赤ちゃんの初節句、雛人形は買わなきゃだめ?雛人形やひな祭りの歴史や由来は?

赤ちゃんが生まれて、初めてお祝いする節句を「初節句」といいます。

女の子なら、お雛様を飾り、男の子なら兜を飾ったり、鯉のぼりを飾ったりしますよね。今回は、女の子の節句について、見ていきます。

ひな祭りはどのような祝いごとなのか?どうしてお雛様を飾るのか?など、由来や歴史について詳しく知っている方は少ないようです。

今回は、赤ちゃんが生まれて初めての節句を迎えられるパパ・ママのお役に立てるよう、どのように初節句をお祝いしたら良いのか、雛人形について、また、ひな祭りの由来や意味についてご紹介します。

ひな祭りの意味について知ることで、大切なお子さんの初節句が気持ちのこもった、思い出に残るものになるでしょう。

初節句はどうしたら良い?赤ちゃんの雛人形は誰が用意するの?

初節句はどうしたら良い?赤ちゃんの雛人形は誰が用意するの?

初節句とは?

初節句は、女の子の初めての節句のことで、雛人形など伝統的な飾りつけをし、ちらし寿司やハマグリのお吸い物など「祝い膳」と呼ばれる料理を囲み、これからの赤ちゃんの健やかな成長をお祝いします。

昔は、初節句の日には、お父さん、お母さん、祖父母をはじめ、親戚が集まって盛大な宴をもうけることが多かったようですが、最近は、お父さん、お母さんと赤ちゃんだけでお祝いしたり、祖父母など数人だけを招待し、こじんまりした食事会をするケースが増えてきています。

時代の変化や家族形態の変化、各家庭の状況もありますし、誰を招待しなくてはいけない、などの決まりはありませんので、普段あまりお付き合いのない遠い親戚にまで声をかける必要はありません。

誰が雛人形を用意するの?

初節句を迎えるにあたって、一番大切なものは赤ちゃんの「雛人形」です。
ところで、雛人形は誰が用意するのが普通なのでしょうか?これは地域にもよるのですが、通常ですと雛人形はお母さん方の祖父母が用意することが多いです。

しかし、時代の変化と共に、雛人形の準備に関しても考え方や価値観が変わりつつありますので、必ずお母さん方の祖父母が買わなくてはいけない、というように「こうしなければいけない!」という決まりはありませんので安心してください。

中には、祖父母がお金だけ渡して、ご夫婦で好きな雛人形を選ぶ、というケースも増えてきています。

また、ご両親に頼らず自らがお金を出して、雛人形を用意するご家庭もあります。

昔のように、「○○しなくてはいけない」というような決まりは段々と無くなってきていますので、それぞれのご家庭でよく話し合われて、それぞれの祖父母との行き違いなどがないように、コミュニケーションをしっかりとりながら用意されるのが一番でしょう。

一つ、気を付けなくてはいけないのは、女の子の節句の場合、雛人形は早く飾って早くしまうのが良いとされている点です。

2月4日の立春を過ぎましたらいつ飾って大丈夫ですので、ギリギリで用意するのではなく余裕をもって、遅くても桃の節句の1週間前くらいまでには用意しましょう。

雛人形には種類がたくさんあるけど、どれを選んだらいいの?飾り方に決まりは?

雛人形の種類

少し前の時代には、「七段飾り」が主流だった時代もありますが、現在はマンションやアパート住まいの方も多く、七段飾りのような豪華で大きな雛人形ですと、飾るスペースがなかったり、収納する場所がなかったりと、都合が悪い場合も多いです。

そこで、どのような雛人形を選んだらよいのか、雛人形の種類について、段の違い、飾りの違い、人形自体の違いなど分けてみていきましょう。

違いをみていくとで、ご家庭に合った雛人形が分かるかもしれません。

雛人形の「段」について

一番豪華な「段」は「七段飾り」で、男雛、女雛、三人官女、五人囃子、仕丁、お道具9つが含まれています。次に、「三段飾り」では、男雛、女雛、三人官女、お道具3つで構成されていて、一番シンプルな段が「親王飾り」になり、男雛、女雛のみの一段となります。
上記にプラスして、屏風、雪洞、菱餅、桜、橘が付いています。

「飾り」について

「段飾り」とよばれるものが、一番スタンダードなタイプとなり、他に「収納飾り」と呼ばれるもので、桐箱が飾り台や収納する箱になるタイプや、透明のガラスやアクリルケースに入っている「ケース飾り」とよばれるタイプもあります。

「人形」自体の違い

一般的によく見られるものが「衣裳着人形」とよばれ人形で大人びた顔立ちをし、豪華な衣装をきています。他には、コンパクトで場所はとらない「木目込み人形」と呼ばれる童顔で可愛らしいお顔を持ち、木製の胴体の溝に布の端を埋め込んで衣裳を着せた人形や、キャラクター物、陶器、手作りのタイプのものなどさまざまな種類があります。

このように、雛人形といっても、段の違い、人形の違いなど、種類も大きさも様々ありますので、ご予算、大きさ、など合ったものを選べるのではないでしょうか。

どこに飾ったらいいの?

ひな祭りのように伝統的な行事に関するものは、雛人形をどこに飾ったらいいのか、飾る場所や方角なども気になりますよね。雛人形を飾る場所ですが、昔は床の間に飾るのが一般的でしたが、今の住宅事情を考えますと、なかなか難しいでしょう。

基本的には、「ここに飾らなければならない」という決まりはありませんので、自由に好きな場所、好きなお部屋に飾りしましょう。ただし、赤ちゃんの手の届くところに飾るのは危ないので避けるようにしましょう。

一年に一回のひな祭りですし、せっかく飾るのですから、リビングなど一番家族が集まる場所に飾り付けるのがオススメです。小さめのかわいらしい雛人形や、ケースに入った雛人形などは、チェストなどにも飾れますね。

また、雛人形を飾る方角についてですが、方向や方角に決まりはありませんので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

ただし、エアコンやヒーターの風が雛人形に直接あたる場所や、直射日光が当たる場所に飾ってしまうと、顔のひび割れや台、屏風の反りやひび割れ、色の変色にも繋がりますので注意しましょう。また、できれば湿気がたまりやすい場所も、避けるのが望ましいです。

赤ちゃんにとって雛人形は大切?ひな祭りの歴史

赤ちゃんにとって雛人形は大切?ひな祭りの歴史

雛人形とは?

昔日本では、紙でつくった人形に自分の穢れを移して身代わりにし、その人形を川に流し、水に流すことで厄を払う、という風習がありました。この風習が元となって、赤ちゃんが女の子でああれば雛人形に穢れを移して身代わりにし、川に流すという「流し雛」が行われておりました。

このことから、女の子にふりかかる災いを、その女の子に代わって雛人形が受けてくれると考えられ、現在でも、女の子の幸せや健康を願い飾られています。

また、平安時代の貴族のお姫様たちのおままごと遊びを「雛あそび」といいます。

「雛(ひいな)」とは、「小さくてかわいらしいもの」という意味で、ひな祭りの“ひな”の元となる言葉と言われています。

先に述べた「人形を川に流す風習」と、この「雛遊び」が結びついて、人にふりかかる災いや厄を身代わりする「男女一対の紙人形」ができあがります。これが「雛人形」の原型といわれ、時代と共に変化を遂げながら今現在の雛人形につながっていくのですね。

その後、室町時代になると、流し雛だった男女一組の人形が立派な人形へと変化し、雛人形を川に流す「流し雛」から、部屋に飾るものへと変化していきました。

そして、平安時代には、貴族のお姫様の遊びであった雛人形ですが、室町時代になると、上流階級の女の子の嫁入り道具のひとつとなりました。

その後、江戸時代に入ると、大きな変化が訪れます。

ひな祭りが、「桃の節句」として女の子の節句に定められると、華やかさを増したひな壇に人形を飾るようになりました。

そして、江戸時代中期には、自慢のひな人形を見せ合う「ひな合わせ」、ごちそうを持って親戚を訪ねる「ひなの使い」、おひなさまに春の景色を見せてあげる「ひなの国見せ」、などが流行し、ひな祭りが町をあげてのお祝いへと変わりました。

雛人形自体も、江戸時代の初期は、男女一対の人形だったのが、中期になると十二単の装束を着せた「元禄雛」、大型の「享保雛」などへと変わります。

また、金屏風の前に雛人形を飾る立派なものへと変わっていきます。後期になると、宮中の装束を再現した「有職雛」がつくられ、その後は、「古今雛」があらわれ、現代の雛人形の原型が出来上がっていきます。

幕末になると、男女一対の雛人形にプラスして、官女やお囃子などの添え人形、さらに嫁入り道具、壇飾りなどが増え、さらに立派でスケールの大きい雛人形と変化して、現在の雛人形へとつながっていきます。

雛人形飾りは、結婚式を表しているの?雛人形の世界とは?

では、この雛人形飾りですが、これは何を表しているのでしょうか。

実は、雛人形飾りは結婚式の場面を表現したもので、赤ちゃんが将来幸せな結婚ができるようにと願いを込めたものなのです。

では、雛人形飾りの登場人物の説明をしていきましょう。

まず、全ての雛飾りに欠かせない主役の、「お内裏様」と「お雛様」ですが、このお二人は一段目(一番上)に飾ります。「内裏」とは、天皇陛下が生活する場所のことを表し、一番上の段に飾る男雛と女雛のペアで「内裏雛」と呼びます。

雛人形は、昔の貴族社会を表していると言われており、その貴族社会の頂点にいらっしゃるのが天皇皇后陛下ですよね。つまり、1段目の男雛(おびな)は天皇陛下、女雛(めびな)は皇后陛下を表現していて、天皇皇后両陛下のように良縁に恵まれますように、と願いを込めて飾られるのです。

二段目に飾るのは、内裏雛の世話をする「三人官女」です。

現代の結婚式でいうと、アテンドのような、ウェディングの裾払いをしたり、扉を開けたり、食事の上げ下げをするなど、内裏雛の身の回りのお世話をする役割なのがこの三人官女です。

三段目に飾るのは、「五人囃子」で、太鼓と笛を演奏する楽団です。美しい音楽で内裏雛の結婚式を盛り上げる係で、今でいう生バンドのようなものになります。

四段目に飾るのは、「随身」と呼ばれる「右大臣」と「左大臣」です。向かって右側の若い男性が左大臣で力を司り、左側の老人が右大臣で知性を司り、当時は、貴族のボディーガードの役割を担っていました。三人官女や五人囃子よりも、身分は高いのにも関わらず、なぜ下段に位置しているのかというと、結婚式という祝いの場ですので、あえて下の段に位置していると言われています。

五段目には、主人の身の回りの雑用などの世話をする「衛士」または「仕丁」と呼ばれる平民出身の人達が飾られます。

中央の人物は、「怒り上戸」と呼ばれ、主人の履物を預かる沓台をもっており、向かって左が「泣き上戸」と呼ばれ、台傘を持ち、右側が「笑い上戸」と呼ばれ、立傘を持っています。

六段目と七段目は、人形ではなく内裏雛の女雛が持って行く、嫁入り道具である牛車や箪笥、火鉢、鋏箱などの調度品を飾ります。

雛人形は、女の子の身に降りかかる災難や厄を代わりに受けてくれると考えられていますが、嫁入り道具を加えることで、雛人形が、結婚によって受けるかもしれない災いやトラブルも肩代わりしてくれる、という意味合いがあります。

雛人形と一緒に飾る食べ物にはどんなものがあるの?

ひな祭りの代表的な食べ物を言えば、「ひなあられ」です。
ピンク、白、緑の色の可愛らしいお菓子です。

しかし、これらの色にもそれぞれ意味があるのをご存知ですか?
まず、ピンクは「生命」を表し、白は「雪の大地」、緑は「木々の芽吹き」を表してしると言われています。

この3色はまさに自然のエネルギーを表しているのですが、この3色のひなあられを食べることで、そのエネルギーを得ることができ、元気で丈夫に育つとされているそうです。

さらに、これに黄色が加わった4色のひなあられは四季を表現していて、緑が春、紅が夏、黄が秋、白が冬を意味していると言われています。この4色のひなあれを食べる事で、「春夏秋冬1年を通しての幸せを願う」という意味があります。

また、ひな祭りの代表的な食べ物「菱餅」ですが、なぜひし形なのかというと、二つの説があります。

一つは、ひし形は陰陽道でいう女性を表す正方形、菱形をかたどったものという説、もう一つは、正月に宮廷に収められる餅が原型となっているという説です。

実は、元々は2色の丸い餅だったのですが、これが江戸時代になり、菱形に代わり、さらに三色の菱形になったのは明治以降と言われています。

ひなあられと同じように、菱形餅の色にもそれどれ意味があります。紅は「ももの花」を表し、着色には解毒作用のあるクチナシを使うことから魔除けの意味があり、白は「白い雪」を表し、長寿の薬とされるヒシの実を使用しています。そして、緑は「健康・草萌える大地」を表しています。

つまり、三色合わせて、「春の訪れが近くなって緑が芽吹き、まだ雪が残っている大地に桃の花が芽吹く」ということを現していると言われます。

上記のように、使用している食材に魔除けの意味があったり、長寿を表す色を使用するなど、我が子の健やかな成長を願って作られるものなのですね。

ひな祭りはいつから、女の子の節句となったの?由来は?

ひな祭りはいつから、女の子の節句となったの?由来は?

なぜ「ももの節句」というの?

ここまで、雛人形や雛飾りについてご紹介してきました。

では、この雛人形や飾りを飾る「ひな祭り」ですが、いつから女の子の節句となったのでしょうか。

日本には平安時代に、季節の節目に身の穢れを祓い、健康長寿や厄除けを願うという「五節句」と呼ばれる行事がありました。

1月7日の「人日(七草がゆ)」、3月3日の「上巳(桃の節句)」、5月5日の「端午(菖蒲の節句)」、7月7日の「七夕(星祭)」、9月9日の「重陽(菊の節句)」、この5つが「五節句」と呼ばれ、ひな祭りは「桃の節句」にあたります。

なぜ「桃の節句」というかというと、これは中国にルーツを遡るのですが、中国では桃の花に「魔除け」や「長寿」のパワーがあると考えられており、そのため3月3日の「上巳の節句」には、桃の花を愛で、桃の花を漬けたお酒を飲み、邪気を払うために桃の葉が入ったお風呂に入った、と言われています。そして、日本では旧暦の3月3日は、ちょうど桃の花が咲くころだったため、ひな祭りと桃の花がセットになったそうです。

ひな祭りを「桃の節句」と呼ぶのは、こうしたつながりがあったのです。

なぜ女の子のお祭りとなったの?

ひな祭りの元となっているのは、上記に説明しました中国の「上巳の節句」ですが、もともとは女の子のための日という概念はなく、厄払いや邪気払いが行われる男女共通の行事とされていました。

実は、江戸時代以前は日付も定まっておらず流動的だったのですが、江戸時代に入り江戸幕府が上巳の節句を三月三日と定めました。

ひな祭りに雛人形を飾るのは、先ほど説明しました通り、昔あった人形を流す風習や、流し雛の風習の名残で、女の子の穢れをお雛様に移して、災難や厄をその子に代わって引き受けてもらうためです。このように、雛人形を飾ることから、この日を女の子の日と決めたのです。

こうしてみてみると、ひな祭りとは単なるお祝いやお祭りということではなく、女の子の健やかな成長や幸せを願う大切ない日だとわかるでしょう。

まとめ

以上、雛人形やひな祭りについてご紹介してきました。

女の子であれば小さいころから、毎年ワクワクしながら雛人形を飾ったり、当たり前のようにお祝いしてきたひな祭りですが、その歴史や由来を知るとより面白いイベントとなるでしょう。

昔から、我が子に降りかかる災難を少しでも小さくしたい、そして、健やかな成長と幸せを願い続いてきた「ひな祭り」ですが、いつの時代も我が子にふりかかる災難を少しでも小さくしたい、そして、健やかな成長を願う親の気持ちは変わらないですね。

歴史や由来を知ることで、今は赤ちゃんのお子さんですが、少し大きくなった時に、雛人形について、また、ひな祭りについて楽しく説明してあげてくださいね。

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