ボタン電池の誤飲は特別警報レベル!?症状や対処法まとめ
赤ちゃん~幼児期の子供の誤飲事故として、「ボタン電池」の誤飲があります。
小型の家電製品やおもちゃに使用されているボタン電池を、乳幼児が誤って飲み込んでしまうという事故です。
乳幼児向けのおもちゃだと、多くはネジ付きで簡単に電池が取り出せない仕組みになっていますが、中には電池が外れやすい製品もあって、消費者庁や国民生活センターでも注意を呼びかけています。
実は!このボタン電池の誤飲はとっても危険!胃に穴が開いたり、入院せねばならないなど、重篤な症状を生じることがあります。
今回は、ボタン電池の誤飲について、その症状や対処法など徹底的にまとめました。
もくじ
ボタン電池の誤飲事故は0~1歳の乳幼児に多い!
医療機関ネットワークから消費者庁に寄せられた「ボタン電池の誤飲事故情報」によると、2010年12月~2014年3月の間に51件あり、誤飲の疑いも含めると93件もあったとのことです。
出典:国民生活センター
年齢は「0歳13件・1歳25件・2歳6件・3歳6件」で、3歳以下の乳幼児が大半を占めていることが分かります。特に0~1歳のお子さんをいるママ・パパは気を付けなければいけませんね。
ちなみに、乳幼児の保護者約3,200人を対象としたアンケートによると、ボタン電池で危ない経験のある人が418人、実に1割以上もいたそうです。
危ない経験というのは、子供が「実際にボタン電池を飲んでしまった」の他に、「手に取ってなめていた」「飲んでしまった疑いがある」などで、【ボタン電池の誤飲事故予備軍】とも言えるでしょう。
こういったデータを見ても、ボタン電池の誤飲事故はとても身近な出来事ということが分かります。
原因解明!子供はボタン電池をどこから持ってきたの?
子供はどこからボタン電池を持ってきて、誤飲してしまったのでしょうか?
国民生活センターのデータによると…
出典:国民生活センター
- 保管・放置していたもの
- 子供のおもちゃ
- タイマー・時計
- 体温計・補聴器などの医療関連機器
- リモコンなど
- LEDライト など
このデータを見て分かるように、一番多いのは保管・放置のボタン電池です。使用前・使用後のボタン電池の保管場所には、親として細心の注意を払わなければならないでしょう。
また、子供のおもちゃだけではなく、タイマー・時計・リモコンなど、子供が簡単に手にできる様々な日用品にボタン電池が使われていて、それらをさわっている中で誤飲事故が発生していることが分かります。
子供のおもちゃと違って、タイマー・時計・リモコンなどの電池部分にはネジなどついていません。簡単に電池を取り出せてしまいますから、これらの製品は子供の手の届かない場所に置いておくことをオススメします。
恐怖!ボタン電池を誤飲するとどんな症状になる?
ボタン電池が体液に接触すると、電流が発生して化学反応が起きます。そうすると体液はアルカリ性の液体に変わり、アルカリ性はたんぱく質を溶かす性質があるために、短時間で消化管の壁に損傷が起こります。
簡単に言えば、ボタン電池の誤飲によって、食道などに穴が開くおそれがあるという事です。入院が必要になるような重篤な症状になることもあり、場合によっては死の危険性もあるそうです。
鶏肉の上にボタン電池を置いた実験によると、わずか20分で電池の形の丸いくぼみができたとのこと。写真はこれ!ボタン電池の誤飲の怖さが分かるでしょう…。
出典:asahi.com
特に、コイン形のリチウム電池や、アルカリマンガン電池などは危険性が高いです
コイン形のリチウム電池を誤飲した事例によると…
病院にて9時間かけて取り出したが、放電の影響で気管と食道に穴が開き、2か月入院した。しばらくは食事が取れず、固形物を受け付けなかった。
という内容のものもあります。こんな状況になったら子供が可哀想ですから、もし子供が誤飲したことが分かったら、すぐにでも次のような対処法を実践しましょう。
子供がボタン電池を誤飲!対処法はコレだ!
子供がボタン電池を誤飲してしまった場合の対処法はたった1つ!
一刻も早く病院へ行くことです!
何故早急な対応が必要なのかと言うと、誤飲してから時間が経つと、消化管等に癒着してしまい、取り出せなくなってしまうことがあるからです。
最悪の場合、死に至る危険性もあるので、救急車を呼んでも構いません。電池の種類が分かるのであれば、医師にしっかりと伝えましょう。
また、「飲んだかどうかハッキリと分からない!」という場合でも、誤飲の可能性がある場合には受診することをオススメします。レントゲンを撮ってもらえば、「ボタン電池の有無」「電池の停滞位置」は確認できます。
ボタン電池の誤飲事故を防ぐために親がやるべき3つのこと
以上のように、ボタン電池の誤飲事故はよくありがちな事であり、そして重症化しやすい危険な事故でもあります。
ボタン電池の誤飲事故への認識を改め、事故防止のために親として次のような事を実践しておきたいですね。
【其の一】ボタン電池使用の製品を認識しよう!
どの製品にボタン電池が使用されているかを、認識しておくことは大切です。おもちゃでなくても子供は興味津々にいじりますから、電池蓋が外れるおそれがあります。
簡単に電池が取り出せるような仕組みなのであれば、「電池蓋が取れないようにテープで止める」などの対策をしましょう。基本的には「子供の手の届かない場所に置く」のが一番簡単で確実でしょう。
【其の二】ボタン電池を子供の手の届かない場所に!
未使用の電池、使用済みの電池は、絶対に子供の手の届かない場所に保管しましょう。引き出しにしまっていても、1歳くらいになれば取り出せるようになってしまうので、ベビーガード・引き出しストッパーなどの安全グッズを使うのもオススメです。
使用済み電池を処分する場合も、ゴミとして出すまでは、子供の目の届かない場所に保管したいですね。
【其の三】電池交換は子供のいない場所でコッソリと!
電池交換する時に、一時的にボタン電池を置いておいて、ちょっとした隙に子供が誤飲する事故ケースもあります。また、子供が電池の取り出し方を覚えてしまう可能性も…。
ですので、電池交換は子供がいない時や寝ている時など、子供の目に触れないところでコッソリを行いましょう。
などなど、ちょっとした心がけで誤飲事故は防げますから、是非実践していただけたらと思います。
【追伸】
実は、子供の誤飲事故の中で、ボタン電池は割合はわずか数%です。ボタン電池以外にも、いろいろな品目の誤飲事故があるんです。
各品目の対処法については、「赤ちゃんの誤飲に注意!よくある誤飲32品目の対処法まとめ」に書いておきましたので、興味があればチェックしていただけたらと思います。
また、誤飲事故数NO.1のタバコに関しては、「赤ちゃんの誤飲事故NO.1「タバコの誤飲」の症状や対処法」に詳しく書いておきました。
子供の誤飲事故が少しでも減りますように。。。