はいつから始まるのか?」について、1歳後半くらいからと考えている人が多いようですが…、実は生後6か月くらいの頃から始まっていると言われています。
例えば…、お腹がすいたり眠い時には、泣いてママに訴えますよね。これは「不快」「不安」などの気持ちがイヤで、泣いて訴えているということ…。
また、離乳食をあげようとしたら、「いらねーよ」とばかりに、舌で押し返されて拒否されたなど、小さいながらにイヤイヤの気持ちが芽生えています。
生後6か月~1歳後半くらいまでは、他のことに気をそらせたり、子どもに共感してあげるとすんなり収まったりする“プレ・イヤイヤ期”と言えるでしょう。
強烈!本格的なイヤイヤ期は2歳から!
2歳児の頃は「感情・思考・表現」といった、内面的なものや個性がつくられていく時期です。
「イヤだ!」「自分でやる!」のように自己主張が強くなり、本格的なイヤイヤ期に突入していきます。
自分の思うようにならない場面に遭遇することも多くなりますが、自分自身でエネルギーをコントロールできないために、イヤイヤがどんどん表面化。親に反抗すること自体が目的となることもあります。
なんでもイヤ!と親への反抗がピークに達するのが2歳あたりと言われているので、「魔の二歳児」と呼ばれているのです。
イヤイヤ期は3歳⇒4歳にかけて沈静化していく
ただ、そんなイヤイヤ期も永遠に続くわけではありません。
3歳くらいになり言葉の理解が進み、円滑にコミュニケーション出来るようになるにしたがい、気付けばいつの間にかイヤイヤが減っていくものです。
嫌なことがあったら「〇〇だから嫌だ!」としっかり理由を言葉で伝えてくれるようになるので、親としても対応に困らなくなります。イヤイヤ期は必ず終りが来る!ということです。
というわけで、これまでの話をまとめますと…、イヤイヤ期は生後6か月頃から徐々に始まり、2歳にピークを迎え、だんだんと沈静化していき、4歳には終わると言えるでしょう。
ただ、本格的なイヤイヤ期については、「なかった」という人もいれば「6歳くらいまであった」という人もいますし…、「半年くらい」という人もいれば「1年くらい続いた」という人もおり、子どもによって個人差があるようです。
子どもが「イヤイヤ」になる7つの理由や原因を知ろう
なぜ子どもは「イヤイヤ」を言うのでしょう。原因をしっかり知っておくことでママのイライラも少しはなくなるかもしれません。子どもが「イヤイヤ」になる理由はいろいろとありますが、よくあるパターンをご紹介します。
【理由1】言葉の理解が未熟だから
イヤイヤ期がはじまるのはちょうど言葉を理解し、「バナナ、食べる」というように、一生懸命に何かを伝えようとする1歳半から2歳頃です。自分の気持ちを言葉で上手く伝えることができず、「イヤ」で表現してしまっていることもあります。
【理由2】親の反応が嬉しいから
自分で出来ることが増えてくる中で「何をしていいのか」「何をしてはいけないのか」を自分で行動しながら大人の反応を伺っています。これをしたら大人はどんな反応をするか、「笑う、怒る、びっくりする」など様々な感情を覚える時期です。
反応してくれるのが嬉しくて、「イヤイヤ~」と、わざと親が嫌がることをすることもあります。また、親にかまって欲しくて、注意を引こうとしてわざとイヤイヤをすることもあります。
【理由3】思うようにならないから
自分のイメージと現実のギャップから、「イヤ!」と癇癪を起こすこともあります。例えばブロックを積もうとして、思う様に積めないなど。。
【理由4】体調が悪いから
もしかしたら体調が悪いのかも!睡眠不足で眠かったり疲れていて、気持ちのコントロールができずイヤイヤすることもあります。
【理由5】したくないことが待ってるから
まだ寝たくないのに寝室へ誘われる…など、「この先にしたくないことが待っている」と分かるとイヤイヤを始めることもあります。
また「自分で決めたい」欲求も強くなってくるので、「お風呂の時間だよ」と親に指示をされることに「イヤ!」となってしまいます。お風呂に入りたくない!と思えば絶対入りたくないのです。
【理由6】自分でやりたい!自分で決めたい!
2歳前後は手先も器用になり、出来ることが増えてくる時期です。なんでも挑戦したくなり、「やりたい!」という感情が芽生えてくるのです。大人がやれば数秒で終わることでも、子どもの手にかかれば5分はかかる時もあります。
なかなか終わらずイライラしてしまい大人は手伝ってしまいますが、子どもにとってこの「手伝い」がものすごくイヤなのです。「1人でできる!」と思うからこそ起こるイヤイヤ。さらに1人でできると思っていたことができなかった時のイヤイヤ。とても悪循環ですが、この成長こそがイヤイヤ期の原因になっています。
【理由7】脳の関係
大人は欲求や衝動を我慢することはたやすいことですが、子どもにはそれが難しいのです。それは「前頭前野」という欲求を抑える脳の一部が発達していないからです。
子どもは1歳半頃から自我が芽生えはじめ、いろいろなことを自分でやってみたくなりますが、前頭前野が未発達のため欲求を抑えることができず、自分の思い通りにことが進まないと癇癪を起こすのです。この前頭前野は3歳から4歳の間に発達してきます。
などなどの理由が考えられるでしょう。イヤイヤの理由を知れば、以前よりも余裕を持って受け止められるかと思います。ただ、最初は小さなイヤイヤだったのが、親の反応によって強烈なイヤイヤになるのはよくあることでしょう。
そんな時には、次に紹介する「イヤイヤ期の子どもと上手に付き合うコツ」を実践してみましょう。
イヤイヤ期の子どもと上手に付き合う13のコツ
原因がわかったところで、次はイヤイヤ期の対処法です。個人差はありますがこの方法でイヤイヤ期をうまく乗り越えられた、というママさんも多いです。
【1】鉄則!まずは共感してあげよう
子どもがイヤイヤをしている時、頭の中はもつれた毛糸のようにぐちゃぐちゃーーっとしていることが多いです。実はどうしてイライラしているのか、自分自身で理解できていない場合があるのです。
「靴が上手く履けないのね」というように、子どもが今どのような状況になっているのか説明してあげると良いでしょう。親としては理解できないイヤイヤであっても、「イヤだったね」「できないね、悔しいね」などと共感してあげて、もつれた糸をほぐしてあげることが大切です。「わかってくれた!」と子どもの癇癪は少し落ち着き、イヤイヤが大きく爆発するのを防げるかもしれません。
【2】気持ちの切り替え達人になる
1歳の頃であれば「こっちの○○で遊ぼうか!」と、気をそらせるだけで上手くいくことも。ただ、2歳になると記憶力がつき意志も強くなるので、そう簡単にはいきません。
「~だよね」と共感⇒「でも~だから危ないよね」と理由を伝える⇒「こっちの○○で遊ぼうか!」と気をそらせる、、の3段階の方法で子どもの気持ちを切り替えることを試してみましょう。
【3】「ダメ!」の方針を決める
子どもはイヤイヤをして親の反応を見て、「どこまでOKなのか?」「どこからダメなのか?」を判断していることもあります。何でもかんでも「ダメ!」と言うと、子どもは何が良くて何がダメなのか判断できなくなります。危険なこと、人に迷惑をかけることのみなど、家庭で「ダメ!」の方針を決めると良いでしょう。
【4】みんな共通の悩みと知る
イヤイヤ期は「第一反抗期」と呼ばれる時期で誰でも通る道。もちろんあなたが子どもの頃も、イヤイヤ期はあったでしょう。あなたと同じように、他の親もみんなイヤイヤ期の子どもに四苦八苦しています。あなただけではありません!!!子どもを持つ親の共通の悩みだと思えば、少しは気が楽になるのではないでしょうか?
【5】複数の選択肢を出して選ばせよう!
「お風呂入ろう」「イヤ!」「じゃあ入らない?」「イヤ!」
お風呂に連れていけば「入りたくない!」と裸で泣きじゃくる・・・
ママの体験談をみるとよくある光景のようです。
イヤイヤ期の子どもは「自分でしたい!」という自己主張が強いです。親から何か言われて行動するのではなく、「自分で選んで行動したい!」という気持ちもあります。「○○もあるし■■もあるよ。▲▲もあるけどどれがいいかな?」など、親ができる行動の中で、複数の選択肢を出して選んでもらいましょう。子どもが答えやすいように持っていってあげると良いです。自分の選んだものなので癇癪を起こしにくくなりますね。
【6】ぬいぐるみや好きなキャラクターにたよる
子どもが好きなキャラクターの人形やぬいぐるみだったりを使って、「○○ちゃんどうしたの?●●して遊ぼうよ~。」など腹話術のような感覚でお声がけしてみましょう。
アンパンマンが好きなら、歯磨きでイヤイヤするとき「アンパンマンが歯磨きしてくれるって!」と声がけしたり、スーパーに行きたくないと駄々をこねるときも「アンパンマンも一緒に行きたいっていうんだけどいいかな?」とぬいぐるみを見せたり。親が直接言うよりも、ぬいぐるみや人形を通すことで、素直に話を聞いてくれることもあります。
【7】嵐が過ぎ去るのを待つ
イヤイヤが激しくなって手が付けられないような時、親が叱ったり注意したり何らかの形で関わろうとすると、さらにイヤイヤが爆発することもあります。。そんな時は【2】のような声がけをしてあげて、あとは距離を置いて嵐が過ぎ去るのを待つのも得策です。
【8】目指すは30分前行動!余裕を持った行動を
子どもは親が忙しくしている時や、自分のことを見てくれない時に、イヤイヤすることがよくあります。時間に余裕がないと…、「時間が迫ってる!子どもがイヤイヤして言うこと聞かない!イライラ!」と、どんどんネガティブな要素が積み重なってしまいます。
イヤイヤ期はなんでもやりたがる。やらせないとぐずる。それを前提に考え30分前行動を心がけると、子どもも大人も心に余裕が生まれ、子どもが素直にママの話を聞きやすくなるでしょう。「時間が多少過ぎてもしょうがない」という気持ちを持つことも大切です。
【9】褒める時はちゃんと褒めてあげる!
イヤイヤ期の子どもであっても、ママのことを「好き」であることには変わりません。そんなママに褒めてもらえるのは、子どもにとってとても嬉しいこと。。子どもが何か上手にできた時などは、しっかり反応してあげて、「すごい!よく出来たね!」と褒めてあげると良いでしょう。「ちゃんと見てるよ!」という気持ちが伝わることで、イヤイヤ症状がおさまることも。
【10】頭ごなしに叱らないこと!
第一反抗期であるイヤイヤ期に、「ダメ!」「やめなさい!」など、何でもかんでも頭ごなしに叱ると、子どもにとっては「行動が否定された」「自己主張はしてはいけない」と思ってしまいます。それが続くことで、将来的に意思薄弱なるなどの形で、思春期に問題になることが多いようです。イライラしても頭ごなしに叱るのは良くないでしょう。【※叱り方について別記事で追記しました⇒魔の2歳児イヤイヤ期でこんな叱り方していませんか?】
叱るときはゆっくり丁寧にわかりやすく!「走るとぶつかって怪我するよ」とゆっくりシンプルにいうと効果的です。また、子どもが泣いている時に叱っても子どもは聞いていません。まずは子どもを落ち着かせてから伝えることがポイントです。
逆に褒め方については次の記事が参考になります。
【11】ルールやマナーは期待せずに言い続ける
イヤイヤ期は何を言っても反抗されてしまう時期ですが、マナーやルールはしっかり伝えましょう。スーパーで泣いて寝転んでいる時や食事の時に座らない時など、寝転んでいる場合はしっかり起き上がらせ、なぜここでは寝転んではいけないのか、なぜ大きな声を出してはいけないのかを教えてあげなければいけません。
すぐにはできるようになりませんし、何度も反抗されると思いますが、ここは「期待しない」のがポイントです。仕方ない、と思う気持ちは大変かもしれませんが、お子さんはしっかり成長してくれるので、いつかママが教えてくれるルールやマナーを身につけてくれるはずです。
【12】写真やカメラ・育児書などで記録する
イヤイヤ泣いているところやデパートで寝転んでいる姿、いたずらしてママに叱られる5秒前、などイヤイヤ期真っ盛りの時にしか見れないその光景を記録してみてはいかがでしょうか。スマホのカメラ、動画、育児書、日記、なんでも構いません。
写真や動画はふとした瞬間に見返すとフフっと笑ってしまうかも。
大きくなった時「こんなこともあったな」「あの時は辛かったな」「大変だったな」と、イヤイヤ期の時の思い出が楽しいものとして蘇ること間違いなしです。イライラしてしまっている時は、写真を撮って気を紛らわせるのもひとつの手としてオススメです。
【13】ルール作りで前頭前野を鍛える
子どもとルールを作るのは、前頭前野を鍛えるにはとても有効な方法だと言えます。
例えば公園にいるとして「もう帰るよ!」と突然言っても、前頭前野の抑制機能は働きません。「イヤイヤ」に繋がり、更にイライラしてしまうでしょう。
「あと2回滑り台したら帰ろうか」と子どもが分かるルールを一緒に決めると、子どもが「自分で我慢する」経験ができ、前頭前野を育てることができるそうです。しっかり納得した場合に有効なので、「何回」というのは子どもに決めさせると良いかもしれませんね。しっかりルールを守ることができたらたくさん褒めてあげるとさらに効果的です。「また褒められたい」という気持ちも育てられるでしょう。
などなど、イヤイヤ期の子どもと上手に付き合うコツを、13個ご紹介しましたがいかがでしょうか?
イヤイヤ期の子どもへの対応には四苦八苦すると思いますが、上記の対処法を実践したり、お子さんに合った方法を試行錯誤して乗り切っていただけたらと思います。イライラするような場合、【イライラしない子育ての為の8つのアイデア】も参考になるかもしれません。
強く怒ってしまい反省…そんな時はどうする?
さきほど「思春期に問題がでるので、頭ごなしに叱らないこと!」と説明しました。しかし、特に1,2歳児の場合、言葉の理解が未熟で通じにくいため、ついつい強く叱ってしまうことも多いようです。
もし強く叱ってしまい「やり過ぎちゃった…」という場合には、叱った理由をちゃんと説明してあげて、「●●ちゃんのことが嫌いで起こったわけじゃないよ。●●ちゃんのことは大好きだよ。」など、子どもを愛していることを伝えてあげましょう。
子どもは「親に愛されている」という土台があれば、大抵のことは大丈夫なのです。よかったら【魔の2歳児。イヤイヤ期幼児を我慢させないでしつける6つのオススメ対処法】もご参照くださいませ。
イライラしてしまったら休息を
イヤイヤ期はママにとっても周囲にとっても、とても悩ましい時期の一つです。なんでもイヤイヤ言われ、泣かれ、ため息の毎日ですよね。しかし「成長の一つだ」と自分を納得させるのも一つの手です。
また、頭の中で仕方ないと考えるより声に出して「前頭前野がまだ発達していないからなんだ」「自我が芽生えた証拠なんだ」と友人やパパに言うことでより自分を納得させ、気持ちを落ち着かせることができるでしょう。同じ世代の子どもを持つママ友がいるなら、愚痴り合ってもストレス発散になりますね。
それでも「もうだめだ」と思ってしまったら、少し休息を取りましょう。ママも人間なのです。毎日ママを困らせるイヤイヤ期の子どもだって、疲れた顔やイライラしているママよりも笑ったママが大好きです!
実家が近くにあれば親にお願いしてもいいと思いますし、保育園の一時保育であったり自治体のサービスなどをどんどん活用し、一人で買い物をしたり映画を見に行ったりとリフレッシュするようにしてイヤイヤ期を乗り越えましょう。
最後まで読んでいただきありとうございました。