新生児の標準体重・成長曲線の目安について。体重が増えすぎor増えない原因や対処法も
新生児の赤ちゃんはムチムチしていて可愛いですね。でも、入院していたときの環境とは違い、赤ちゃんの体重を計るスケールがないご家庭も多いので、乳児健診のたびになかなか体重が増えなかったり、逆に標準体重よりも増加していると、どうしたらいいか悩んでしまうことでしょう。
そこで、新生児の体重について「増えすぎの原因や対処法」「増えない原因や対処法」「平均的な体重増加の目安」などご紹介します。新生児の赤ちゃんの体重で悩んでいるママは、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
新生児の標準体重はどのくらい?
新生児の出生時の標準体重は、約3,000gです。新生児の赤ちゃんの体重の増え方は、標準的な体重の増え方は1日30gなので、1か月で約1,000g増えます。
ただし、新生児の赤ちゃんの場合、おっぱいやミルクをちゃんと飲んでいても一時的に体重が減ることがあります。これを生理的体重減少といい、おっぱいやミルクを飲む量よりも汗やおしっこなどの量が増えてくるので、一時的に体重が減少してしまうことがあるのです。この現象は、どの赤ちゃんにもあることなので、一時的に体重が減ったとしても心配する必要はありません。
母子手帳に赤ちゃんの標準体重の記載がありますが、標準体重には大きな幅があります。この範囲内で体重が増えているのであれば特に心配はいりませんが、赤ちゃんによっては標準値よりも少なかったり、標準値よりも体重が増加したりしてしまうことがあります。
体重の増え方で不安になる場合は、ひとりで悩まずに小児科医や健診時に保健婦さんなどの相談するようにしましょう。
新生児の赤ちゃんの体重が増えない3つの原因とは?
新生児の赤ちゃんの体重が増えないと心配になってしまうママも多いと思います。赤ちゃんが元気で、おっぱいやミルクをちゃんと飲んでいる、特に便秘はしていないのであれば、特に心配する必要はないといわれていますが、新生児の赤ちゃんの体重が増えない原因とそのときの対処法についてご紹介します。
母乳、ミルクが不足している
ミルクの場合、メモリがあるので赤ちゃんがどれくらいの量を飲んでいるかをママが知ることができますが、母乳で育てている場合、赤ちゃんが飲んだ量を知るのは難しいです。母乳が足りているか不安になったときは、以下のことを確認してみてください。
- 1.排尿が1日5~6回以上あるか
- 2.便秘をしていないか
- 3.生後2週間では1日あたり15g以上体重が増えているか
- 4.生後1ヶ月では1日あたり25g以上体重が増えているか
新生児の赤ちゃんの体重は大人の体重計で計ることは難しいので、母乳で育てたいと希望している場合は、赤ちゃん用の体重計をレンタルしておくと、母乳の量を確認しやすいのでおすすめです。
便秘の判断は毎日排便がないから便秘というわけでもありません。ただし、本当に便秘になっている場合は、便秘が原因でおなかがはっていておっぱいをうまく飲めずにいると、体重が増えないことがあります。
赤ちゃんがうんちをするときにまっかな顔をしていきんでいるのに、ほとんど便が出ない、おなかがはっている、母乳を嫌がるといった場合は便秘の可能性があります。その場合は、オイルをしめらせた綿棒なのでおしりを軽く刺激してみましょう。
便秘もしていなくて、機嫌もいいのに体重が増えない場合は、母乳が不足している可能性があります。お母さんの母乳は、おっぱいの出始めの母乳はカロリーが少なく、赤ちゃんに吸われているうちに濃い母乳が出てきます。おっぱいを吸うのが上手じゃない赤ちゃんの場合、薄い母乳だけを飲んで疲れてしまい、栄養の多い母乳を飲んでいる量が少ない可能性があります。
カロリー不足や母乳不足の不安がある場合は、産婦人科の先生に相談してみましょう。
ミルクの赤ちゃんの場合は、ミルクを全部飲み終わってもなかなか哺乳瓶を離さない。ミルクを飲み終わっても、3時間経つ前におむつなどを替えても泣き止まないということがたびたびある場合は、ミルクが足りていない可能性があります。哺乳瓶のミルクがなくなっても赤ちゃんがまだミルクを飲みたそうにしている場合は、少しだけミルクを作ってあげてみましょう。
運動量が多い
赤ちゃんのうちからよく動く赤ちゃんは太りにくい傾向があるようです。しっかり飲んで、ご機嫌もよく、赤ちゃんの動きが活発な場合は、赤ちゃんがよく動いていることで体重が増えないことがあります。赤ちゃんがおっぱいをよく飲み、ご機嫌もよく、とくに便秘もしていないのであれば、特に心配する必要はありませんが、体重がなかなか増えずに心配な場合は、保健婦さんや小児科の先生に相談してみるとよいでしょう。
母乳だけで頑張ろうとしすぎている
母乳には赤ちゃんに必要な免疫を高める成分などが含まれているため、できれば完母で育てたいと思っているママも多いでしょう。でも、完母にこだわりすぎてしまうと、母乳不足で赤ちゃんの成長が妨げられてしまうこともあります。
筆者の場合も、最初の頃母乳の出が悪かったみたいで、寝る前に飲んでも1時間くらいで目を覚ましてしまうので、途中から混合に切り替えました。
母乳のあとミルクを足すようにしたら、まとめて寝てくれるようになりました。しばらくしたら、哺乳瓶の乳首のゴムやシリコンの感覚が嫌になったようで、途中からミルクを嫌がるようになってしまったので、また母乳だけに切り替えました。そのときは母乳不足にはならずに十分におっぱいが飲めていたみたいで、母乳を飲んだあとでもまとめて寝てくれるようになりました。
できれば母乳で育てたいというママの気持ちはとってもわかります。でも、完母にこだわりすぎず、足りなかったらミルクを足せばいいか…くらいの気持ちを持つことも大切でしょう。
体重が急激に増えすぎているといわれたときの対処法
新生児の赤ちゃんの体重の増加は1日平均30gだといわれていて、1日50g以上増えてしまうと増えすぎといわれてしまうことがあります。
おなかがすいてミルクをたくさん飲むので体重が増えているのであれば、新生児の過体重はあまり心配する必要はありませんが、標準体重から大幅に大きくずれて体重が増加している場合は、健診のときに体重の増えすぎを注意されてしまうことがあります。
新生児の赤ちゃんの体重の増えすぎにはどんな原因があるのでしょうか。また体重の増えすぎを指導された場合は、どのような対処をすればよいのでしょうか。
ほんとうはおなかがいっぱいなのに気がつかずにミルクを与え続けてしまっている
赤ちゃんが本当はおなかがいっぱいになっているのに、哺乳瓶にミルクが残っているので、無理やり飲ませてしまっていると体重が増えすぎてしまうことがあります。体重の増加を指摘されたときは、赤ちゃんが哺乳瓶を離したときは、ミルクが残っていてもミルクをあげるのをやめてみましょう。
赤ちゃんが泣くとおなかがすいていると思い、すぐにミルクをあげてしまう
赤ちゃんは言葉を話すことができないので、おむつが濡れて気持ち悪い、暑い、寒い、肌に何かが当たっていて痛いなどすべて泣くことでママに不快感を訴えます。本当は、おなかがすいているわけではなかったのに、赤ちゃんが泣くととりあえずミルクをあげてしまっていた場合は、ミルクをあげる前におむつを確認したり、赤ちゃんが汗をかいていたり、手足が冷たくなったりしていないかをまず確認するようにしてみてください。
少しずつミルクの間隔を延ばしてみる
赤ちゃんがおなかがすいていてたくさんミルクを飲むので、他の赤ちゃんに比べて体重が多いというのであれば、体重が多いことを特に気にする心配はないといわれています。ただし、乳児健診などで体重の増えすぎの指導があった場合は、少しずつミルクの間隔を延ばしてミルクの量を減らすという方法もあります。
おなかがすいて赤ちゃんが泣いてしまうのであれば、無理に間隔をあける必要はありません。でも赤ちゃんが泣いていないときも授乳の時間になったらミルクをあげていた場合は、いつもより間隔をあけてミルクをあげるようにしてみてください。
新生児の赤ちゃんが満1歳(12か月)を迎えるまでの体重の増え方
新生児の赤ちゃんは、最初にお話ししたように未熟児(出生時の体重が2,500g未満)で産まれてくる赤ちゃんもいますし、4,000gを超えて産まれてくる赤ちゃんもいます。赤ちゃんの標準体重に幅があるのはそのためです。
そこで、新生児の赤ちゃんが1歳のお誕生日を迎えるまでにどんなふうに体重が増えていくのかについてご紹介します。赤ちゃんの体重の増え方の目安にしてみてください。
生後1か月の赤ちゃんの体重
生後1か月の赤ちゃんの標準体重は、男の子の場合約3,000g~6,000g、女の子の場合約3,400g~5,500gが標準体重です。
赤ちゃんの成長には個人差があるので、標準体重になっているかというのも大切ですが、出生時よりも体重がちゃんと増えているか?という点も大切なポイントになります。
筆者の実体験ですが、産まれたときは2人とも標準のほぼ3,000gの体重がありましたが、おっぱいやミルクをしっかり飲んでいたのに、標準体重の最低ラインで推移していたので、とても心配をしました。でも、保健婦さんに『体重の増え方は多くはないかもしれないけど、前回の健診よりもしっかり増えているから心配しなくても大丈夫だからね』という言葉が魔法の言葉のように聞こえました。
赤ちゃんの体調が悪いとかおっぱいやミルクを噴水のように吐いてしまうといったことがあると、病気が原因で体重が増えないこともあるので注意が必要ですが、赤ちゃんのご機嫌がよく、おっぱいやミルクをきちんと飲んでいるのであれば、標準値に必要以上に神経質にならないようにすることも大切なことです。
生後2か月の赤ちゃんの体重
生後2か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約4.4kg~7.2kg、女の子が4.2~6.7kgです。
生まれたばかりの頃は、男の子と女の子で体重に大きな差はありませんが、生後2か月くらいになると男の子と女の子では体重の増え方に差が出てきます。
この頃の赤ちゃんは1日35g前後で体重が増加していきます。
生後3か月の赤ちゃんの体重
生後3か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約5kg~8kg、女の子が約4.8kg~7.5kgです。生後3か月くらいになると一度の授乳の量が増えてきますね。生後3か月くらいになると、首がすわり始める赤ちゃんもいるので、赤ちゃんとの生活も少し楽になってくるのもこの頃になります。
生後4か月の赤ちゃんの体重
生後4か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約5.6kg~8.7kg、女の子が5.3kg~8.2kgです。生後4か月くらいになると、首がしっかりする赤ちゃんが増えてくるので、赤ちゃんの動きが活発になってくる頃だといわれています。赤ちゃんの運動量が増えることで、体重の増加もこの頃からだんだん緩やかになってきます。
生後5か月の赤ちゃんの体重
生後5か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約6~9kg、女の子が5.7kg~8.7kgです。生後5か月くらいになると早い赤ちゃんの場合、そろそろ寝がえりができるようになります。1か月ごとにどんどん増えていた体重の増加が落ち着いてくるので、おっぱいやミルクが足りているか心配になるママも多いです。でも、普通におっぱいやミルクを飲んでご機嫌がよく、うんちもしっかり出ているのであれば、体重が大きく増えていなくても心配はないといわれています。
生後6か月の赤ちゃんの体重
生後6か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約6.4~9.6kg、女の子が6kg~9kgです。生後6か月になると、運動量がますます増えてくるので、この頃の体重増加は1日10g前後になるといわれています。生後5~6か月頃になったら、離乳食を始めます。ごっくん期の赤ちゃんは、食べ物から栄養を取るということよりもおっぱいやミルク以外の食べ物に慣れることが大切なので、栄養はおっぱいやミルクがメインになります。
あせらずにゆっくり進めるようにしましょう。
生後7か月の赤ちゃんの体重
生後7か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約6.7~9.9kg、女の子が6.3kg~9.3kgです。生後7か月くらいになるとおすわりも上手になり、ハイハイやつかまり立ちを始める赤ちゃんもいます。赤ちゃんが動ける行動範囲が広くなるので、6か月の頃とほとんど体重が変わらないという赤ちゃんも出てきます。ぜんぜん体重が増えていないと心配になるママもいると思いますが、この頃の赤ちゃんは1か月で300g程度増えればいいといわれています。
生後7か月~8か月くらいになったら、離乳食もごっくん期からもぐもぐ期に移行していきましょう。ポタージュ状のものから少しずつ固形のものをつぶせる硬さの食べ物に変えていきます。離乳食が始まると、たくさん食べられる赤ちゃんもいますが、おっぱいやミルクのほうが好きで食の細い赤ちゃんもいます。食べないと体重が増えないと心配になるかもしれませんが、生後7か月くらいの赤ちゃんは、前の月と比べてほとんど体重が変わらない赤ちゃんも多いです。
無理やり食べさせて、食べることが嫌いにならないように注意してくださいね。
生後8か月の赤ちゃんの体重
生後8か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約7~10kg、女の子が6.7kg~9.8kgです。生後8か月くらいになると体重が10kgを超える赤ちゃんもいます。離乳食の量や回数が増えてくるので、うんちの質やにおいもどんどん変わってきます。
この頃の赤ちゃんは、男の子に比べて女の子の方が小さい(体重が軽い)ことが多いです。同じ月に生まれた男の子と比較してしまうと不安になってしまうこともありますが、赤ちゃんのペースで体重が増えていれば特に心配する必要はありません。
生後9か月の赤ちゃんの体重
生後9か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約7.2kg~10.3kg、女の子が6.7kg~9.8kgです。生後9か月くらいになると、体重が急激に増えることはなくなります。生後9~11か月になると離乳食もカミカミ期に移行します。歯ぐきでつぶせるくらいの硬さ(バナナくらいの硬さ)のものが食べられるようになり、おっぱいやミルクの卒業が近くなってきます。
カミカミ期になってくると、今まで母乳やミルクから栄養を摂っていた赤ちゃんも栄養の半分を離乳食から摂るようになってきます。なかなか体重が増えなくて、食の細い赤ちゃんは離乳食を食べないとあせってしまうママもいると思いますが、赤ちゃんには赤ちゃんの食べるペースがあります。栄養のバランスを考えることは大切ですが、無理やり食べさせないように注意していきましょう。
生後10か月の赤ちゃんの体重
生後10か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約7.3kg~10.6kg、女の子が6.8kg~10kgです。生後10か月くらいになると、つたい歩きも上手になり、赤ちゃんの行動はどんどん活発になってきます。体重も生まれたばかりの頃に比べると前の月と比べてほとんど増加がないという赤ちゃんも多いですが、赤ちゃんが自分でつたい歩きをしたり、ハイハイをしたり、離乳食もしっかり食べているのであれば、心配する必要はありません。
赤ちゃんの運動の発達の仕方や離乳食の食べる量には個人差があります。他の赤ちゃんと比べるのではなく、赤ちゃんが前よりもつたい歩きが安定してきたとか、前よりも食べられるようになったなど、赤ちゃんが前に比べて成長しているかに注意して子育てをすることが大切です。
生後11か月の赤ちゃんの体重
生後10か月の赤ちゃんの体重は、男の子が約7.5kg~10.8kg、女の子が7kg~10.2kgです。生後11か月くらいになると数秒であれば何もつかまらなくてもひとりで立つことができる赤ちゃんもいます。この頃になると栄養の70%を離乳食から摂るといわれています。
手先も器用になってきているので、赤ちゃんが手づかみで食べられるものなどを離乳食のメニューに加えて、赤ちゃんが自分から食べたいという気持ちを育ててあげるようにしましょう。
生後12か月(1歳)の赤ちゃんの体重
生後12か月、つまり赤ちゃんは1歳になりました。満1歳の頃になると、体重は生まれたときの約3倍になるといわれています。1歳になると赤ちゃんから幼児の顔つきや体形になってきますね。健診の間隔もぐっとあいてくるようになるので、家で体重を気にする時間も少なくなってきますね。
赤ちゃんの標準体重はあくまでも目安なので、必要以上に神経質になってしまうと、ママのためにも赤ちゃんのためにもよくありません。大切なのは、赤ちゃんが機嫌よくしているか、おっぱいやミルクが飲めているか、離乳食をしっかり食べられているか、排便はあるかなど体調がよいかという点が大切だということです。
まとめ
新生児の赤ちゃんの体重は気になるママも多いですね。私自身、娘が2人ともなかなか体重が増えなかったので、健診に連れていくたびに不安で仕方がなかったです。でも、赤ちゃんが元気で、しっかりおっぱいやミルクを飲んでいるのであれば、標準体重といわれている数値と我が子の体重をにらめっこして悩むことはやめましょう。
赤ちゃんが大きくなれば、ミルクの量が増えることもありますし、離乳食が始まれば体重が増えることもあります。そのうち増えてくるかも?くらいの気持ちでど~んとかまえていることも大切です。
ただし、病気が原因で体重が増えないこともまれにあります。赤ちゃんの体重が極端に少ない、おっぱいやミルクを飲む量が少ない場合は、小児科医や保健婦さんに相談してみましょう。
赤ちゃんが健康で元気がよくても、標準体重と我が子の体重を見比べて不安になってしまう場合も、一人で悩まずに、小児科医や保健婦さんに相談するようにしてみてください。