妊娠超初期のゾワゾワ寒気の原因や5つの対処法。気になる流産リスクや他の病気との関係
妊娠超初期の症状の1つとして、背中がゾクゾク…のような「寒気」を感じる人は少なくありません。
「とにかく寒い」「寒気がひどい」という症状があることで「流産の可能性があるのでは?」と不安になっている人もいるようです。
そこで妊娠超初期の寒気について、流産との関係、症状の特徴、原因や対処法、風邪と見分ける方法など解説します。
もくじ
妊娠超初期の寒気ってどんな症状?
妊娠初期とは一般的に妊娠15週(妊娠4ヶ月)までの期間のことをいいます。妊娠は排卵から約1週間後である、妊娠2~4週で成立しますが、この時期は病院に行っても「妊娠しているかどうか」の正しい判定ができません。この時期のことを「妊娠超初期」と呼ぶことがあります。
妊娠超初期~初期の代表的な症状のひとつに寒気も含まれ、一例として次のような症状があります。
- 「ゾクゾク」「ゾワ~~」みたいな風邪のような寒気。
- クラクラするようなめまいを伴う寒気。
- 冬でもないのに、手足など末端まで冷える寒気。
などなど。微熱/頭痛/ほてり/眠気/関節痛/喉の痛みなどを伴うこともあり、風邪と見分けにくいことが多いです。
一体なぜ、このような寒気が起こるのか、その原因について解説していきます。
妊娠超初期の寒気はなぜ起こる?その5つの原因とは?
【1】高温期
女性の身体は排卵が起こると高温期に入り、通常0.3~0.5度ほど体温が上昇します。そして妊娠した場合には、体温の高い高温期が続きます。
自分自身の体温が高くなっているため、周りの温度が低く感じられ、寒気を感じるというメカニズムです。風邪と同じです。
【2】自律神経の乱れ
妊娠超初期はhCGというホルモンが分泌され始め、エストロゲン・プロゲステロンの分泌量も変わります。身体の中のホルモンバランスが急激に変化するために、自律神経の乱れを引き起こします。
自律神経が乱れることで体温調節機能が上手く働かず、寒気の症状を感じることもあります。冬でもないのに、手足などの末端まで冷えることも…。
逆に、ほてりで身体がポカポカしたり、熱っぽかったりするケースもあります。
【3】貧血
妊娠すると鉄欠乏症による貧血になりやすいです。実に妊婦さんの約30~40%が鉄欠乏症と言われています。
貧血になりやすい上に、妊娠すると血液の流れが悪くなり身体が冷えてしまうので、それが原因で寒気を引き起こすこともあります。また、脳へも血液が渡りにくくなることから、めまいや立ち眩みの症状を伴うケースも多いです。
【4】つわり
早い人だと妊娠超初期の段階でつわりの症状を感じます。十分に栄養を摂ることができず、熱量不足になるために寒気を引き起こすこともあります。(関連記事:つわりの時期を徹底解説!いつからいつまで?ピークは?)
また、つわりと言うと吐き気や嘔吐を思い浮かべがちですが、症状には個人差があり「眠気、だるさ、頭痛、ほてり、のぼせ、においに敏感になる」などの症状を感じる人もいます。中には、「寒気⇔ほてり」の症状が交互にあらわれる妊婦さんも。。
【5】腎盂炎(じんうえん)
腎盂は腎臓の中のふくろ状の部分で、腎臓から出た尿を集めて膀胱へ送る働きがあります。腎盂という場所に炎症が起きることを腎盂炎といいます。
実は、妊娠中は「子宮が膀胱を圧迫する」「尿管の収縮が弱まる」などの理由により腎盂炎になりやすいのです。
そして、腎盂炎でよくある症状の1つが「寒気」なんです。腎盂炎になった場合、「腰や背中の痛み」「38℃以上の発熱」などの症状も併発するので、寒気と共にこれらの症状があったら病院で診てもらいましょう。
妊娠初期の寒気は流産と関係がある?他の病気は?
「妊娠初期にひどい寒気を感じると流産の可能性がある」という情報を知って、心配している人もいるようですが、医学的な根拠はありませんのでご安心ください。
寒気と流産を結びつけてしまうのは、「寒気がする→体温が低下する→継続するはずの高温期が終わる→流産」と連想してしまっているのかもしれません。しかし、寒気と流産の関連性は低いとされていますので、不安に思う必要はないでしょう。
ただ、次のような場合には、診察を受けることをオススメします。
・寒気とともに腹痛、おなかの張り、出血がある。流産や早産の疑いアリ。
・寒気とともに腰や背中の痛み、38℃以上の発熱がある。腎盂炎の疑いアリ。
このような症状があった場合には、産婦人科に連絡・受診して指示を仰ぐようにしましょう。
妊娠超初期の寒気への5つ対処法
【1】温かい服装にする
寒気を感じたら、とりあえず身体を温めることが大切でしょう。
・靴下の重ね履きをする。最近は冷え取り靴下なんて商品もあります。
・腹巻をしてお腹を温める。
・お腹や背中にカイロを張る。
・重ね着する。毛布をかぶる。
などなど、とにかく温かい服装にすることで、寒気対策になるでしょう。
特に、足首や手首などの「首」部分を冷やさないようにすると、身体は温まりやすいです。靴下を履いて寝たり、手袋を付けたり、マフラーをするなど有効です。
カイロも手軽に身体を温めるアイテムとして有効ですが、貼ったまま寝てしまったりすると、低温やけどを引き起こす可能性があるので要注意です。
【2】足湯をする
足を温めることは全身の血流を良くする効果があります。身体全体が温まりますし、リラックス効果も期待できるのでとってもオススメです。アロマオイルを垂らすのも良いでしょう。
身体を温めるという点ではお風呂も良いですが、妊娠中はのぼせやすかったり、めまいやふらつきも起こしやすいので、長時間の入浴には注意が必要です。
【3】身体を温める食べ物・飲み物にする
食事であれば、生姜や根菜などの身体を温める効果のある野菜を摂るのもオススメです。飲み物であれば、温かいスープやハーブティ、ゆず茶、麦茶、ごぼう茶、ルイボスティーなどを飲むのもオススメ。ハーブティは妊婦さんNGのものもあるので要注意です。(参照:妊娠中に最適?妊婦さんOKのハーブティー&効果まとめ)
コーヒー、紅茶、ココアなどを飲む場合には、カフェイン摂取量には注意しましょう。(参照:妊婦はカフェインNGとされる4大悪影響!)
【4】軽い運動
適度な運動は冷え対策として効果的です。運動によって血行が良くなりますし、新陣代謝も改善され、妊娠中の体重増加対策にもなります。気分転換やストレス解消にもつながるでしょう。
妊娠初期はつわりの影響で運動をする気分にならないかもしれませんが、赤ちゃんのためにも身体に無理のない範囲で、ウォーキングやストレッチなどを習慣化していくことをオススメします。
【5】背中をさすってもらう!
背中をさすることでリラックスすることができ、腹部周辺の筋肉が緩み身体が温まりやすくなります。夫婦のスキンシップにもなります。
などなど。妊娠超初期の寒気への対処法はたくさんありますので、ご自身でも色々と試してみましょう。
風邪の寒気なのか分からない!他の妊娠初期症状も確認!
妊娠初期は寒気だけでなく、身体がほてって熱っぽかったり、頭痛があったり、だるかったりの症状もありがちなので、「風邪なのか?それとも妊娠の兆候なのか?」見分けにくいと感じるかもしれません。
ですので、他の妊娠初期症状の有無も確認し、妊娠なのかどうかを判断することをオススメします。
などなど、いろんな妊娠超初期症状があります。もっと詳しく知りたいなら【妊娠超初期症状まとめ】をご参照ください。
もしこれらの症状が複数当てはまるなら、妊娠の兆候である可能性があるので、妊娠検査薬でチェックしてみましょう。
妊娠初期の寒気と上手に付き合っていこう!
ホルモンバランスの変化や貧血、つわりの影響など、さまざまな原因によって、妊娠初期の寒気は起こります。この時期に寒気がひどいことで、「流産の可能性があるのかも?」と心配になる人もいますが、医学的な根拠はありませんのでご安心ください。
ただ、寒気とともに高熱がでたり、腹痛・おなかの張り・出血があったり、腰や背中の痛みがあったりした場合には、流産や他の病気の疑いがあるので病院を受診することをオススメします。
妊娠初期の寒気対策としては、身体を温めるための服装や食生活を心がけ、血流を良くするために適度な運動をすると良いでしょう。ウォーキングやストレッチは誰でも気軽にできますし、早めに習慣づけておくことで体重管理も成功しやすくなります。腰痛・肩こり対策の他、ストレス対策にもなるのでとてもオススメです。