赤ちゃんにテレビは見せては駄目?テレビが与える影響と5つの対策!
赤ちゃんが好きな番組を見せている間に、家事や仕事を終わらしているママやパパは多いのではないでしょうか。
筆者もその中のひとりです。少し一休みがしたいときや電車の中などでも、よくテレビやスマホに頼ってしまいます。
そんな頼りになるテレビですが、赤ちゃんのうちから見せても影響はないのでしょうか?また、小さい赤ちゃんを育てているママからしたら、いつからテレビを見せても良いのか気になるところでしょう。
今回は赤ちゃんとテレビの関係について詳しくご紹介します。
もくじ
テレビは駄目?テレビが赤ちゃんに与える悪影響とは?
赤ちゃんにテレビを見せてはいけないのでしょうか?
テレビが赤ちゃんにどのような影響を与えるのか、心配なママやパパもいいるでしょう。筆者もよくテレビに頼ってしまいますが、テレビを見ている子どもたちに、どのような悪い影響があるのでしょうか?ひとつひとつ見ていきましょう。
コミュニケーション能力が育たない
おしゃべりが出来ない新生児や、おしゃべりがまだ上手ではない1歳2歳の赤ちゃんと二人きりでいると「間が持たない」「静かで寂しい」「沈黙がイヤ」とテレビをつけてその寂しさや不安をまぎらわせているママもいると思います。
テレビを常につけている状態だと、テレビから発信される情報や音に気を取られ、赤ちゃんとのコミュニケーションが減ってしまう場合があります。
また、テレビから聞こえる一方的な音に赤ちゃんが慣れてしまうのです。赤ちゃんは身近な人、パパやママから話しかけてもらったり、相手をしてもらうことでコミュニケーションを取ることができ、同時に子供のコミュニケーション能力が養っていきます。
しかし、テレビからの一方通行な情報発信に慣れてしまうと受け身の姿勢を身につけてしまい、周囲の人と積極的にコミュニケーションを取る意欲がなくなり、その結果コミュニケーション能力が発達しなくなります。
ある調査では、長時間テレビを見続けた赤ちゃんはテレビをあまり見ない赤ちゃんに比べて落ち着きがなく、集中力もないそうです。コミュニケーション能力の発達の遅れは、年齢が小さなうちはあまり他の子との差はないかもしれませんが、幼児期、児童期になったとき、その差は出てくるはずです。
人に合わせて行動したり、相手の気持ちを読み取ったり、今どのようなことをしなくてはいけないのか、みんなとどう会話すればいいのか、といった協力して物事を進めたり、集団で行動する際に上手く物事を把握出来ず、集団生活に馴染めなくなってしまう危険性があります。
これは幼い頃のテレビの視聴時間が長ければ長いほど、高くなると言われているようです。
言語発達・言語能力・知能・社会性に遅れが出る
テレビの視聴は言語発達や言語能力、知能や社会性も遅れが出ると言われているようです。これは4時間以上テレビを見ている子供の調査結果ですが、一方的な情報発信であるテレビは、意味のある言葉を話すのが遅くなることや、会話で成長すると言われる言語理解力の発達に遅れがでるとされています。
また、表情での感情表現が乏しく、視線が合わないといった、発達障害のような状態が見られ、それはテレビ視聴の時間が4時間未満の子供と比べ1.3倍も高いという調査結果もあるようです。
言語は人と人が会話というコミュニケーションをとおして、身につくもの。こちらからの反応には示さないテレビを見ていても、成長しないでしょう。
運動能力の遅れ
運動能力の遅れはテレビをじっとして見ている子供に当てはまります。赤ちゃんはねんねの状態から寝返りをうち、ハイハイをし、つかまり立ち、立って歩く、走る、といったように少しずつ運動能力が発達していきますが、テレビを長時間見ることで、体を動かす時間が短くなります。
じっとテレビ見ている時間はテレビに集中してしまっているので、運動することに興味を示さず、普段運動に積極的な子に比べ運動の能力の発達が遅れてしまう、ということです。歌や踊りに合わせて、一緒に踊ったりすることでそれは解消させることができるでしょう。
記憶力や集中力がなくなる
おしゃべりをしない赤ちゃんと二人きりでいると静かで、寂しい気持ちになるかもしれません。そのため、朝から寝る前までほぼテレビをつけっぱなしにしている、という方もいるのではないでしょうか。
しかし、それは要注意。赤ちゃんの番組でなく、赤ちゃんが興味を示さない大人の番組でも当てはまります。
赤ちゃんはテレビを見ていなくてもテレビの音や光に反応します。大好きなおもちゃで遊んでいる場合でも、テレビが常についている状態だと、赤ちゃんはテレビの音や光で気が散ってしまうのです。そのため集中力が低下し、記憶力の低下にもつながる危険性があります。
テレビを見ながら人の話を聞くのは大人でも大変ですよね。子供はもっと大変です。
テレビの音を聞きながらおもちゃで遊んでいても、自分が今どういうおもちゃで遊んでいるのか、どうしたら遊べるのか、という基本的なことがあやふやになってしまうのです。
記憶力がないと学習能力も育ちません。見ていない時はテレビを消し、子供に話しかけたり、赤ちゃんが好きな歌を歌ってみたりすると、静けさがなくなるのでオススメです。
目に負担をかける
テレビを見ることで視力が低下してしまうと心配してしまう大人が多いですが、赤ちゃんは集中力があまりないので、大人のようにテレビを見続けているわけでなく、見たり見なかったりを繰り返しながら視聴しています。そのため、テレビの視聴が直接的な視力低下にはつながっているわけではないのです。
では、何が視力低下につながっているのか。
子供はいつの間にかテレビに近寄っていってしまいますよね。目は、遠くを見るよりも近くを見る方が、負担がかかるとされています。
テレビとの距離だけでなく、見上げるように見たり、斜めから見たり、長時間視聴する、といったテレビの見方も目に負担をかけてしまうのです。この、目に負担をかけてしまうことが、将来、視力が低下してしまう原因につながることもあるようです。
正しい位置から、長時間の視聴を避けてテレビを見ることが視力低下の危険性を少なくする方法と言えるでしょう。
赤ちゃんにテレビを見せる時のアドバイス!
テレビを全く見せないのも、大人としてもツラいでしょう。テレビを見せる際どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。赤ちゃんにテレビを見せるときの注意点、アドバイスをご紹介します。
食事のときはテレビを消そう!
食事中というのは授乳中にも当てはまります。テレビの光や音は赤ちゃんにとって刺激の強いもの。テレビを付けたまま、授乳や食事を行うと、「ながら飲み」「ながら食べ」となり、集中できなくなってしまい、味や食感、匂いなどを感じにくくなってしまうのです。
また、テレビを見ながら食事をしてしまうと、集中力が食事ではなくテレビに向いてしまい、唾液の分泌量や食べ物を噛む回数が減ってしまい、栄養の吸収率が悪くなると言われています。
パパやママも、子供のためにと栄養を考えて一生懸命作った食事をそんなふうに食べてもらいたくないはずです。授乳中や食事中のテレビは見ないように心がけ、子供との会話を楽しみましょう。子供との会話は言語能力やコミュニケーション能力、社会性などの発達に繋がります。
テレビは大人と一緒に見るようにしよう!
テレビは一方的な情報提供なので、子供の発達に影響が出る、と何度も言っていますが、テレビを子供一人で見せず、大人と一緒に見ることで子供とのコミュニケーションにつなげることが出来ます。
「〇〇ちゃんの好きなりんごだね!」
「ワンワンが〇〇しているね」
というように子供とテレビを共用することで、子供とのコミュニケーションを取ることが出来、発達の遅れを感じさせなくなります。テレビを通して一緒に歌ったり、踊ったり、会話をするように心がけましょう。大人といっしょにみるか見ないかで子供の発達が変わってきます。テレビに長時間子守をさせる事は控えましょう。
テレビの時間を決めよう!
今や赤ちゃん向けの動画の配信や、幼児向けアニメ、教育テレビなど、子供がテレビに夢中になる環境がとても整っています。
しかし、子供がおとなしくしてくれるからと言って長時間テレビを見せ続けることは、視力の低下や運動能力の発達の遅れ、言語能力の遅れや集中力低下など様々な悪影響を及ぼします。また、親子とのコミュニケーションも減ってしまうでしょう。
では、どのくらいの時間だったら許容範囲になるのか。2歳までの場合、1時間くらいが許容範囲と言われています。1時間続けて視聴させるよりも30分ずつ分けて見せると良いでしょう。
テレビを見る時間が一時間伸びることで注意欠陥障害を起こす可能性が7歳で10%上がるというデータが出ているようです。テレビをつけっぱなしにしないことが、長時間視聴の対策になります。
テレビは適切な距離・姿勢で視聴しよう!
子供のうちは視力が発達途中のため、無意識に良く見ようとテレビに近づいていってしまいます。しかし、テレビの光は目に刺激が強いため、近くで見るという行為は目に負担をかける原因になってしまいます。テレビの光から子供の目を守るために、テレビと人との理想的な距離を知っておきたいですよね。
テレビを見るときは「テレビの高さ×3」の距離が理想的なのだそうです。32インチだと、画面の高さはだいたい40cmなので、それを三倍にすると120cm。そのため32インチの場合、120cm離れたところでテレビを見ることが、理想的な距離となります。
32インチ・・・約120cm
40インチ・・・約150cm
46インチ・・・約170cm
52インチ・・・約190cm
60インチ・・・約220cm
70インチ・・・約260cm
長時間近くでテレビを見ない限り視力低下の危険性はないと言われていますが、なるべくは近くでテレビを見せたくないもの。赤ちゃんは興味があるものを近くで見ようとするので、何度注意しても近くでテレビを見てしまうようならテレビの前にサークルを置いたり、テレビを高い位置に置いたり、対策をとるといいでしょう。
また、テレビから1m以内に近づくとアラームが鳴り画面が消えるように設定されているテレビがSONYから発売されているようです。興味のある方は調べてみるといいかもしれません。
テレビを見る際の姿勢もとても大事です。身体をひねる体制でテレビを見ると首の筋肉はバランスが悪くなってしまうので噛み合わせが悪くなる、肩こりや頭痛といった悪影響がでる危険性があります。しっかり正面からテレビ画面を見れるように椅子の位置やテレビの位置を調節するようにしましょう。
テレビのつけっぱなしはやめよう
子供は大人のように見たい時だけ集中して、興味が無い時は休憩して、というメリハリをつけながらのテレビの視聴が出来ません。そのため、大人が何気なく行うテレビのつけっぱなしは子供にとっての長時間視聴と一緒なのです。
テレビにばかり意識が向いてしまい、他のことに集中が出来なくなってしまいます。4時間以上のテレビの視聴は言語能力や集中力、記憶力などの遅れを生じる可能性があるので、テレビのつけっぱなしはやめ、こまめにテレビを消すようにしましょう。
子どもにテレビはいつから見せていいの?
ハッキリとした決まりはありませんが、小児科学会で、テレビは2歳まではあまり見せないようにという注意を出しています。(参照:www.hakujyuji.com)
2歳までに言語能力は大きく成長していきます。言葉を理解したり、単語を覚えて言葉を発するのに2歳までの期間はとても大事です。見せてはいけない、とまでは言いませんがテレビを見る時間の目安があるのでぜひ参考にしてください。
テレビ視聴時間の目安は?
テレビを1日4時間以上視聴している子供は、それ以下の視聴時間の子供に比べ、言葉を発するのが2倍遅いという結果が出ています。
2歳を過ぎてもまだまだ言語の発達は続きます。2歳以上の子供でもテレビの視聴は1日1、2時間程度にしておきましょう。
2歳以下の子供は1時間くらいが目安です。この「一時間」という視聴時間ですが一時間続けてテレビ視聴するよりも30分ずつに分けて視聴させたほうが悪影響はないそうです。
赤ちゃんのうちから一日一時間以上テレビを視聴していると、集中力が保たれず落ち着きのない子になる場合があるようです。その他にも視聴時間が伸びれば伸びるほど目への負担は大きくなり、視力低下の原因に繋がります。
また、情緒が安定しなかったり、運動能力の低下や言語能力の低下なども考えられるでしょう。
悪影響だけじゃない!テレビが赤ちゃんにもたらす良い影響!
筆者の4歳の息子と2歳の娘は、2歳になるまでにテレビを通して少しですが、英語を覚えました。色、指、果物は未だにスラスラ英語で言えます。
テレビの視聴は悪いことだけでなく、子供の言葉の発達を促し、普段の生活では身につかない言葉を学ぶことが出来るのです。
言葉を覚えるだけでなく、「〇〇くん楽しそうだね」「〇〇くんどんな気持ちかな?」と言ったように大人が子供に話しかけながら見ることで想像力や、集中力を養う効果もあります。また、親子のコミュニケーションツールとしても活用できますよね。
家事の合間、子供にテレビを見せておくことで家事がはかどります。筆者も家事の合間は子供にテレビを見せっぱなしにしがちです(汗)
ですが、テレビを通して会話を取り入れることでテレビの影響は悪いだけではなく、良い影響にもなり得るのです。アメリカで放送されている教育番組の「セサミストリート」ですが、視聴前と後では知能の差が出たという結果が発表されました。なんと、視聴後のほうが知能が高くなっていたのです。見せる番組やテレビの見せ方で子供に悪影響か、そうでないかが変わることがわかるでしょう。
見せ方一つでテレビの影響は良くも悪くもなる!
テレビを一切見せない。という教育方針ももちろん有りだと思います。しかし、「テレビが悪いもの」なのではなく「テレビに子守をさせる」ということが、子供に悪い影響を与えるのではないでしょうか。
大人と一緒にテレビを視聴することにより、様々な感情をテレビを通して発見したり、日常で飛び交わないような言葉を覚えたりするのです。
見せるテレビを大人が選び、視聴時間やテレビからの距離などもしっかり大人が指導することにより、子供への害が減らせますし、うまくテレビを活用することで、子育てをより楽しめるアイテムになってくれるでしょう。
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