妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)の8つの対策法と原因、痛み方の特徴について

妊娠超初期によるある症状の1つに「腰痛(恥骨痛)」があり、つらい症状に不安や心配を感じている人も多いようです。

※妊娠超初期とは…妊娠1~4ヵ月までを「妊娠初期」と呼び、その中でも妊娠0週(妊娠前の最後の生理の初日)から3週頃までを「妊娠超初期」と分けて呼ぶことがあります。

そこで今回は妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)について、

  • 原因は何なのか?
  • 時期はいつからいつまでか?
  • 痛みの特徴、痛みの場所はどこか?
  • 生理前の腰痛(恥骨痛)とどう違うのか?
  • 腰痛(恥骨痛)解消のための対策方法は?

について詳しく解説していきます。

 

妊娠超初期に腰痛(恥骨痛)になる原因とは?

リラキシンというホルモンの影響

妊娠超初期に腰痛(恥骨痛)になる原因は、主に「リラキシン」というホルモンの影響です。

妊娠すると「リラキシン」というホルモンの分泌が始まるのですが、このホルモンには出産に向けて骨盤が少しずつ開くように「骨盤周りの靭帯を緩ませる」という働きがあります。

骨盤周りの靱帯が緩んでしまうと、上半身を支えることができなくなり、歩行も困難になってきてしまいます。そうならないように骨盤周りの筋肉が頑張ってくれるのですが、筋肉の負担が大きくなるために腰痛(恥骨痛)の症状としてあらわれてきます。

リラキシンの他にも、妊娠すると分泌量が増えるプロゲステロン・エストロゲンのホルモンにも靱帯を緩める作用があります。

血行不良

つわりの症状がでてくる時期でもありますので、いままで通り食事を摂れなかったり、運動不足になりがちになるために血行不良になりやすいです。

血流が悪くなるといわゆる筋肉がこった状態になってしまい、老廃物がたまりやすくなります。それが周囲の神経を刺激して痛みが強くなる→さらに血流が悪くなり筋肉が硬くなる→より老廃物がたまりやすくなる→・・・、という悪循環が生まれてしまいます。

骨盤周りの筋肉ということで、腰だけではなく、お尻・足の付け根・恥骨などに痛みがでてくる人も多いです。

どんな人が腰痛(恥骨痛)になりやすい?

・妊娠前から腰痛(恥骨痛)持ちの人
・筋肉のバランスの悪い人
・姿勢が悪く骨盤が歪んでいる人
・運動不足で筋力が弱い人
・デスクワークなど同じ姿勢を続けている人
・腰に負担の多い仕事の人

などは、妊娠超初期から腰痛(恥骨痛)になりやすいです。

 

妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)はいつから始まる?

妊娠超初期症状はいつから始まる?の記事に書いてあるように、

・最終生理の初日→妊娠0週0日
・約2週間後に排卵し、精子と受精すると受精卵が誕生→妊娠2週0日
・約1週間後に子宮に到着し、子宮内膜に着床して妊娠成立→妊娠3週0日

という流れで妊娠が成立します。すると妊娠維持のためにホルモンバランスの大きな変動がおこり、さまざまな妊娠超初期の症状があらわれてきます。

ですので、妊娠超初期症状としての腰痛(恥骨痛)は妊娠3週目(生理予定日の1週間前くらい)から始まると考えて良いでしょう。(もちろん個人差はあります)

妊娠中の腰痛(恥骨痛)はいつまで続く?

妊娠初期の腰痛(恥骨痛)がいつまでなのかはハッキリと言えませんが、ホルモン分泌が落ち着いてくる妊娠15週目あたりには、症状もだいぶ軽減されるでしょう。

ただ、妊娠週数が進むにつれ赤ちゃんがどんどん大きくなるので、腰の負担も大きくなります。そして妊娠後期になると、ふたたびリラキシンの分泌量が増えてきます。

妊娠を機に腰痛(恥骨痛)症状が出てきた人の場合、「早く症状が治まってほしい」「この腰痛はいつまで続くのだろう?」と考えてる人も多いですが、残念なことではありますが、妊娠中の腰痛(恥骨痛)はずっと継続する可能性があることを知っておきましょう。

さらに、「産後の骨盤矯正その前に!知っておくべき12の重要ポイント」の記事で書いたように、妊娠中の姿勢の悪さや筋力低下の影響もあって、産後も腰痛(恥骨痛)に悩まされる人がとても多いです。

妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)の特徴。生理前との違いはある?

妊娠超初期ならではの腰痛(恥骨痛)の特徴というものはありません。先輩ママの体験談を見ても、痛み方には大きく個人差があることが分かります。「妊娠超初期の腰痛なのか?生理前の腰痛なのか?」を判別するのも、ハッキリとした材料はありません。

というのも、妊娠したら「リラキシン」が分泌され、骨盤周りの靭帯が緩むために腰痛(恥骨痛)を引き起こす、とお話しましたが…

実は、生理前も「リラキシン」の分泌量が増える時期なんです。リラキシンの作用で骨盤の靭帯が緩み、生理時における経血の排出がスムーズになるワケです。

ですので、先輩ママの体験談を見ると・・・

・生理予定日1週間前からいつも来る生理前の症状(子宮裏の腰痛(恥骨痛)、下腹部痛、腰とお腹が気持ち悪く重だるい違和感、おりものが少なくなる)があった。
・いつもの生理前の症状と変わりはありませんでした。下腹部ちくちく、腰痛(恥骨痛)があり、生理くるかなーと思ってました。
・排卵1週間後くらいから生理前のような下腹部痛、腰痛(恥骨痛)があり、そろそろ生理がくると思っていました。(出典:e-ninshin.com)

のように、「生理かと思っていた」という体験談がとても多いんです。

ただ、

・いつもは腰痛(恥骨痛)がないのに、今回は腰痛(恥骨痛)があった。
・いつもの生理前と違って、頭痛や腹痛があった。

のように「いつもの生理前の症状と違った」という体験談もかなり多いので、“いつもとの違い”をチェックすることで判断できるかもしれません。

よくある妊娠(超)初期症状や生理との見分け方などは、次の記事をご参照下さい。

 

腰痛(恥骨痛)が右側のみor左側のみ。痛む場所によっては危険あり!?

妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)について「右側だけ痛い」「左側だけ痛い」のように、腰痛(恥骨痛)の症状に左右差があって不安に感じている人もいるようです。

腰痛(恥骨痛)に左右差がでる原因は複数あって、特に問題がないものと、危険性アリで医師の診察が必要なものがありますので、それぞれ解説していきます。(例外もあるので、心配な症状があれば医師に相談を)

問題なし!身体を動かしている時に痛い・・・

もともと「バッグをいつも右肩にかけている」「立つときにいつも左足に重心をかけている」など、身体の使い方の悪いクセによって、筋肉の付き方のバランスが悪かったり骨盤が歪んでいる人は多いです。

すると、妊娠中に身体を動かしている時、つまりリラキシンの影響で骨盤回りの筋肉に大きな負担がかかっている時に、どちらか片方のみに集中して痛みを感じることがあります。バランスが悪いために、どっちかだけに大きな負荷がかかってしまう、ということです。

危険あり!?安静時でも痛い!

妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)に関して、リラキシンの影響で筋肉に大きな負担がかかることが原因であれば、「腰に負担のかからない楽な姿勢」の時には痛みを感じなくなるか、痛みが緩和されるはずです。

しかし、楽な姿勢で安静にしていても痛みが続くのであれば、それは内臓疾患の可能性が考えられます。特に右側の場合は、妊娠中に起こりやすい腎臓の病気「水腎症」の兆候かもしれません。

なんにせよ、いろいろ姿勢を変えて安静にしてても「ずっと右側が痛い!」「ずっと左側が痛い!」という場合は、一度医師の診察を受けたほうが良いでしょう。

妊娠超初期の腰痛(恥骨痛)対策8つのアイデア

妊娠超初期ならではの腰痛(恥骨痛)にたいして、対策方法・改善方法をご紹介します。

①腰回りを温める、身体を温めること

身体が冷えることは腰痛(恥骨痛)を悪化させますので、腰回りを含め身体全体を温めてあげましょう。カイロなどで腰をあたためる、お風呂はシャワーですませるのではなく湯船にゆっくりと浸かる、腹巻きをする、ハーブティーを飲む、などをして身体を冷やさない習慣をつけると良いですね。身体を温めることは、お腹の赤ちゃんにとっても過ごしやすい環境となるのでとても大切です。

②骨盤ベルトをつけること

妊娠中の腰痛(恥骨痛)は、骨盤周りの靱帯が緩むことで筋肉に負担がかかるのが原因ですので、骨盤ベルトでサポートしてあげることで改善しやすいです。妊娠初期から使える骨盤ベルトとしては「トコちゃんベルト」が有名です。産婦人科などでも紹介される人気商品ですので、医師や助産師さんに相談して正しい巻き方を教えてもらいましょう。骨盤ベルトは正しい巻き方をしないと効果が発揮されませんし、場合によっては逆効果になるので、しっかりと指導してもらうことをオススメします。

③ストレッチをすること

ストレッチをすることで血行が良くなり、腰痛(恥骨痛)を和らげる効果があります。特に、症状に左右差がある場合、身体のバランス(筋肉の付き方、硬さなど)が悪くなっているのが原因ですので、バランスを整えるという意味でもストレッチはオススメです。ストレッチは妊娠中も産後も継続して欲しい腰痛(恥骨痛)対策といえます。やり方はYouTubeで公開されているものを見たり、産婦人科で指導してもらうのもオススメ。または、整骨院やカイロプラティック等で、プロに教えてもらうのも良いでしょう。

④日常の姿勢に注意すること

よくある悪い姿勢の代表例は次のようなもの↓
日常の姿勢に注意すること
(参照:hazama-seitai.com)

このような悪い姿勢によって、身体の中心にある骨盤はバランスを保つために傾いてしまいます。さらに全身がバランスを取ろうとして、骨盤以外の部分も不均等になってしまい、それがクセになることで筋肉の付き方・硬さなどのバランスが悪くなります。結果、腰痛(恥骨痛)になりやすくなりますから、日常から正しい姿勢を心がけましょう。頭のてっぺんから1本の糸が通っていて、上から引っ張られて、頭・首・背骨・骨盤までが伸びているイメージがオススメです。

⑤日常の動作に注意する

日常的に腰に負担がかからない動作をすることも大切です。例えば、モノを持ち上げるとき・モノを拾うときなど、立ったまま腰だけを折り曲げるような動作だと、腰に大きな負担がかかってしまい腰痛(恥骨痛)を悪化させる原因となります。膝をしっかり曲げて、背中はまっすぐにして持ち、それから膝を伸ばして持ち上げるようにしましょう。特に重たいモノを持つ時には大切なポイントです。このように、腰に負担がかからないような日常動作を心がけたいところです。

⑥ウォーキングなどの軽めの運動

妊娠超初期は激しい運動は厳禁ですが、軽めの運動はとてもオススメです。「血行が良くなる」「筋肉の緊張がとれる」「ストレス発散になる」「体力を維持できる」「急激な体重増加の防止になる」などなど良いことづくめで、腰痛(恥骨痛)改善以外にもたくさんのプラス効果が期待できます。
特にオススメなのがウォーキングですが、マタニティスイミング・マタニティヨガ・マタニティビクスなども人気があってオススメです(妊娠初期は受け付けてない施設もあります)。妊娠の経過が順調で、体調が良いときには、積極的に軽めの運動をしていきましょう。

⑦リラックスできる時間をつくる

ストレスなどの心因性の腰痛(恥骨痛)もありますので、1日のうち少しでも良いのでリラックスできる時間を作りたいところです。もともと趣味があるなら趣味に打ち込むのも良いですし、アロマを楽しむ、ハーブティーを飲む、好きな音楽を聴くなど、あなたに合ったリラックス法を見つけて実践しましょう。アロマオイルやハーブティーについては次の記事をご参照下さい。

⑧プロの施術を受ける

腰痛(恥骨痛)の症状がツラくて、ご自身でなかなか解消できない時は、マタニティマッサージやマタニティ指圧など、プロの施術を受けるのもオススメです。現代ではインターネットに情報が溢れていますから、妊婦さんへの施術実績が豊富なところが見つかれば、一度体験してみると良いでしょう。
注意点としては、妊娠初期の施術は受け付けてないところもあるので、妊娠初期でも施術可能かどうか確認すること。そして、事前に担当の医師に相談し、施術の許可をもらうことも大切です。

まとめ

以上、妊娠(超)初期の腰痛(恥骨痛)について、原因・時期・特徴・対策法などなど解説させていただきました。

妊娠超初期に腰痛(恥骨痛)になる主な原因は「リラキシン」というホルモンによるもので、骨盤周りの靭帯が緩んでしまい、筋肉に大きな負担がかかってしまうからです。ストレスなどの心因性の腰痛(恥骨痛)の可能性もあるし、左右差がある場合は内臓疾患の可能性もある、ともお話ししました。

そんな腰痛(恥骨痛)対策として8つの方法をご紹介しましたが、簡単にまとめると

・腰回りの血行を良くする
・ストレッチをして身体のバランスを整える
・腰に負担のかからない良い姿勢、良い動作を心がける
・運動をして筋力低下を防ぐ(もともと運動をしない人は筋力増強になる)
・ストレスをためないようにする

ということです。これは妊娠中に限らず、産後も継続して欲しい習慣といえます。

不安定になった骨盤を安定させるために「骨盤ベルトをつける」のもオススメですが、正しい巻き方をしないと効果が発揮されないどころか逆効果になるかもしれないので、産院でしっかりと指導してもらいましょう。

また、骨盤ベルトだけに頼らず、上記の腰痛(恥骨痛)対策も平行して実践することが大切です。

以上、より良いマタニティライフのためのご参考になれば幸いです。

妊娠中の腰痛(恥骨痛)については次の記事も参考になるでしょう。

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