妊婦でも失業給付金。延長申請が必要な妊婦の失業保険と申請方法について

妊娠をきっかけに仕事を辞め、「産後、育児が落ち着いたら再就職しよう!」と考えているママはとても多いです。そんなママに嬉しい制度が【失業給付金の延長措置】です。

一般的に失業すると、新たな仕事が見つかるまで「失業給付金」を貰うことができます。しかし、ママはすぐに再就職活動を始められないため、失業給付金の対象外となってしまうので「失業給付金は貰えないもの」と認識しているママもいるようです。

でも実は「受給期間の延長手続き」をすることで、すぐに再就職できないママでも失業給付金をもらうことができるんです。

今回はそんな失業給付金の延長措置のことや手続き方法、その他詳細情報、妊娠に関係する失業保険のことなどを解説していきます。これを知らないと数十万円~の損をすることになるので、是非チェックしておいて欲しいポイントです。

そもそも失業給付金とは?

そもそも失業給付金とは?

失業給付金とは、失業者に雇用保険から支払われるお金のことです。倒産や自己都合などで会社を辞めた後、再就職するまでの一定期間の生活をサポートしてくれます。

再就職までの間、無給だと生活が心配になりますが、失業給付金のおかげで集中して就職活動に力を入れることができるというワケです。

雇用保険制度の中には「基本手当」という項目があって、それをハローワークでは「失業給付」と呼んでいます。失業したらもらえる給付金ということで「失業保険」と呼ばれることもあります。

「基本手当=失業給付=失業保険」と考えてもらっても良いでしょう。

ママはNG!?失業給付金を貰える人の条件

失業給付金を貰える人の条件は、大きく2つあります。

1つは「就職する意思と能力があり、積極的に再就職活動を行っているのにも関わらず、職業につくことができない“失業状態”にあること」です。

もう1つは「退職前2年間に、雇用保険に通算12ヵ月以上加入していること(倒産・解雇の場合は6ヵ月以上)」です。(※11日以上働いた月が12ヵ月以上)

妊娠・出産をきっかけに仕事を辞めたママの場合、すぐに再就職はできないため、1つ目の条件を満たすことができません。

また、失業給付金は通常「退職の翌日から1年以内にもらい終えなくてはならない」という原則があり、ママの場合、この条件を満たすのも厳しいでしょう。

ですので「失業給付金は貰えないもの」と認識しているママもいるようです。

知らなきゃ損!失業給付金の受給期間の延長措置とは?

知らなきゃ損!失業給付金の受給期間の延長措置とは?

では、「妊娠・出産で退職したママは、失業給付金を貰えないのか?」というと、そんな事はありません。

妊娠・出産・育児等により退職したママは「特定理由離職者」に該当し、受給期間を最長3年間延長できる特例措置が設けられています。(受給期間も含めると4年間となります)

つまり、受給期間の延長手続きをすることで「妊娠や出産で仕事を退職し、育児がひと段落してから、失業給付金をもらいつつ就職活動できる」ということです。

少なくとも90日分、数十万円の金額になりますから、しっかり手続きしておきたいところです。産後も働きたいと思っているママには見逃せない制度と言えるでしょう。

ちょっとややこしい…。受給期間延長の申請期間にご注意を!

というわけで、受給期間の延長手続きをすることで、妊娠・出産で退職したママでも失業給付金を貰えることが分かっていただけたことと思います。

ただ、1つ注意して欲しいポイントがあります。

それは「受給期間延長の申請期間」についてで、退職して30日目の翌日(31日目)から1ヵ月以内に管轄のハローワークに提出する必要があります。

この期間は、妊娠後期でお腹が大きくなっているママだったり、産前産後で入院中のママだったり、状況によってママ自身が動けないことも多いです。その場合、代理人や郵送でも申請を受け付けていますから、管轄のハローワークに相談してみましょう。

この期間に申請手続きをしないと、受給期間の延長はできくなくなりますから、忘れずにしっかりと手続きして欲しいところです。

失業給付金はいくら貰える?計算方法は?

失業給付金はいくら貰える?計算方法は?

失業給付金でもらえる金額の計算方法は「基本手当日額×日数」で、基本手当日額は「日給×給付率(0.5~0.8)」です。ここで言う日給は原則として、離職した日の直前の6ヶ月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額です。

雇用保険の加入期間と、もらえる日数の関係は次のようになっています。

被保険者期間

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上

20年未満

20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳~35歳未満 90日 180日 210日 240日
35歳~45歳未満 240日 270日
45歳~60歳未満 180日 240日 270日 330日
60歳~65歳未満 150日 180日 210日 240日

出典:hellowork.go.jp

また、基本手当日額の上限は年齢ごとに次のように定め

・30歳未満 6,395円られています。

・30歳以上45歳未満 7,105円
・45歳以上60歳未満 7,810円
・60歳以上65歳未満 6,714円
(平成27年8月1日現在、参照:hellowork.go.jp)

給付率(0.5~0.8)についてはややこしいので、計算サイトなどを参考にすると良いでしょう。

失業給付の給付額と給付日数の計算サイト

例えば、30歳で雇用保険に4年加入、月給240,000円(6ヶ月で1,440,000円)だった場合…

  • 基本手当日額:5,244円
  • 給付日数:90日間
  • 合計金額:471,960円

という計算になります。1日5,244円を90日間もらえると考えたら、家計にとって大きなプラスになるでしょう。

受給期間の延長手続きの流れ5ステップ

失業給付金の受給期間延長の手続きは、次のステップで進みますので大まかに把握しておきましょう。

  • 【Step1】退職後に勤務先から離職票(雇用保険被保険者離職票1及び2)をもらいます。
  • 【Step2】退職して30日目の翌日(31日目)から1ヵ月以内に、ハローワークで失業給付受給期間の延長手続きをします。
  • 【Step3】産後、育児が落ち着いてそろそろ働こうと思ったら、求職活動を開始し、ハローワークで失業給付の受給の申請をします。
  • 【Step4】7日間待機後、28日経過ごとの認定日にハローワークに行って「失業認定」を受けます。
  • 【Step5】失業認定されると、指定した口座に失業給付金が振り込まれます。

ちなみに、受給期間の延長手続きで必要なものは…

  • 雇用保険被保険者離職票
  • 母子手帳
  • 身分証明書(運転免許証や住民票など)
  • 印鑑
  • 写真2枚(たて3cm×よこ2.5cmの正面上半身のもの、かつ、3か月以内に撮影したもの)
  • 本人名義の普通預金通帳

などですので、事前にハローワークで確認して、手続きの時に持参しましょう。

失業給付金と失業保険と妊娠の話まとめ

以上、失業給付金の延長措置のことや、ママに知っておいてほしい失業保険のことをお話させていただきました。

原則としては、妊娠・出産・育児で退職した場合、すぐに再就職できないため失業給付の対象外となります。しかし、受給期間の延長手続きをすることで、「再就職しようかな」と思った時に、給付金をもらいながら就職活動をする事ができるようになります。

「育児がひと段落したら再就職しよう!」と考えているママは、是非この制度を有効活用していただけたらと思います。

「働くか分からないし…」と思っているママも、もしかしたら「働きたい!」と考えるようになるかもしれないし、「お金のために働かざるをえない!」という状況になる可能性もあります。

ですので、再就職する可能性を考慮して、受給期間の延長手続きをしておくことをオススメします。イザという時のセーフティーネットとなるでしょう。

妊娠・出産・育児関連で貰えるお金については、次の記事も参考になるでしょう。良かったら参考にしていただけたら幸いです。

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