赤ちゃん返りってなぜ起きるの?叱らず見守るためのうまく乗り切る7つの対処法
2人目の子供を授かってしばらくしたら、上の子が赤ちゃん返りしてしまったというママも多いのではないでしょうか?
大きなおなかを抱えていたり、産まれたばかりの赤ちゃんの世話で大変な時期に、べったり甘えたり、わがままを言ったり、泣き叫んだりされてしまうとママもイライラしてしまうことでしょう。
ここでは赤ちゃん返りの原因やよくある症状のこと、うまく乗り切るための対応・対処法などをご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
もくじ
赤ちゃん返りとは?何が原因で始まるの?
ずっとママの愛情を独り占めにしてきたのに、突然ママの愛情がおなかの赤ちゃんや、産まれてきた赤ちゃんに注意が向いてしまったら、子どもにとっては一大事です。
大好きなママを取られてしまった気持ちになるので、なんとかしてママの気をひきたくて、「自分も赤ちゃんになればかまってもらえるかも?」と思ってしまうのです。
つまり、赤ちゃん返りは、大好きなママの気を引くための行動だということ。
産まれた赤ちゃんが可愛くないワケではないのですが、「僕も見て!私も見て!」という気持ちから、今までできていたことを急にやらなくなってしまったり、いつもよりもべったり甘えてきたり、癇癪を起こして泣き叫んでみたりという行動を起こします。
よくある赤ちゃん返りの症状例
スキンシップ
- 以前よりもママにベタベタとくっついてくる、甘えてくる。
- 抱っこして攻撃がスゴい。
- くっついてきて離れてくれない。
一人でできることをやらない
- 一人で食べれるのに「食べさせて」と言う。
- おもらしが増える。トイレトレーニングが後退する。
- 着替え、靴を履くときなど「ママやって」と言う。
その他
- ママを怒らせることをワザとやってくる。
- 癇癪を起こして叫ぶ。
- わがままばかり言う。
- よく夜泣きをする。
- 下の子に対して乱暴な振る舞いをする。
- 「聞いて聞いて」アピールがスゴい。
などなど。赤ちゃんのお世話と、産後の身体が大変な時期に、このような赤ちゃん返りの症状があったら大きなストレスになってしまいますね。
実は大切?赤ちゃん返りすることの、もうひとつの意味とは?
赤ちゃん返りは「赤ちゃんにママを取られた気持ちになった上の子が、ママにかまって欲しくて起こす行動」ということはよく知られています。でも、実は赤ちゃん返りにはもうひとつの重要な意味があることをご存じですか?
「自己肯定感」という言葉があります。
自己肯定感というのは、何かができるから自分に「価値」があるわけではなく、自分という存在そのものに価値がある、という自信を持つことです。
人は誰しも「自己肯定感を満たしたい」という欲求があります。子どもに限らず、大人でも褒められたり、感謝されたら嬉しい気持ちになるでしょう。それと同じように赤ちゃん返りは、「自己肯定感を満たしたい!」という気持ちの表れだといわれているのです。
赤ちゃんは何もできないし、誰かのお役に立ってもいないし、オギャーオギャーと泣いてばかりなのに、みんなに可愛がられ、たくさんの愛情をもらえるという存在。まさに「自己肯定感」の象徴ともいえる存在です。
そんな赤ちゃんのような振る舞いをすることで、「何もできなくても自分には価値があるんだ。ママに愛されているんだ。」ということを確認しているのですね。
この「自己肯定感」は、親から無条件の愛情をいっぱい受け取ることで育まれます。何かができる自分にではなく、自分という存在そのものに価値があるという自信は、心の土台となり、これから子どもが大きくなったときに大切な財産になります。
そう考えると「赤ちゃん返り」は、子どもの財産を作るために必要なものだと思えてきませんか?
赤ちゃん返りをうまく乗り切るための対応・対処法7選!
1.ママが楽しい時間を確保して一人で無理をしない!
赤ちゃん返りが始まると、ママの家事や育児も大変なことになります。妊娠中であればおなかが大きくて動くのが大変ですし、産後は新生児のお世話で寝不足にもなります。
赤ちゃん返りを乗り切るために一番大切なのは、ママが自分のことを大切にする時間を作ることです。妊娠中や子育て中は、どうしても自分のことが後回しになってしまい、自分を大切にする時間を忘れてしまいますよね?
家事や育児のストレスは、ママだけではなく、子どもにとっても赤ちゃんにとってもあまりよくありません。ママもひとりの人間です。「お母さんだから我慢しなくてはいけない」とか、「お母さんだから子どものことをすべて優先しなくてはいけない」ということではないんですね。子どもや赤ちゃんが元気に育つためには、ママの身体だけではなくて、心も元気でいることが大切なんです。
パパや周りの人にも協力してもらい、ママが心から楽しめる時間やゆっくり休める時間を確保してみましょう。ママがゆっくりする時間が取れると、心にゆとりを持つことができるようになります。
身内を頼れない場合はどうする?
「誰かに協力してもらいたいのは山々だけど、パパも仕事で忙しいし両親は遠方だし・・・」というケースも多いでしょう。
そんな場合は、自治体のサービスを積極的に活用することをオススメします。
子育て支援センターや保育所の一時預かりサービスであったり、ファミリー・サポート・センターなどが有名ですね。
例えば大阪市の一時預かりサービスであれば、1日1,200円~2,700円で保育所等にあずけることができます。
上の子が幼稚園や保育園に通っているなら、その送迎をファミリー・サポート・センターにお願いするのも良いでしょう。お子さんの一時預かりも可能です。
このようなサービスを有効活用して、ホッと一息つく時間を是非作って下さいね。
2.「お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから」は言わないように意識する
上の子と下の子の年齢差があればあるほど、つい言いたくなってしまうのが、「もうお兄ちゃんだから、お姉ちゃんなんだから」という言葉ですね。
でも、赤ちゃん返りが始まったら、この言葉を使うのは止めるように心がけましょう。赤ちゃん返りが始まった上の子は、今まではいなかった弟や妹という存在に、ママとの大切な時間を取られてしまったような気がしています。
そして「ママは僕や私のことよりも、赤ちゃんのほうが大切なんじゃないか」という不安でいっぱいになっています。
いつもできていた着替えを1人で突然やらなくなったり、甘えてきたときは、「甘えん坊になってしまうかも?」と思わずに、着替えを手伝ってあげたり、思いきり甘えさせてあげましょう。
ただし、妊娠中のときは、ママが立ったまま抱っこをしてしまったり、上の子が元気に動いている状態で抱っこをしてしまうと、おなかが張ってきてしまうことがあります。
そういうときは、叱るのではなく、「〇〇ちゃんが元気に動いちゃうとママのおなかが痛くなっちゃうから、静かに抱っこさせてほしいな」と言葉で伝えてみましょう。「まだ小さいからわからない」と思うかもしれませんが、ママが一生懸命お願いしていることは、子どもはちゃんと理解してくれますよ。
3.赤ちゃん返りでおねしょが始まった!そんなときはどうする?
ママを取られてしまった寂しさや不安から、せっかくおむつが取れていたのに、突然おねしょが始まってしまうことがあります。せっかくおむつを卒業できたのに、またおむつを履かせてもいいのか悩むママも多いでしょう。
ママにしてみれば、お洗濯が大変になるし、おむつをしたくなることもありますよね?
おむつを卒業した子に、夜おむつを使ってもいいかの判断はママがするのではなく、子どもに聞いてみるという方法をオススメします。子どもが「おむつなんてするほど赤ちゃんじゃない」という気持ちがあるのに、ママがお洗濯を減らすためにおむつに戻してしまうと、上の子どもの気持ちを傷つけてしまう可能性があります。
「おむつにする」と答えたのであれば、気持ちが落ち着くまでおむつを使ってみるというのも1つの手段です。
また、「おむつがはずれなくなったらどうしよう」という不安があると思いますが、子ども自身がおむつは必要ないと思うようになれば、自分から「おむつはいらない!」と言うようになるものなので、あまり深刻に悩む必要はないでしょう。
4.上の子をあげて、おなかの赤ちゃんや下の子を赤ちゃん扱いする
上の子が今までできていたことを、突然やらなくなってしまうとイライラしてしまうことがありますね。こういうときは、上の子に対して「今までできていたんだからできるでしょ?」と言ってしまうのではなく、「〇〇ちゃん(下の子)はまだ赤ちゃんだから1人で何もできないね」というように、下の子を赤ちゃん扱いしてみましょう。
子どもは、一人でいろいろやりたいという願望を持っています。そのため、ママのマネをして牛乳やジュースをコップに入れようとしてこぼしてしまったり、ごはんを運ぼうとしてひっくりかえしてしまったり、ということがありますね。
「赤ちゃんだから大事にしなくてはいけない」というニュアンスではなく、「赤ちゃんだから何もできない」という伝え方をすると、「お兄ちゃんだから(お姉ちゃんだから)、僕はできる(私はできる)」という気持ちが出てくることがあります。
そうなったら、上の子どもができる簡単なお手伝いを頼んでみましょう。うまくできなくても、「ありがとう」と伝えてあげると、自分からすすんでママのお手伝いをしてくれるようになるかもしれません。
5.上の子と2人だけの時間を作る
上の子が赤ちゃん返りをする理由は、ママに甘えたい、ママに自分を見てほしいという気持ちの表れです。下の子をパパや自分の親などにお願いして、たまにママと2人だけの時間を作り、目いっぱい甘えさせてあげましょう。どこかに出かけたりするのもいいですが、特別なことをする必要はありません。
いつもより多くスキンシップをしたり、2人だけでごはんを食べたり、何かをやって欲しいということがあれば、できるだけお願いを叶えてあげられるといいですね。
自分もママに愛されているということがわかれば、気持ちも落ち着いて赤ちゃん返りが落ち着いていくようになります。
6.わざといたずらをしても怒らない
疲れている時にわざと困らせようとするイタズラをされると、イライラしてつい怒鳴ってしまうママも多いでしょう。
ママも大変な時期ですが、子どももなんとかママの気を引こうと頑張っています。怒鳴りたい衝動にかられたときは、声に出す前に頭の中で1、2、3と数をゆっくり数えてみるようにしてみてください。
不思議なことに3秒数えるだけでも、少しママの気持ちを落ち着かせることができます。ママの気持ちが落ち着いたら、「〇〇ちゃんがこういうことをするとママは悲しいな」とか「〇〇ちゃんがこれをやってくれるとママはすごく助かるんだけどな」など、やっちゃいけないと叱るのではなくて、悲しいというママの気持ちを伝えてみるようにしてみてください。
子どもは、ママが大好きです。大好きなママを困らせたいわけではないので、ママが落ち着いて話をすれば、ママの気持ちをわかろうとしてくれると思います。
7.パパがいい!は危険信号?そのままパパだけにお願いしないように注意!
下の子が産まれてしばらくすると、「お風呂も寝かしつけもパパがいい」という子どもがいます。赤ちゃんのお世話で忙しくなっていると、パパにやってもらえるなら助かるかも?と思うママもいるかもしれませんね。
しかし、パパがいいという言葉には、ママがかまってくれないから、ママなんか好きじゃないという態度を取ろうとしている場合があります。
本当は、ママが大好きなのに無理をして「パパがいい」と言っていることもあるので、子どもが「パパがいい」と急に言い始めた場合は、「たまにはママとお風呂に入ろうよ」とか「今日はママと寝よう」とママの方から子どもを誘うようにしてあげましょう。
自分の本音ではなく、我慢をしてパパがいいと言っていることがあります。そのままパパに頼ってしまいますと、子どもの精神がますます不安になってしまうことがあるので注意してください。
まとめ
ママの妊娠中や二人目以降の出産をすると、ママの負担は今まで以上に増えていきます。そんなときに上の子が赤ちゃん返りをして、今までできていたことをやらなくなったり、べったり甘えてくるようになると、ママもイライラしてしまうでしょう。
子どもの赤ちゃん返りを上手に乗り切るコツは、まずママが楽しむ時間やゆっくり休む時間を確保することです。身体が疲れているとどうしてもイライラしやすくなります。パパや周りの人の手も借りて、楽しむ時間や休む時間を確保するようにしてくださいね。
そして、子どもの赤ちゃん返りはママにかまってほしいという気持ちの表れです。できなくなってしまったことや、やらなくなってしまうことを怒るのではなく、ママも上の子が大好きだよという気持ちをいつも以上に伝えるように意識をしてみてください。そして、たまには上の子と2人だけの時間を作るようにしてみましょう。
上の子も赤ちゃんとの生活に慣れてくると、かわいがってくれるようになります。2人で遊べるようになると、兄弟がいてよかったな~と思う日がきます。子育ては、ママが一人で頑張るものではありません。ママも周りの人に上手に甘えながら、赤ちゃん返りを乗り切っていきましょう。
また、赤ちゃん返りをする時期は、ちょうどイヤイヤ期の時期とかぶってしまうかもしれません。イヤイヤ期については次の記事をご参照ください。