子宮外妊娠とは?いつからどんな症状?原因や治療法、出産の可否は?

子宮外妊娠とは?いつからどんな症状?原因や治療法、出産の可否は?

皆さんは子宮外妊娠という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

子宮外妊娠(異所性妊娠)は全妊娠の中での発生確率はとても低いものの、発見が遅くなるほど母体へのリスクが高くなるため早期発見が大切です。

そこで今回は、子宮外妊娠になって破裂寸前までなってしまった弊社スタッフ(以後、N子とします)の体験談や、原因や症状、検査方法や治療方法、出産の可否などを解説します。

子宮外妊娠ってどれくらいの確率でなるの?

子宮外妊娠ってどれくらいの確率でなるの?

あまり聞きなれない子宮外妊娠ですが、どれくらいの人がなるのか割合を調べてみると、その割合は意外と多いということに気づかされます。

自然妊娠のうち子宮外妊娠になった割合は、なんと全妊婦の1/60~1/70だといわれています。けっして低い確率とは思えないのではないでしょうか?

そして子宮外妊娠になった人の8割が経産婦というデータもあります。

そもそも子宮外妊娠とは?

そもそも子宮外妊娠とは?

子宮外妊娠は正式には”異所性妊娠”と呼ばれています。子宮以外に着床してしまった状態を指していて、大多数が妊娠初期に判明します。

通常、卵巣から排出された卵子が、精子と受精して受精卵となり、卵管を通って子宮内膜に着床し”妊娠”します。ですが、子宮内膜に到着する前に、卵巣や卵管に着床してしまった状態を指します。

妊娠に関連した死亡の約1%がこの子宮外妊娠といわれています。子宮外妊娠は主に4か所で起こるといわれています。

子宮外妊娠する主な名称と場所は次の通りです。

子宮外妊娠する主な名称と場所
出典:小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)」

卵管間質部妊娠…卵管と子宮の境目あたりで着床してしまった状態です。
卵管肥大部妊娠…卵子をキャッチする部分です。
卵管峡部妊娠…上二つの間の通り道になる部分です。

子宮外妊娠の約95%がこの卵管妊娠だといわれています。N子自身も最も多いといわれている、卵管部分の卵管峡部に着床していたとのこと。

その他の場所としては、

卵巣妊娠…卵巣に着床した場合
子宮頚管妊娠…赤ちゃんの出口である頸管に着床した場合
腹腔妊娠…子宮付近の腹腔内に着床した場合

とあります。

子宮外妊娠でも出産はできるの?

残念ながら子宮外で着床してしまった受精卵を育てて、出産することはできません。

子宮外妊娠の原因ってなに?

子宮外妊娠の原因ってなに?

子宮外妊娠の原因はおおよそ3つに分けられます。

卵管の異常

受精卵を卵巣から子宮へ運ぶ管、それが卵管です。すなわち、卵子の通り道です。

その卵管が子宮内膜症や性感染症、過去にした開腹手術(帝王切開など)によって癒着を起こす場合があります。すると受精卵が卵管をうまく通れずに卵管で着床してしまうことがあります。

稀に卵管を縛る避妊手術卵管結紮術(らんかんけっさつじゅつ)を受けた女性が子宮外妊娠になるケースもあります。

経産婦さんに子宮外妊娠が多い理由は

・一度目の出産で帝王切開をした。
・出産で卵管がダメージを受けた。
・産後の免疫力の低下

これらが原因で産後雑菌が侵入し、炎症を起こした可能性があります。

受精卵の輸送時の問題

卵巣から出た受精卵は卵管采(卵管にある卵子をキャッチする所)によって卵管内に入ります。この時になんらかの原因で受精卵が卵管内に入れず腹腔内に出てしまい腹腔内や卵巣の外側に着床してしまうこともあります。

子宮の問題

過去に中絶の経験や避妊具を子宮の中に装着していたことがある場合も、子宮外に受精卵が着床することがあります。

ただ子宮外妊娠の原因は大多数が”原因不明”な場合が多いです。ちなみにN子も特に原因は見つからず、たまたま卵管に受精したのではないかと医師から告げられたそうです。

子宮外妊娠の原因にもなるクラミジア(性器クラミジア感染症)

子宮外妊娠の原因として特に怖いのは、性感染症による卵管の癒着です。

クラミジアという性病を聞いたことがありますか?どんな病気かは知らないけど、名前は聞いたことがあるって人も少なくはないでしょう。

そんな子宮外妊娠の原因にもなるクラミジアについても少し解説します。

日本で最も多い性病がクラミジアです。クラミジアは生きた細胞内でのみ増殖が可能な微生物で、近年での研究で細菌と分類されました。

主な感染経路

やはり最も感染する可能性があるのは”性行為”なのですが、感染者の使用した
・タオル
・便座
・大衆浴場
などでも感染することがあります。

主な症状

・膿のような分泌物
・排尿痛
・性交痛
・性器や尿道の痒み
・おりものの異臭や増加

などです。

そしてなにより、クラミジアに感染した人の男性50%、女性75%の人達は”無症状”、”症状に気が付かない”のだそうです。ポピュラーな性病なのにとても怖い病気です。

そしてこのクラミジア、不妊の原因にもなる恐ろしい病気なのです。

ではなぜ子宮外妊娠や不妊の原因になるのでしょうか?

それは、無症状・無自覚のうちにクラミジアが増殖してしまい、気が付いたころには重症化していて子宮内膜症や卵管炎を引き起こすからです。

実際に子宮外妊娠を経験した妊婦さんの内、「約10%~30%がクラミジア感染症を含む骨盤内炎症性疾患による卵管障害に該当した」という調査結果も報告されています。

治療法

とても怖いクラミジアですが治療法はとっても簡単だって知っていましたか?

治療方は”ジスロマック”という抗生物質を飲むだけです。1日1回2錠を3日間飲むだけで治療することができます。

感染しないことが第一ですが、感染した場合は早期発見が第一。不慣れな産婦人科・婦人科ではありますが、定期的な受診が大切でしょう。

子宮外妊娠って、いつからどんな症状が出るの?

子宮外妊娠って、いつからどんな症状が出るの?

子宮外妊娠を経験した方の体験談によれば、おおよそ妊娠6週目あたりから身体が異常を伝えてくれることが多いことがわかります。

生理が来ない

着床した場所が違うだけで、身体は妊娠した時と同じ状況になります。生理のサイクルが安定している人の場合はすぐに気付きますが、不安定だと見過ごしやすいかしれません。ただ、妊娠超初期で胎嚢が確認できていない段階では、子宮外妊娠とは明確にわかりません。

妊娠検査薬に陽性反応がでる

正常な妊娠と同じく妊娠検査薬にも反応を示します。

赤ちゃんの袋(胎嚢)が見えない

妊娠4~5週くらいから確認できるようになってくる赤ちゃんの袋を「胎嚢(たいのう)」と呼びます。これが6週以降になっても確認できない場合は子宮外妊娠を疑います。

子宮外妊娠の検査になるキッカケは、胎嚢が確認できないのに尿中のhCGホルモンが増えている場合が多いです。ただこのホルモンは流産後も残ることが多く、減少するも緩やかに減っていきますので、妊娠検査薬での自己判断は危険です。病院で検査してもらいましょう。

出血がある

不正出血が出ることがあります。子宮外妊娠の約76%の方が出血の症状があったとのこと。妊娠が判明してから不正出血で受診した妊婦さん2000人中、350人が子宮外妊娠での出血だったそうです。通常の不正出血と比べて量が多い場合も。

N子自身にこの症状が出たのが妊娠5週目あたりからでした。タンポンを入れて夜用ナプキンを付けて2~3時間で漏れ出す量でした。

ただこの不正出血は多くなったり少なくなったりと、かなり変動した印象があったとのこと。ただ止まることはなく、量が減ったり増えたりを繰り返していたそうです。

だんだんと強くなっていく腹痛がある

出血も大切なサインですが、N子がおかしいと気が付いたキッカケが腹痛だったそうです。子宮外妊娠になった妊婦さんの66%がこの腹痛を感じたようです。

下腹部がシクシクと痛むような弱い痛みから始まり、破裂寸前になった日の夕方から徐々に強くなったそうです。日に日に強くなる腹痛の場合はすぐに病院へ行くことをオススメします。

破裂寸前まで子宮外妊娠に気が付かなかったのはなぜ?

破裂寸前まで子宮外妊娠に気が付かなかったのはなぜ?

N子は子宮外妊娠になって、破裂寸前まで気が付かなかったうちの一人です。

それは不正出血を生理と勘違いしたところから始まりました。緊急手術までに至った流れを体験談として紹介していきます。

①産婦人科の先生に見逃される

「胎嚢が確認できません。完全流産だと思います。」
「出血はじきに落ち着くと思いますよ。」

先生に言われた一言に納得してしまいました。

この時は私は無知で知らなかったのですが、子宮内膜に胎嚢が確認できない場合の完全流産の場合、”握りこぶし大”の塊が出ることが多いそうです。
そのような症状は全くありませんでした。

②じわじわと続く腹痛

出血は落ち着く気配もなくむしろ少し増えたように感じた1週間後に、じわじわと腹痛の症状が強くなってきました。

夕方から始まり明日病院に行こうと思っていましたが夜の10時あたりから痛さが増し、病院でもらった鎮痛剤も全く効かず、落ち着くどころか増す腹痛…。

「これはダメかも」と頭をよぎるようになり、夜間救急へ向かいました。

この時の痛みは何とも言葉で言い表せないような「下痢でも生理痛でもない今まで感じたことのない種類の痛み」でした。

③緊急手術

当直の先生が産婦人科の先生だったことで、経緯を話したところすぐに検査へ。

その時のエコーで左側の卵管に胎児(もうすでに亡くなっていました)の確認ができ、麻酔の先生が到着次第、緊急手術になりました。

破裂寸前だったため車椅子で検査室から移動し、一刻を争う状況でした。

幸い破裂はしなかったため左卵管の切除手術で済みました。手術は無事成功しましたが、左側の卵管を切除した不安感は強く感じていたことを覚えています。

子宮外妊娠の治療方法って手術しかないの?

子宮外妊娠の治療方法って手術しかないの?

ここで子宮外妊娠の治療方法の種類を説明します。

待機療法

正常な妊娠でも染色体異常などが原因で、約10%の確率で自然に流産する可能性があります。これは子宮外妊娠にも当てはまります。

待機療法とは、卵管から降りてくるのを待ち、自然流産をさせる方法です。腹腔内の場合は組織に吸収されるのを待ちます。一番母体に負担のない治療法ですが…

・hcgホルモンの数値
・着床部分の血種の大きさ
・母体の状態

などの様々な条件を満たしていなければ行えない治療法になります。

薬物療法

破裂寸前や緊急性を要するときには行えませんが、卵管を残せる治療法です。

抗がん剤で胎嚢の成長を止める方法で、全身の投与か腹腔鏡で直接投与する場合もあります。ただこちらも…

・hcgホルモンの数値
・母体の状態

などの条件がありますし、抗がん剤での薬物療法になるので副作用が出る可能性があります。

主な副作用は

・吐き気
・全身の倦怠感
・白血球の減少
・脱毛
・口内炎

全員が出るわけではないですが、副作用を見ても身体への負担が強いです。そしてこの治療法は、子宮外妊娠への保険適用から除外されているために全額負担になってしまいます。

腹腔鏡手術、開腹手術

子宮外妊娠で最もポピュラーな治療法です。この療法だけでもいろんな種類があるので一つずつ見てみましょう。

卵管圧出術…主に腹腔鏡を使用し、胎嚢を卵管から絞り出すように排出させる方法です。卵管を切除しないで済む療法になります。

卵管線状切開術…卵管破裂を起こしてない状態で尚且つ着床したままの状態のときに行えます。腹腔鏡を使用し、卵管を切開して胎嚢と血種を水圧や吸引によって除去します。卵管を切開するために卵管の癒着が出る場合があり、子宮外妊娠を繰り返すリスクがあります。

卵管切除術…根治治療ともいい、卵管破裂や破裂寸前、その他”次回の妊娠をあまり希望していない人”にも行われる治療です。着床してしまった方の卵管を切除します。

N子はこの卵管切除術を腹腔鏡で行い、左側の卵管を切除しましたが、傷も小さく退院2日前には歩けるようになり、退院日には一人でバスに乗れるくらい回復していました。腹腔鏡手術で右0.5cmお臍0.5cm左1cmで切開したそうです。

以上のように、子宮外妊娠の治療方法はたくさんありますが、気付くのが遅ければ遅いほど治療の幅が狭まります。

おのずから卵管流産を起こす場合も少なくありませんが、卵管破裂を引き起こす可能性もあるので早期発見、早期治療が大切です。

子宮外妊娠って繰り返すの?なぜ?再発防止の方法がある?

子宮外妊娠って繰り返すの?なぜ?再発防止の方法がある?

子宮外妊娠は繰り返す場合もあります。なぜ繰り返す可能性があるのでしょうか?

それは主に卵管の問題です。

・生まれつき卵管が狭い方
・手術で癒着を起こしてる方
・子宮外妊娠になった卵管を温存した方

このような場合、子宮外妊娠を繰り返す可能性があります。

ただ、子宮外妊娠を繰り返さないための治療法もありますのでご紹介します。

子宮卵管造影

造影剤を通すことによって

・通過性の確認
・通りの改善

が出来ます。

費用は保険適用なので約1万円になります。比較的安価な治療になりますが、かなりの痛みが伴います。

卵管鏡下卵管形成術

こちらは日帰りでの経腟からの内視鏡手術になります。

・カテーテルで卵管の確認
・癒着を剥離

こちらの方が造影剤よりも確実ですが、負担が大きく費用が保険適用で約8万円になります。

以上のような、再発防止のための治療がありますが、子宮外妊娠後の正常妊娠率は90%を超えていますので、不安な方は医師と相談してみることをオススメします。

まとめ

経産婦さんがなりやすい子宮外妊娠。経産婦さんだからこそ、妊娠かなと思ったら早期の受診をオススメします。

子宮外妊娠にはたくさんの治療法がありますが、気付くのが遅ければ遅いほど治療の幅が狭まり、死の危険もある症状です。自ら卵管流産を起こす場合も少なくありませんが、卵管破裂を引き起こす可能性もあるので早期発見、早期治療が大切です。

原因不明なことが多い子宮外妊娠ですが、少しでもリスクを回避する為にも、定期的な産婦人科・婦人科への検診をオススメします。

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