妊娠中の妊婦のNG食べ物&NG飲み物11品目まとめ。食べてOKな分量目安についても
今まで自分一人の身体だったら気軽に食べていたものでも、赤ちゃんを授かったら「それは食べたらアカン!」というものがあります。
そこで今回は、妊娠中の女性に注意して欲しい食べ物・飲み物を11品目ご紹介します。
元気で健康な赤ちゃんを産むためにも、妊婦さんには気を付けて欲しいと思います。
もくじ
生肉
生肉には寄生虫「トキソプラズマ」が付着している可能性があります。すべての哺乳類や鳥がこの寄生虫に感染する可能性があり、日本では豚からの感染例が多く挙げられていますね。
もし、妊娠中の女性がトキソプラズマに初感染した場合、生まれてくる子供に「精神発達の遅れ」「視力障害」「脳性まひ」などの先天性障害を生じる可能性があるのです。
トキソプラズマは67度以上の加熱によって死滅しますので、肉を食べる時にはしっかりと焼くようにして下さいね。
ちなみに、猫のうんちにもトキソプラズマがいることが多いそうですので、猫を飼っている女性も要注意。
また、生肉を食べることで「O-157」に感染する危険もありますので、とにかく生肉は食べないように注意しましょう。
生卵
卵の殻には「サルモネラ菌」が付着している可能性があります。サルモネラ菌に感染した場合、それが直接胎児に影響するわけではありませんが、妊婦さんが食中毒になって嘔吐や下痢を引き起こします。
そして、下痢になると腸管が激しく蠕動するので、子宮筋も収縮するために、それが原因で流産につながる可能性もあります。
ですので、卵を食べる時には、しっかり加熱調理しましょう。ユッケやレバー等の生肉にもサルモネラ菌が含まれているので、生肉はほんと食べないように注意です。
生の魚介類
お刺身やお寿司などの生のお魚は、新鮮なものであれば食べても問題ありません。もし食べるのであれば、鮮度に関して安心できるものを選びましょう。
ただ、妊娠中は免疫力が低下しているために、普段なら大丈夫なものでも、食中毒にかかるリスクが高くなってしまいます。食中毒になった場合、嘔吐や下痢によって胎児の発育に影響が出てしまう可能性が…。
また、生の貝類は特に新鮮なものでないと、食中毒を起こしやすいです。生牡蠣などに存在する「ノロウイルス」に感染すると、ひどい嘔吐・下痢・腹痛・38℃程度の発熱を引き起こします。
こういった事から、妊娠中は、なるべく加熱処理をした料理が好ましいでしょう。
大型の魚
生態系の上の方にいる大型の魚は「水銀」が多く含まれています。
胎児は水銀を排出することが出来ない上に、その影響を受けやすく、脳神経障害を起こす可能性もあるとされています。気を付けるべき魚や食べ方については、厚生労働省が公表しています。
簡単にまとめると、注意が必要な魚は…
キダイ/マカジキ/ユメカサゴ/ミナミマグロ/ヨシキリザメ/イシイルカ/キンメダイ/ツチクジラ/メカジキ/クロマグロ(本マグロ)/メバチ(メバチマグロ)/エッチュウバイガイ/マッコウクジラ
などです。これらは食べてはいけないのではなく、水銀量を考えた上で「量を控えめに」ということ。
特には注意が必要でない魚は…
キハダ/ビンナガ/メジマグロ/ツナ缶/サケ/アジ/サバ/イワシ/サンマ/タイ/ブリ/カツオ
などです。一般的に近所のスーパーで売っているような魚は、大丈夫であることが分かりますね。
ただ、栄養素の偏りを防ぐためにも、同じ魚ばかりを食べ続けないようにご注意を!
昆布
昆布にはヨード(ヨウ素)が含まれていますが、このヨウ素を過剰に摂り過ぎると、胎児の甲状腺機能低下をまねく可能性があります。摂り過ぎには要注意です。
昆布・ひじき・わかめ・のりなどの海藻類が豊富に獲れる日本は、世界一のヨード摂取国です。昆布だしやインスタント食品などにも含まれていますので、「カップ麺のスープを飲み干す」などは控えるようにしたいですね。
ちなみに、これはリスクを回避するための考えです。「昆布を毎日常用しない」という程度に捉えて問題ないでしょう。
ひじき
2004年7月、英国食品規格庁は「ひじきは無機ヒ素を多く含むので食べないように」という勧告を出しました。
ただ、厚生労働省によると、体重50kgの成人の場合、「1日4.7g(乾燥)以上のひじきを毎日継続的に食べなければ問題ない」としています。
ひじきはカルシウム、カリウム、リン、鉄などを多く含んだ栄養豊富な食材です。週に2回くらい適量を食べる程度であれば問題ないでしょう。過剰摂取には注意ですね。
レバー
レバーは鉄分や葉酸などの栄養素が含まれた優れた食材。妊娠中は貧血になりやすいので、「貧血予防にレバーをたくさん食べた方が良い」と思っている妊婦さんも多いようです。
しかし、実はレバーは妊娠中の女性にとって、危険な食べ物でもあるのです。そのポイントはビタミンA!
国立健康・栄養研究所のデータに「妊婦さんがビタミンAを7,800ug/日以上摂取すると、胎児に奇形を起こす可能性が高くなると報告されています」という記述があります。
レバー100g当たりのビタミンA含有量は…
- 豚レバー ⇒13,000ug
- 鶏レバー ⇒14,000ug
- 牛レバー ⇒1,100ug
となっており、食べる量によってはレバーはとても危険な食べ物になるんです。
ですので「レバーが大好きで止められない!」「貧血予防で食べたい!」という場合も、分量に注意して過剰摂取にならない程度に食べるようにして下さい。
うなぎ
うなぎは「万葉集」の時代から強壮食品として、夏の暑い日、土用の丑の日などに食べられてきました。
栄養的にも「タンパク質/ビタミンA、B1、B2、D、E/カルシウム/鉄分」などが含まれていて、とっても身体に良い食べ物です。
しかし、レバーと同様にうなぎにもビタミンAが豊富に含まれています。
100g当たりのビタミンA含有量は…
- うなぎ(きも) ⇒4,400ug
- うなぎ(かば焼) ⇒1,500ug
というように、牛レバーよりも豊富なビタミンA含有量だと分かります。
ですので、もちろんうなぎを食べるのは構いませんが、1日40~50g程度に量をおさえて食べるようにしましょう。
ナチュラルチーズ
加熱殺菌していないナチュラルチーズには「リステリア」という菌が含まれています。妊婦さんがリステリア菌に感染すると、胎児にも感染する可能性があり、
- 流産や早産
- 新生児の髄膜炎や敗血症
などの原因になることがありますので要注意です。妊婦さんは通常時の20倍も感染しやすいとのこと…。
ナチュラルチーズとは「カマンベール・ブルー・ウォッシュ」など。加熱殺菌処理されているプロセスチーズなら食べても大丈夫です。
チーズを食べたい時は、加熱殺菌されているかどうか確認するようにして下さい。
※もし、リステリア菌に感染した場合、早めに抗生剤で治療すれば胎児への感染を防ぐことが可能とのことです。
アルコール飲料
「妊娠したらアルコールは飲んではいけない!」とはよく耳にすることです。妊婦さんがアルコールを摂取すると、先天性疾患である「胎児性アルコール症候群」のリスクが高まるからです。
また、普段からお酒をたくさん飲む人は、飲まない人と比較すると、流産の確率が上がることが分かっています。
どちらも必ずそうなるワケではありませんが、赤ちゃんのために避けられるリスクは避けたいところですね。
アルコールに関してさらに詳しい情報は【妊娠超初期の飲酒…、胎児へのアルコールの影響は大丈夫?】をご参照下さい。
甘酒には「米こうじ」で作ったものと「酒粕」から作ったものの2種類があります。酒粕で作った甘酒はアルコールが多少は入っていますので、控えることをオススメします。
カフェイン飲料
スウェーデンの研究によれば、1日カフェイン100mg以上を摂取してる場合に流産する人が多いそうです。そして、カフェインには「胎児の中枢神経を興奮させる作用」があるとのことで、子宮内での胎児発育遅延の危険性が高くなるという問題もあるとのこと。
さらに、イギリスの研究でカフェインと出生体重の関係を調査した結果…
1日のカフェイン摂取量100~199mgで低出生体重児のリスクが20%UP、200~299mgで40%UP、300mg以上で50%UP
と報告されています。
どうしてもコーヒーや紅茶を飲みたくなったら、1日カフェイン100㎎以内なら問題ないようなので、カップ1杯くらいにしておくことをオススメします。
各ドリンクのカフェイン量に関しては、1杯を150mlとすると次のようになります。
- ドリップコーヒー:100mg
- インスタントコーヒー:65mg
- エスプレッソコーヒー(40ml):77mg
- ノンカフェインコーヒー:1mg
- 紅茶:30mg
- 番茶:15mg
- せん茶:30mg
- 玄米茶:15mg
- ほうじ茶:30mg
- ウーロン茶:30mg
- 抹茶:48mg
- 玉露:180mg
- ホットココア:50mg
- 麦茶:0mg
- コカ・コーラ:34mg
※あまり知られていませんが、栄養ドリンクにもカフェインが含まれていますので、栄養ドリンクを飲む場合はカフェイン量を確認することをオススメします。
妊娠中NGの食べ物&飲み物まとめ
以上、妊婦さんに注意して欲しい「妊娠中NGの食べ物&飲み物」を11品目ご紹介しました。
- 生肉
- 生卵
- 生の魚介類
- 大型の魚
- 昆布
- ひじき
- レバー
- うなぎ
- ナチュラルチーズ
- アルコール飲料
- カフェイン飲料
の11品目ですね。アルコールや生もの系は基本的にNGですが、他の品目については「分量を守り過剰摂取しなければ」特に問題ないことが分かっていただけたと思います。
元気で健康な赤ちゃんを産むためにも、妊娠中には気を付けて欲しいと思います。
妊娠中によくある疑問としては、次の記事も参考になるかもしれません。