妊娠初期だけじゃないの!?葉酸サプリはいつまで必要?

厚生労働省が妊娠初期の「葉酸サプリ」を推奨していることもあって、妊娠中に葉酸サプリを飲んでいる妊婦さんがほとんどです。しかし…

  • 葉酸サプリをいつまで飲み続けたら良いのか?
  • どのくらいの量を摂取したら良いのか?

について、正確な情報を知らない人も多いようです。

実は、妊娠初期のみでなく、中期~後期、さらに授乳期にも葉酸サプリを摂取することが望ましいです。さらに、時期によって推奨される摂取量が変わるってご存知ですか??

今回は厚生労働省のデータ等を元に、「葉酸サプリが必要な時期」「摂取量の変化」などについて掘り下げていきます。

【最重要】妊娠初期に葉酸サプリが必須な理由とは?

【最重要】妊娠初期に葉酸サプリが必須な理由とは?

妊娠中の葉酸摂取のメリットは様々ですが、最重要ポイントは「胎児の異常(神経管閉鎖障害)の予防効果があること」でしょう。

神経管閉鎖障害とは、受胎後28日目頃にできてくる胎児の神経管に障害が起こり、「無脳症」「二分脊椎」「髄膜瘤」などを生じることです。受胎前後に葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)を摂取することで、発症リスクを減らせることが分かっています。

※葉酸には食事からの葉酸(プテロイルポリグルタミン酸)と、サプリなど化学合成された葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)があります。以下、分かりやすく解説するために「食事系葉酸」「サプリ系葉酸」と呼ばせていただきます。

そのため厚生労働省は、妊娠1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月の女性に、食事系葉酸の摂取(1日240ug)にプラスして、1日400ugのサプリ系葉酸を摂取するよう通知を出しました。

胎児の異常(神経管閉鎖障害)を防止する為にも、妊娠初期にはしっかりと葉酸サプリを飲むようにしましょう。

葉酸サプリはいつまで必要?時期と摂取量の関係

葉酸サプリはいつまで必要?時期と摂取量の関係

一般的によく紹介されているのは妊娠初期の葉酸摂取の話なので、「葉酸サプリは妊娠初期だけでいいんでしょ?」と思っている妊婦さんもいるようです。

しかし、「厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、妊娠初期以降もプラスの葉酸摂取が必要とされています。

ほうれん草などの食事系葉酸1日240ugの摂取を基準とし…

  • 【妊娠1ヶ月以上前~妊娠初期】
    サプリ系葉酸から+1日400ug(計640ug)
  • 【妊娠中期~妊娠後期】
    サプリor食事系葉酸から+1日240ug(計480ug)
  • 【授乳期】
    サプリor食事系葉酸から+1日100ug(計340ug)

と記載されています。

サプリ系葉酸が必須なのは妊娠初期のみの話で、それ以降はサプリ系でも食事系でもどちらでもOKです。ただ、次の理由によって、葉酸サプリによる葉酸摂取をオススメしています。

食事系葉酸よりもサプリ系葉酸が良いのはなぜ?

食事系葉酸は生体利用率が約50%程度と低いのです。

これは例えば、葉酸100ug分のほうれん草を食べた場合に、身体に吸収される葉酸が半分の50ugになってしまうという事です。

ですので、もし【妊娠中期~妊娠後期】の葉酸摂取量1日480ugのすべてを食事のみで補うとしたら、倍の960ug分の葉酸摂取が必要となります。ほうれん草でいうと1株(30g)が63ugですから、15株分くらい食べなければなりません。

さらに、葉酸は水溶性で水に溶けやすく、加熱すると壊れやすいという性質があります。ですので実際には、ほうれん草15株分では葉酸摂取量1日480ugを満たせないことが分かります。

そんなにたくさんの野菜を食べるのは現実的ではありませんし、金銭面での負担も大きくなってしまうでしょう。

その点で、サプリ系葉酸の場合、生体利用率が高くなるように作られています。しかも「1粒あたり葉酸100ugで10円程度」と、かなりお得に効率よく葉酸摂取することが出来るんです。

以上、こういった理由によって、プラスの葉酸摂取には葉酸サプリをオススメしています。

妊娠中期~後期も葉酸サプリを飲むべき5つの理由

妊娠中期~後期も葉酸サプリを飲むべき5つの理由

食事系葉酸1日240ugの摂取量を基準とし、妊娠中期~後期には葉酸サプリで+1日240ug(計480ug)の摂取を推奨しています。

妊娠初期に葉酸サプリを飲むのは「胎児の異常(神経管閉鎖障害)の予防」のためでしたが、妊娠中期~後期に葉酸サプリを飲むべき理由は何なのでしょうか?ポイントは5つあります。

  • 【1】貧血(悪性貧血)の予防効果がある
    葉酸はビタミンB12と共に赤血球の生成を助ける働きがあって「造血のビタミン」とも呼ばれ、貧血予防の働きがあります。
  • 【2】流産を防止する働きがある
    先天性異常の流産に対して予防効果があります。化学流産・稽留流産に関してもリスクを低くくすると考えられています。
  • 【3】子どもの自閉症リスクの低下に効果がある
    妊娠4週間前~妊娠8週に葉酸を摂取した場合、子供が自閉性障害になる確率が低いと分かったそうです。
  • 【4】つわり軽減に効果がある
    葉酸には「脳神経に関与して気持ちをリラックスさせる効果」があり、自律神経の乱れによるつわりに効果があります。
  • 【5】免疫力を高める効果がある
    葉酸は病気から体を守る「粘膜」「免疫細胞」を作るタンパク質の合成促進の働きがあり、免疫細胞を強化できます。

などなど、こういったメリットがありますから、妊娠中期~後期にもしっかりと葉酸摂取しましょう。

授乳期にも葉酸サプリを摂取すべき5つの理由

食事系葉酸1日240ugの摂取量を基準とし、授乳期には葉酸サプリで+1日100ug(計340ug)の摂取を推奨しています。授乳期にも葉酸を多く摂取すべき理由は次の5つです。

  • 【1】母乳の出を良くし、栄養価を高める効果がある
    葉酸はビタミンB12とともに「造血のビタミン」と呼ばれ、血液を作る大切な材料。母乳は血液から作られてますから、授乳期の葉酸摂取はとても大事なのです。
  • 【2】産後の子宮回復の促進効果がある
    葉酸には細胞分裂を促進する働きがあり、産後の子宮ダメージの回復を促進してくれます。
  • 【3】産後の抜け毛対策に効果がある
    髪の毛の99%はタンパク質。葉酸にはタンパク質の合成促進の効果があります。造血作用で血行促進、毛を生み出す細胞分裂の促進効果もあります。
  • 【4】産後うつ予防の効果がある
    村上健太郎氏(東京大医学部助教)と溝上哲也氏(国立国際医療センター研究所部長)らが行った研究データから、葉酸のうつ病予防効果が実証されてます。
  • 【5】美容効果がある
    葉酸は「細胞分裂を促進し、新陳代謝を活発にする」働きがあり、肌の代謝が促進されて健康的で健やかな肌をキープできます。

などなどのメリットが期待できますから、授乳期にも葉酸サプリを摂取することをオススメします。

葉酸の効果について詳しく知りたいなら【葉酸の効果がスゴイ!妊娠したら葉酸を摂るべき12の理由】をご参照下さい。

まとめ

ここまで、葉酸サプリをいつまで飲んだら良いのか、時期と摂取量、その理由などをご紹介してきました。妊娠初期だけではなく、妊娠中期~後期、授乳期にも必要な理由が分かっていただけたと思います。

赤ちゃんの健やかな成長&ママの心身の健康のために、葉酸はとっても大切な栄養素です。ほうれん草などの食事からの摂取を基本としつつ、葉酸サプリで効率よく十分に葉酸を摂るようにしましょう。

売れている商品であっても、「妊娠中にNGな原材料が使われている」「厚生労働省が推奨する条件に合ってない」など、正直オススメ出来ないサプリも多々あります。

また、食事系の葉酸に関しては妊娠中に大切な「葉酸」の多い食品・食べ物26品目まとめにて、おすすめの食品を書いておきましたので、良かったら合わせてご確認下さい。

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