妊娠後期の3割の妊婦が感じるむくみ(浮腫)。むくむ4つの原因と7つの対策・解消法
妊娠中のむくみは、多くの人が経験するトラブルの一つです。足のむくみは睡眠不足や、日常生活の支障をきたす場合があり、とても悩まされる症状でもあります。
妊娠後期のむくみの原因は何なのか?辛いむくみの解消法や対策はあるのか?
今回はむくみの「原因」「対策」「解消」をそれぞれご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。むくみを改善するマッサージ・ストレッチ・つぼ・エクササイズもご紹介します!
もくじ
妊娠後期のむくみ(浮腫)の症状は?
むくみの症状は皆さんのイメージ通り、足がパンパンになったり指輪が入らなくなったりすることです。たくさん歩いた日などは足がだるく、パンパンに張っている感じがしませんか?
夕方になるとブーツや靴が入らない、なんて経験をした方もいらっしゃると思います。それが「むくみ」の症状です。
妊娠後期ではこのような症状が現れやすくなります。妊娠中にむくみを感じる人は30%にのぼる結果が出ているようです。足の甲やスネを指で10秒間圧迫し、指を離したときにあとが残っている場合はむくんでいる証拠。症状がひどい人は顔などにもむくみの症状が現れる場合や、しびれも感じることがあるようです。
むくみチェック表
- ふくらはぎや足首がだるい
- 足首が太くなる
- 靴下の跡がくっきり残っている
- 指でスネや足の甲を圧迫するとあとが残る
- 指輪が入らない
- 手が握りづらい
- 目が開けにくい
- 顔が腫れている
妊娠後期は主に足や手がむくみやすいです。身体の末端に行けば行くほどむくみを強く感じる人が増えていきます。
では、どうして妊娠後期になると身体がむくみやすくなるのでしょうか。次の見出しでご紹介します。
妊娠後期にむくみやすくなる4つの原因は?
1.血液量の増加
むくみは体内の水分が増えることで起きる症状です。胎児に血液を届けるための血液の量が妊娠後期ではピークに達し、非妊娠時の血液量に比べ1.5倍に増えることが、むくみにつながるひとつの原因です。
それだけでなく、妊娠中の血液というのは血液中の血漿成分だけが増加するので、胎児には栄養などが届けやすい水分量が多いサラサラな血液になります。血液中の水分量が増え、血が薄くなることで血管の外に水分が染み出すことで、むくみが起こりやすくなるのです。
2.子宮の変化
妊娠後期は子宮や胎児が大きくなり、お腹の重みが増してきます。するとお腹周りや骨盤周りの血管やリンパが圧迫され、下半身から心臓への血流の流れを妨げてしまうのです。そのため水分や老廃物が下半身に溜まり、足がむくんでしまうのです。長時間立ったまま過ごしたり、長時間座ってすごしたり、などもむくみの原因に繋がります。
3.妊娠高血圧症候群によるもの
妊娠高血圧症候群を耳にしたことがある人もいると思いますが、妊娠中のむくみがひどい場合、妊娠高血圧症候群の危険性があるので注意が必要です。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降~分娩後12週までに高血圧やむくみ、蛋白尿などの症状が起こる病気をいいます。
この病気は全妊婦の約3~7%に発症しており、日本妊娠高血圧学会は、「妊娠28週未満で全身にむくみがあるような場合は、腎臓や心臓の病気などが隠れている可能性がある」と発表していて、重症化すると母子ともに命にかかわる病気です。
妊娠後期になると血圧が上がりやすくなったり、むくみや蛋白尿が出やすくなりますが、
- むくみが急に強くなった
- 足だけでなく手や顔もむくみが出た
- 急に体重が増えた
- 頭痛がある
などの症状があれば、すぐに産婦人科を受診し医師に相談しましょう。
むくみがひどくても、一晩寝て次の日に改善している、足を高くするなどの対応でむくみが軽くなる場合は心配し過ぎる必要はありません。
しかし、足だけでなく顔や手までむくむときは注意が必要です。
また、食べ過ぎでもなく1週間で500g以上体重が増えている場合、それは脂肪や胎児、羊水だけの原因でなく、むくみが原因の可能性があります。普段の自分の体調や体型、身体をしっかり把握しておくことで、ささいな変化に気づくことができ、早期発見・早期対処を行うことができると言えます。
4.運動不足や塩分のとりすぎ
非妊娠時でも運動不足はむくみの原因の一つです。妊娠中はお腹が大きく、動きづらいということも有り、運動不足になりがちですが、適度に身体を動かし、血液の循環をスムーズに行えるようにしておくことが重要です。
また、運動不足が原因で、血液を足から心臓に戻ろうとする筋肉ポンプが衰えてしまうことで、血液の流れが滞ってしまい、足がむくみやすくなってしまいます。
塩分の摂りすぎについてですが、妊娠中はホルモンの関係で体内に水分を溜め込みやすくなります。塩分を多く含むものを食べると喉が渇き水分を多くとってしまうのは自然な働きです。そうすることで体内にはさらに水分を溜め込んでしまい、むくみにつながってしまうのです。
妊娠後期の辛いむくみの7つの対策・解消法
足を上半身よりも高くする
就寝するときや横になるとき、クッションなどを足の下においてみましょう。20センチ位の高さが効果的だと言われており、血液の流れをスムーズにし、むくみの解消に繋がります。
身体を冷やさない
身体を冷やしてしまうことで血管が縮こまり血液の流れが悪くなってします。むくみは血液の流れがスムーズに行われないことが原因で症状が起きやすくなるので、身体は冷やさないに越したことはありません。
女性は妊娠中に限らず下半身がひえやすいです。夏場の冷房や冬の寒い時期は靴下やレッグウォーマー、などで体温調節をしっかり行うようにしましょう。
身体を冷やさないために半身浴がおすすめです。半身浴は血行促進に効果があるので、冷え性を改善し、むくみ解消にもとても期待できます。38~40度ほどのぬるま湯に2,30分ほど浸かりましょう。
そんなのんびり入っていられない!という方もいらっしゃると思います。そんな方には足湯がおすすめ。足の冷が解消されることで、体全体の血行が促進され、むくみの解消にも効果があります。大きめの容器(バケツやタライなどでOK)に少し熱いくらいのお湯(40度前後)を入れ10~20分ほど浸かります。半身浴も足湯ものぼせてしまう可能性があるので無理はせず、水分補給を忘れずに行ってください。
塩分を取りすぎないようにしよう
人間の体は、塩分が多いものをたくさん摂ると塩分に含まれる「ナトリウム」の濃度を薄めようと水分を多く摂取します。ナトリウムの濃度を身体の中では一定を保とうとするからです。そうすると水分を過剰に取りすぎてしまい、むくみを引き起こしてしまいます。
減塩のコツは
- 醤油や味噌、塩などは減塩の商品を選ぶ
- 顆粒だしよりも、鰹節や煮干しから出汁を取る
- ラーメンやうどんのスープは残す
- お酢やポン酢、レモン汁などを上手に利用する
- 醤油やソースは「かける」のではなく「つける」
妊娠中に限らず、むくみの解消を望むのであれば塩分を控えた食事をしましょう。
カリウムの多い食べ物を食べる
「カリウム」は、塩分に含まれる「ナトリウム」を体外に排出してくれる働きがあります。先程塩分の多い食事はむくみを引き起こしやすくなるので控えよう、と書きましたが、カリウムが多く含まれる食材を積極的に食べることで体内の余分なナトリウムがなくなりむくみ解消につながるのです。
- アボカド
- 納豆
- バナナ
- メロン
- ほうれん草
- トマトジュース
などがカリウムを多く含む食材です。カリウムは野菜や果物に多く含まれますが、カロリーなどを気にする場合、果物は糖質が多いのでカリウムが多く含まれているからと言って食べ過ぎには注意が必要です。
水分補給はしっかりと!ノンカフェインのものを飲もう
むくみの原因が水分を体内にためすぎてしまうことなら「水分を取らないほうが良い?」と勘違いしてしまっている人がとても多いです。水分が足りないと感じると、身体は体内の水分を溜め込もうとするため、余計にむくみを引き起こします。
妊娠後期は頻尿になりやすいので、水分補給をあまりしない方も多いと思いますが、水分を過剰に取りすぎず、適度に摂取することでむくみの改善につながるでしょう。
また、カフェインが含まれる飲み物は利尿作用があるので脱水症状になる場合があります。たんぽぽ茶やルイボスティ、ごぼう茶などノンカフェインの飲み物がむくみ対策におすすめです。その際、キンキンに冷えた飲み物を飲むよりも、常温にしたり、ホットティーにしたりすると身体が冷えません。
着圧ソックス
着圧ソックスは妊娠中のむくみにとても人気なアイテムです。着圧ソックスや着圧タイツなど長さも種類も様々なので自分にあったものを選びましょう。着圧タイツを履いて寝ると、次の日びっくりするほど足が軽いです!ドラックストアなどで手軽に購入できるのでぜひ試してみてください。
マタニティ用の着圧ソックスもあるようです。
マッサージで血液の流れをスムーズに
足や手をマッサージすることで血行促進に効果があり、むくみ解消が期待できます。しかし、妊娠後期になるとお腹が大きくなり自分でマッサージするのは大変ですよね。そんな時は旦那さんや家族の人などにマッサージをお願いしましょう。
次の見出しにむくみ改善に効果のあるマッサージ法をご紹介したいと思います。
むくみを改善するマッサージ・ストレッチ・つぼ・エクササイズをご紹介!
マッサージの前に足湯などをして足を温めてから行うと効果的です。もちろんお風呂上がりでもOK!マッサージをしやすいようにクリームを足全体に塗っておきましょう。
むくみに効くマッサージ
- ①足の裏の中心にあるくぼみを押します(結構ゴリゴリしても大丈夫です!)
- ②くるぶしの下のくぼみからふくらはぎへ押し上げるようにマッサージをします。
- ③スネの骨に沿って下から上へと強めに擦り上げます。
- ④膝の裏は老廃物が溜まりやすいので、親指以外の4本の指で膝を押し上げるように太ももの内側に流します。
- ⑤膝の下のくぼみにも老廃物が溜まりやすいので、手を握った状態で円を描くようにゴリゴリと強めにマッサージします。(はじめは痛いかもしれませんが、ほぐれてくると痛くなくなってきます)
- ⑥膝の上辺りから膝を整えるような感じで優しくマッサージします。
- ⑦手をグーにして太ももをこするように強めにマッサージします。
- ⑧足首から太ももまでを下から円を描くようにマッサージします。
- ⑨足首から膝まで一気に持ち上げるように擦り上げます。
あっという間に足がスッキリしますよ!動画もあるのでぜひ観ながらチャレンジしてみてください。
むくみに効くつぼ
①片膝を立てて床に座ります
②足の内側にあるくるぶしから指4本分のところを押します
③反対側の足も同様に行います
この動画を参考に行ってみてください。
むくみに効くエクササイズ
仰向けの状態で両手両足を垂直にあげ30秒ほどバタバタします。たったこれだけで血行が良くなり、むくみ改善に効果があります。脚痩せにもつながるみたいですよ♪
無理をしないことが一番のむくみ解消法♪
妊娠中はホルモンの変化により水分を多く体内にためてしまうため、むくみが起こりやすくなっています。対策や解消法をご紹介しましたが、一番のむくみ対策は「無理をしないこと」。
疲れを感じたら休息をとり、楽な姿勢で横になると良いですね。その際は足を上半身よりも高くすると良いでしょう♪
出産すると辛いむくみも解消されるので、あまり心配しすぎないことも大切です。
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