これでもう大丈夫!妊娠線のメカニズム&予防法8原則
妊娠すると気になることの1つが妊娠線。実に7割以上の妊婦さんに妊娠線ができると言われており、ママにとってはとても深刻な問題でしょう。
ただ、最近は妊娠線予防についての情報も多くなってきていて、しっかりケアをすることで「妊娠線が出なかった」という妊婦さんも多いです。
今回は、そんな妊娠線の予防法を、メカニズム等の基礎知識からきっちり解説していきます。
もくじ
そもそも妊娠線とは?画像で解説!
一般に「妊娠線」と呼ばれるのは、急激に大きくなるお腹に皮膚の伸びがついていけず、真皮が裂けてできる断裂跡のことです。妊娠5~7ヶ月でお腹が大きくなり始める頃からできやすくなります。
妊娠線のでき方には個人差があり、お臍の上下に1本(正中線と言います)だけの人もいれば、十本以上できる人もいれば、ひび割れのようになる人もいます。また、お腹だけではなく、太もも・ヒップ・二の腕・バストなどに妊娠線がでる人もいます。
お腹の妊娠線画像例↓
足の妊娠線画像例↓
このように、人それぞれでいろんな妊娠線があります。
できてしまった妊娠線は時間の経過や努力次第で目立たなくなりますが…、残念ながら完全に元通りにはなりません。完全には消えませんが、子供を産み母親になった勲章でもあります。
娠線線ができるメカニズムを知ろう!
下の皮膚の断面図を見て分かるように、皮膚は表皮・真皮・皮下組織の三層に分かれています。
妊娠して皮下組織の中にある脂肪細胞が急激に大きくなると、表皮はある程度は伸びるものの、真皮や皮下組織の一部はそのスピードについていけず断裂してしまいます。
断裂したところから毛細血管が透けて見え、赤紫色の線状班が現れます。断裂する位置などは個人差があり、稲妻のような妊娠線だったり、スイカの皮のシマシマ模様のような妊娠線だったりします。
妊娠線は表皮の奥の真皮細胞などにできるので、一度できてしまった妊娠線を元に戻すのは大変なんですね…。
また、妊娠中にはステロイドホルモンの分泌量が増えるのですが、このホルモンには肌のターンオーバーを抑制させる働きがあります。肌がスピーディに新陳代謝できなくなり、弾力も失われ、断裂しやすくなるというワケですね。
ですので娠線線は、「妊娠によってお腹が急激に大きくなること」だけでなく、「肌の再生力が弱くなること」の原因も重なるためにできやすくなるのです。
妊娠線がない人もいる?妊娠線がでやすい人の7つの特徴
実は、妊娠線はすべての妊婦さんにでるものではなく、3割の人は妊娠線がないまま出産を迎えることが出来ます。
「妊娠線がでる7割の人」「妊娠線がない3割の人」にはどのような差があるのでしょうか?妊娠線がでやすい人のつの特徴をご紹介します。
1.体重の増加が12kg以上の人
適度な運動と食事によって体重コントロールが上手に出来ている人は、妊娠線ができにくいようです。体重増加が8kg以下の人はほとんどできないようです。
逆に12kg以上の急激な体重増加があった場合は、妊娠線がでる可能性が高くなります。
2.もともと小柄な人や痩せている人
小柄な人や痩せている人は、もともとの皮膚面積が狭いですから、その分普通の人よりもお腹の皮膚が引き伸ばされてしまうために、妊娠線ができやすくなります。
3.多胎妊娠の人
双子や三つ子のことを多胎妊娠といいますが、赤ちゃんが1人の妊婦さんよりも当然ながらお腹が大きくなります。その分皮膚が伸びてしまうので、妊娠線が生じやすくなります。
4.アトピー体質の人
アトピーの人はステロイド剤を利用することが多いですが、効果がある分、肌の弾力が弱くなるという副作用があります。「弾力が弱くなる⇒皮膚が伸びにくくなる」ということで妊娠線ができやすくなりますね。
5.35歳以上の高齢妊娠の人
人は年齢が上がれば上がるほど、若い頃と比べて肌の弾力がなくなっていきます。ですので、高齢妊娠の人は若い妊婦さんと比べると、妊娠線が出来やすいようです。
6.経産婦の人
一度出産を経験している人を経産婦といいますが、初産の人と比べると子宮が伸びやすい状態にあります。そのために急激にお腹が大きくなりやすく、妊娠線も生じやすいようです。
7.乾燥肌の人
「乾燥肌で肌表面が乾燥している=すでに肌にひび割れができている」という状態です。皮膚が伸びにくい状態ですから、脂性肌の人よりも妊娠線ができやすいです。
以上、7つの項目に当てはまる人は妊娠線ができやすいので、次の予防法を積極的に取り入れて下さいね。
これで妊娠線は恐くない!妊娠線の予防法8原則
妊娠線ができないように、また、できても最小限にとどめるための予防法をご紹介しますね。
【原則1】ゆっくりと体重を増やすこと!
最近では産婦人科などでも、体重管理を厳しく指導されることが多くなっています。体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクが高まるからです。
そして、急激な体重増加は妊娠線のリスクも高めてしまいます。少しずつゆっくりと体重を増やしていくようにコントロールしましょう。
出産までにどのくらい体重を増やすのかは、妊娠前のBMIによって変わります。
BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
です。例えば、身長160cm体重55kgの場合、55÷1.6÷1.6=BMI21.5となります。
BMI:18.5~25.0未満⇒7~12kg
BMI:25.0以上⇒医師に相談
これがBMIと体重増加の目安になりますので、この数値を目安に体重コントロールしていく形になります。12kg以上の体重増加で妊娠線リスクが高くなるのでご注意を!
妊娠中の体重管理については次の記事も参考になるでしょう。
【原則2】適度な運動で脂肪がつきにくい体作り!
妊娠中の体重増加は、筋肉よりも皮下脂肪がつきやすいのですが、皮下脂肪は伸びにくいために妊娠線をつくりやすいです。
体重管理も兼ねて「適度な運動」によって、脂肪がつきにくい身体を作っていきましょう。
妊娠中にできる運動はいろいろとありますが、安産のためにはウォーキングが一番。ウォーキングなら気軽にできますし、体への負担も少なく毎日でも続けられるでしょう。
ウォーキングには体重管理以外にも色んなメリットがあります。「腰痛・肩こり・便秘・むくみ」などのトラブル解消にも効果的ですし、継続することで体力もUPします。
さらに、体力をつけておくことで、お産を乗り切る力もつくし、産後の回復も早まるし、体力勝負の育児にも役立つでしょう!このようにメリットいっぱいのウォーキングを、是非マタニティライフに取り入れていただけたらと思います。
【原則3】重要度NO.1!保湿ケアを徹底すること!
妊娠線予防のためには、肌に潤いを与え、柔らかい状態にしておくことが大切です。乾燥しないようにクリームやオイルなどを塗り、よくマッサージして皮膚を柔らかくしましょう。
クリームやオイルは妊娠線ケア専用のものがオススメ。一般のクリームやオイルよりも保湿力が高く、伸びもよくて妊娠中の大きなお腹に塗りやすいという特徴があります。
妊娠線は脂肪がつきやすい部位にできるので、お腹だけではなく、バスト・わき・二の腕・太もも・お尻・股などもしっかりケアしましょう。
【原則4】妊娠初期から保湿ケアを始めること!
妊娠線予防として「保湿ケアをいつから始めた方が良いのか?」に関しては、「お腹が大きくなってくる妊娠5か月目くらいから」という声もありますが…、まだお腹の目立たない妊娠初期の段階で始めていくのが理想的です。
妊娠線ができにくい皮膚というのは、潤いがあって、柔らかく柔軟な皮膚です。一朝一夕でそのような皮膚の状態にはなりませんし、肌が良い状態であれば、急激に体重が増えてしまった場合でも妊娠線ができにくくなります。
特に多胎妊娠の妊婦さんは、他の人よりもお腹が大きくなりやすいので、5ヶ月目よりも前に始めた方が良いでしょう。
他にも「妊娠線がでやすい人の7つの特徴」で紹介した、
・乾燥肌の人
・高齢妊娠の人
・もともと小柄な人
・もともと痩せている人
なども、妊娠初期の頃から早めに、クリームやオイルによる保湿ケアを始めることをオススメします。特に冬は乾燥しやすいので、より注意したいところです。
【原則5】毎日保湿ケアをすること!
保湿ケアを毎日行なうことも妊娠線予防では大切。そして、クリームやオイルをたっぷりと塗ってマッサージするようにしましょう。
毎日保湿ケアをするとなると、気になることの1つがお値段です。あまり高いものだと、使う量を躊躇してしまうのでオススメできません。
妊娠線ケア専用のクリームやオイルはたくさんの種類があり、お手頃価格の商品もあります。毎日、量を惜しまずに使用できる商品を選ぶと良いでしょう。
【原則6】お風呂ではお湯に浸かって温まること!
お風呂はシャワーですまさずに、お湯に浸かって温まるようにしましょう。皮膚の血行もよくなりますし、保湿効果のある入浴剤を使えば、一石二烏ですね。
お風呂で皮膚の血行が良くなり、お肌に水分がたっぷり補給されたところで、クリームやオイルで保湿ケアすればさらに効果的でしょう。
【原則7】妊娠線ができても継続すること!
妊娠線のケアをしっかり行っていたとしても、残念なことに妊娠線ができてしまう事もあるでしょう。
そんな時、ガッカリして「もういいや…」と、それまで続けていたケアをやめたくなるかもしれませんが、妊娠線の程度を最小限にとどめるためにも、保湿ケアを継続することをオススメします。
一度できてしまった妊娠線が完全に消えることはありませんが、時間の経過とともに目立たなくなってきます。出産後も保湿ケアを継続することで、より早く妊娠線を目立たなく出来るでしょう。
【原則8】腹帯やガードルで皮膚を守ること!
お腹が大きくなってきた時に、腹帯やマタニティ用ガードルで適度にお腹を支えることで、皮膚が伸びすぎるのを抑えることが出来ます。
皮膚への負担が少なくなるため、妊娠線の予防になる場合があります。
以上、妊娠線の予防法を8原則としてご紹介しました。基本は
・妊娠線ケア専用のオイル・クリームで保湿ケアを徹底すること。
ですね。妊娠線予防のために、是非実践していただけたらと思います。
妊娠線予防「クリームvsオイル」おすすめはどっち?
保湿ケアの方法は大きく分けて「クリーム」「オイル」、他にも「ローション」というパターンもありますが、どれがおすすめなのでしょうか?
先に結論を言ってしまうと…
オイル>クリーム>ローション
という順番で妊娠線予防に効果があるようです。
新生児訪問指導歴約20年以上の助産師「浅井貴子さん」によると…
私も皮膚科医のDrと研究したところでは、圧倒的にオイルのほうが出来にくいことが立証されています。スキンケアでもローションよりも美容液のほうが油分が多いので、しわやたるみを予防できるのと同じ原理です。出典:allabout.co.jp
と書かれています。一番のポイントとなるのが油分だそうで、油分の多いオイルが妊娠線予防に一番効果があるとのことです。
ただ、最近のクリームは研究・開発により「潤いや保湿力を長時間キープ」「ヒアルロン酸・コラーゲン・セラミドなど美容成分配合」などと進化しており、もちろん妊娠線予防効果も高くなっているので、当サイトでは「オイルorクリームはどちらでも良い」と考えております。オイルはどうしてもベタつきやすいため、「ベタつくのがイヤ!」という理由でクリームを選ぶケースも多いですね。
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以上、妊娠線ができる仕組みやできやすい人の特徴、予防法などを紹介しました。
妊娠線予防のために、体重管理には十分気を付けていただき、オイルやクリームでしっかり保湿ケアをしていきましょう。
他の妊娠線についての記事は次にまとめてあります。