臨月(妊娠10か月)のおなかの張りの対処法は?病院に連絡する目安とタイミングは?

妊娠10か月になると、おなかも大きくなって赤ちゃんに会えるのもすぐそこですね。この頃になると、おなかの張りを感じる妊婦さんも多くなってきます。逆に、「おなかが張る」というのがどういう状態なのかがわからず不安になってしまうママもいます。

「おなかが張る」とはどんな状態なのか、またおなかが張ったときはどんな対処が必要なのか、病院に連絡する目安やタイミングについてご紹介します。

 

おなかの張るってどんな状態なの?

臨月になると特におなかの張りが気になる妊婦さんが増えてきますが、反対におなかが張るってどういう状態なのかよくわからないという妊婦さんもいます。

「おなかが張る」というのは、わかりやすく説明するとおなかが硬くなり、おなかの皮が引っ張られているような感覚になることをいいます。おなかが張る感覚には個人差がありますが、いつものおなかの状態に比べて、おなかが硬いと感じるときはおなかが張っている状態になっています。

 

臨月(妊娠10か月)におなかが張る5つの原因とは?

臨月(妊娠10か月)におなかが張る5つの原因とは?

おなかが張る原因はいくつかあります。

  • 胎動
  • 前駆陣痛や陣痛
  • 冷えやストレス
  • 無理をして動いてしまったとき
  • 疲れがたまっているとき

などです。臨月になると赤ちゃんがいつ産まれても大丈夫という勘違いをしているママもいるかもしれませんが、臨月に入っていたとしても、日本では、36週0日~36週6日の間に産まれてしまうと「早産」になってしまいます。37週に入ると正産期に入りますが、臨月に入ったからといって無理をするのは禁物です。

おなかが張る原因別に対処法をご紹介しますので、参考にしてみてください。

胎動

おなかの中の赤ちゃんがママの骨に当たる位置で活発に動いたりすると、おなかの張りを感じることがあります。これは、妊娠中の女性なら誰でも起こることなので心配する必要はありません。

おなかの中の赤ちゃんも起きて動いたり、眠ったりして過ごしています。しばらくすると動きが止まり、おなかの中で静かに過ごすようになると、ママのおなかの張りも落ち着いてきます。

前駆陣痛や陣痛

臨月になると、出産に向けて体が準備を始めます。前駆陣痛(ぜんくじんつう)といって、本番の出産時の陣痛と同じようにおなかの張りや痛みを感じることがあります。前駆陣痛の場合、陣痛と違い、痛みの間隔が不規則で、痛みを感じたと思ったら、しばらくするとまったく痛みを感じなくなることがあります。

痛みが感じなくなると、おなかの張りも落ち着いてきます。

陣痛が始まると、痛みの間隔が一定になり、それとともにおなかの張りを感じるようになります。定期的におなかの張りや痛みを感じるようになっているときは、陣痛の可能性がありますので陣痛の間隔を計ってみましょう。

冷えやストレス

おなかが冷えてしまったり、出産の不安などでストレスを感じたりすると、おなかの張りを感じることがあります。おなかが冷えていると感じたときは、おなかを温かくするようにしてください。出産に対する不安は誰もが感じる当たり前なので、ストレスをなくすのは難しい場合もあります。

不安な気持ちでいっぱいになってしまったときは、自分が楽しいと思えることに没頭してみましょう。好きなことを楽しんでいるうちに、不安な気持ちが和らいでいつの間にかおなかの張りも楽になってきますよ。

無理をして動いてしまったとき

臨月になると、おなかがかなり大きくなっています。妊娠をしていないときであればなんでもない動きであっても、体に負担になってしまうことがあります。動いているうちにおなかが張ってきてしまったときは、楽な姿勢になり、しばらく安静にしましょう。少し休むとおなかの張りが楽になります。

疲れがたまっているとき

臨月にはいると、ママの体は何もしていなくても大きな負担がかかっています。自分では無理をしているという自覚がなくても、疲れがたまってしまうことがあります。疲れがたまっていると、夜寝る前などにおなかが張りやすくなります。

寝るときは、自分が楽な姿勢を見つけたり、クッションなどを利用しておなかに負担のかからない姿勢で寝るようにしてみてください。

痛みはなくても強い張りや出血があった場合・痛みが規則的になった場合は病院に連絡する

おなかに張りを感じたら、一番楽な姿勢で安静にしましょう。ほとんどの場合は、しばらく安静にしていれば落ち着いてきますが、以下のような状態になっているときは病院に連絡をして医師の指示を仰ぐようにしてください。

  • 激しい痛みがある
  • しばらく安静にしても強いおなかの張りがおさまらない
  • 破水やおしるし(少量の出血)があった
  • 痛みが規則的になった
  • 出血があった

激しい痛みやおなかの張りが強い場合は、「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」の可能性もあります。

常位胎盤早期剥離とは

上位胎盤早期剥離とは、なんらかの理由で出産する前に子宮から胎盤がはがれてしまうことをいいます。胎盤が剥離してしまうと、母体も胎児も危険な状態になってしまうことが多いため、基本的にはなるべく早く赤ちゃんを産むために帝王切開の処置が行われます。

上位胎盤早期剥離によって起こる症状は、胎盤がはがれる部位や程度によって自覚症状が異なります。上位胎盤早期剥離を起こしている場合、時間が経過すればするほど危険が高まります。何かおかしいかもしれないと感じたときは、念のため病院に連絡することが大切です。

 

「おなかの張り」と「前駆陣痛」「陣痛」の見分け方

「おなかの張り」と「前駆陣痛」「陣痛」の見分け方

臨月に入ると、「おなかの張りなのか陣痛なのか見分けられるか不安」というママも多いでしょう。では、「おなかの張り」「前駆陣痛」「陣痛」はどのように見分ければいいのでしょうか。

おなかの張り

「おなかの張り」と「陣痛」を見分けるポイントは痛みが同じ間隔で痛みが続くかという点です。「おなかの張り」の場合、個人差がありますがおなかが硬くなりますが、ひっぱられるような痛みを感じることはありますが、生理痛のときのような痛みとは少し違います。

しばらく楽な姿勢で休むと、おなかの硬さが改善されるようであれば「陣痛」ではありません。

前駆陣痛

臨月になると、出産のときに起こる陣痛のような感じで「前駆陣痛」というものが起こることがあります。前駆陣痛の場合、「おなかの張り」と生理痛のような痛みを感じます。陣痛の場合も同じように痛みを感じますが、「前駆陣痛」と「陣痛」の違いは、同じ間隔で痛みが続いているかどうかで判断をします。

「前駆陣痛」の場合、痛みの間隔が不規則で、しばらくまったく痛みを感じなくなってしまうことがあります。おなかの張りと痛みを感じたら、念のため痛みがおさまってから次の痛みを感じるまでに時間を計ってみましょう。陣痛の間隔が不規則の場合は、前駆陣痛の可能性が高いです。痛みが一定の間隔で続くようであれば、陣痛が始まったと考えていいでしょう。

陣痛

「陣痛」の場合、前駆陣痛の項目で説明しましたように、痛みがおさまってから次の痛みを感じるまでの時間が同じ間隔になると、陣痛と判断することができます。初産婦の場合は、陣痛が10分間隔になってもすぐに産まれてしまうことはありませんので、落ち着いて対応するようにしてください。

経産婦の場合は、初産婦に比べてお産の進行が早いケースもあります。病院へ連絡する場合は、陣痛間隔が何分になったら連絡をしたらよいか事前に確認しておきましょう。

 

臨月は便秘になりやすい?便秘でおなかが張るときの対処法

臨月は便秘になりやすい?便秘でおなかが張るときの対処法

臨月に便秘になる妊婦さんは意外に多くいます。赤ちゃんの成長とともに子宮も大きくなっているので、ママの腸を圧迫してしまい、排便を妨げてしまうのです。便が硬くなると、排便のときに強くいきむことになります。おなかに過剰に力が入ってしまいますと、子宮を収縮させてしまう原因になってしまうこともあるので、できるだけ早く解消しておくようにしましょう。

意識をして水分を摂取する

便に含まれている水分が不足すると、便が固くなり便秘になりやすくなります。臨月になると、膀胱が圧迫され尿の回数も増えてしまいますので、意識をして水分補給をするようにしましょう。

食物繊維やミネラル分の多い食事を心がける

便秘のときに食物繊維が良いという話はよく聞きますね。ですが、摂り方を誤ってしまうと、逆効果になる場合もありますので注意が必要です。

食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。便秘を解消するためには、「水溶性食物繊維」を含む食材と「不溶性食物繊維」を含む食材をバランスよく摂ることが大切です。「不溶性食物繊維」を過剰に摂りすぎてしまうと、逆効果になることもありますので注意してください。

水溶性食物繊維を含む食材

  • しいたけ、えのきなどのきのこ類
  • バナナ、りんごなどの果物類
  • わかめ、めかぶなどの海藻類

不溶性食物繊維を含む食材

  • とうもろこし、オートミールなどの穀物類
  • あずき、だいずなどの豆類
  • ごぼう、しそなどの野菜類

乳酸菌、ヨーグルトなどを摂る

乳酸菌が含まれている飲み物やヨーグルトなどの発酵食品を摂るのも効果的です。ですが乳酸菌飲料は糖分も多く含まれているものがありますので、糖分の摂りすぎには注意してください。無糖のヨーグルトに果物などを合わせると、糖分を抑えて乳酸菌を摂ることができるのでおすすめです。

適度に体を動かす

妊婦さんは、体に負担がかかっていることでどうしても運動不足になってしまいます。運動不足も便秘の原因になることがありますので、体調のいいときは軽い運動をするのもおすすめです。ただし、おなかが張ってしまう場合はすぐに止めるようにしてください。

食べ物では改善されない場合は病院に相談する

便秘が続いてしまうと、おなかが張って苦しくなるだけでなく、気分もすぐれなくなりますね。食べ物を意識することで改善が見込める場合はよいのですが、水分や食物繊維をたくさん摂っても便秘が解消されない場合は、医師に相談してみましょう。妊娠中でも使える薬を処方してもらうことができます。

ただし、妊娠中は使用しないほうがよい薬もありますので、自己判断で市販の便秘薬を使うことは止めましょう。

 

陣痛がいつ来てもすぐに病院に入院できる準備をしておきましょう

臨月になってからのおなかの張りは、しばらくするとすぐにおさまってしまうこともありますが、そのまま陣痛が始まるケースもあります。一般的には、陣痛が10分間隔になってから赤ちゃんが産まれるまでにかかる時間は、初産婦は12~15時間、経産婦の場合は、5~8時間くらいといわれます。

もちろん、個人差がありますので、一気にお産が進んでしまうケースもありますし、予想よりも時間がかかることもあります。

どちらにしても、おなかの張りと痛みが一定間隔になってすぐに赤ちゃんが産まれてしまうわけではないので、陣痛間隔を計り、ゆっくり落ち着いて病院に連絡しましょう。

臨月になってからのおなかの張りは、出産につながることもあります。いつでも入院ができるように早めに準備を整えておきましょう。

 

まとめ

おなかが張ってくると、おなかがカチカチになるので不安になったり、苦しくなることがあります。特に、初めての妊娠はわからないことも多いので不安になるママも多いでしょう。

おなかが張ってきたら、安静にして休養を取ることが大切です。そして、おなかの張り以外に痛み、破水、おしるし、出血などがないかを確かめてみましょう。

おなかの張りは、ほとんどの妊婦さんが経験することなので特に心配することはありません。ですが、いつもとは感じが違う、出血がある、しばらく安静にしても張りがおさまらない場合は、自己判断せずに病院に連絡して、医師の指示を仰ぐことが大切です。

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