妊娠3週目の妊婦さんの自覚症状、体の変化と生活で注意することについて
妊娠超初期症状はいつから始まる?分かりやすく徹底解説しました!でお話したように、妊娠3週目は「受精卵が子宮に着床し、妊娠が成立する」という時期です。ここから、細胞が赤ちゃんとして育ち始めるようになります。
妊娠3週目になると、早い人だと“つわり”の症状がでてきます。ただ、生理の症状と似ていることも多いため、「ただの生理なのか?妊娠によるものなのか?」が分からなくて不安に感じる人も多いようです。
そこで今回は妊娠3週目について「妊婦さんの体にどんな症状がでるのか?」「生理との見分け方」「妊娠検査薬の反応のこと」「赤ちゃんの状態のこと」「気を付けて欲しい注意点」など、詳しく解説していきます。
もくじ
妊娠とは?
妊娠初期の内容の説明をする前に、妊娠のしくみについてご紹介します。
射精された精子は、1分間に2~3mmというゆっくりしたスピードで卵子と出会うために、子宮口から子宮頚管を経て卵管へと移動します。しかも、子宮内の環境は精子が生存するための環境に適していないため、生存した状態で卵子に出会うことは実はとても大変なことなのです。
一方、卵巣から飛び出した卵子は、精子で出会うために卵管へ移動します。移動した卵子が精子と出会うと、通常の場合、1つの卵子に対して、1個の精子が卵子の中に入り込みます。この状態になると卵子は受精卵になります。
1個だった卵子は、受精卵になると細胞分裂を繰り返しながら子宮に移動します。受精卵が子宮に到達するまでに必要な日数は4~6日といわれています。子宮内に到達した受精卵は、はじめは子宮内で浮いていますが、最適なタイミングを見計らって子宮内膜にもぐりこみます。この状態のことを「着床」といいます。
受精卵が着床すると妊娠が成立します。受精から着床までに約1週間かかります。
もしかして妊娠?妊娠3週目にはどんな症状がでる?
一般的には“生理予定日の一週間後ぐらい”から妊娠による身体の変化を感じるようですが、早い人だと妊娠3週目頃から「もしかして妊娠かも!」と思われる症状がでることがあります。いわゆる「妊娠超初期症状」と呼ばれるものです。
次のデータのように、少数派ではありますが一定の割合で症状を感じる人がいるようです。
出典:pixy.cx
具体的によくある症状をいくつかご紹介しますと…
おりものの変化
- おりものの量がいつもより少ない!
- おりものの量がいつもより多い!
- いつもは茶おりが出るのに、透明のおりもの出た!
- いつもは白いのに、鮮やかなピンク色のおりものが出た!
などなど、「いつものおりものと違う!」といった症状が出るようです。
腰痛
妊娠すると増加するホルモンには、骨盤周りの靭帯が緩ませる作用があります。そのため骨盤が不安定になり、それを支えようとする骨盤や筋肉に負担がかかり腰痛を招いてしまうとのこと。もともと妊娠前から腰痛持ちだったり、筋力の弱い人の場合、腰痛になりやすいと言われています。
腹痛
子宮が引っ張られるような痛み、生理痛に似た重い鈍痛、「チクチク」「ズキズキ」のような表現の痛み、などなど個人差はありますが腹痛を感じる人もいます。生理前に腹痛になる人もいますが…、「いつもより重い鈍痛」「腰痛もある」など、いつもより痛みの度合が大きくなる人が多いようです。
着床出血
受精卵がふわふわの子宮内膜に「絨毛」と呼ばれる根をはって母体と結びつきます。これを「着床」というのですが、着床時に絨毛が子宮内膜を傷つけ出血してしまうことがあり、「着床出血」と呼ばれています。
基本的には、生理の出血に比べてずっと少ないのが特徴です。おりものに出血が混じってピンク・茶色になるくらいがほとんどです。
次の生理がくる前に出血することがあるので、生理の出血と着床出血に見分けがつくのか心配になりますね。この2つの違いは、基礎体温と出血量で確認することが可能です。
基礎体温が高温期に入ったあと、1~2週間後に少量の出血があり、その後も高温期が続いている場合は「着床出血」の可能性が高いです。しかし、「着床出血」は、すべての人に起こる現象ではありません。妊娠後にこのような出血が見られるケースもあるため、特に妊娠を望む場合は基礎体温をきちんとつけておくと、生理の出血なのか「着床出血」なのかなど妊娠の可能性の判断をするときに役立ちます。
などなど。他にも、頭痛や胃痛、吐き気など、人によっていろいろな症状があらわれるようです。
「妊娠?生理?」どっちの症状か見分ける方法はある?
上記で紹介したような「妊娠超初期症状」は、実は「生理前によく見られる症状」でもあります。ですので、妊娠3週目の症状が「妊娠によるものなのか?」「いつもの生理によるものなのか?」どちらか判断できず悩む人も多いでしょう。
残念ながら自分自身で「100%確実に見分ける方法」というものはありませんが、妊娠の可能性を判断する方法はあります。それは「いつもの症状との違いがあるかどうか?」をチェックすることです。
多くのママの体験談を見ると…、妊娠していた場合、おりものの変化・腰痛・腹痛・着床出血など、いろいろな症状で共通するのが「いつもの生理前の症状と違うこと」です。ですので、今までのあなた自身の生理前の症状を思い出してみて、「今回は違うのかどうか?」を確認することで、妊娠なのかどうかの判断がしやすくなるでしょう。
妊娠超初期症状は他にも【胸が張る/眠気がすごい/下痢になる/匂いに敏感になる/イライラする/胸が大きくなる/酸っぱいものが食べたくなる/喉が渇く/情緒不安定になる】など沢山ありますから、総合的に判断すると良いでしょう。
(参照:先輩ママの体験談から分かる妊娠超初期【全42症状】まとめ)妊娠検査薬は妊娠3週目でも反応する?それは確実?
「もしかして妊娠かも」と思った場合、妊娠検査薬で早く確認したいところでしょう。ただ、妊娠3週目で妊娠検査薬を使っても、正確に判断できないことが多いです。
まず、妊娠検査薬の仕組みですが…、妊娠が成立するとヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)というホルモンが分泌されます。妊娠検査薬はこのHCGホルモンに反応し、分泌されていれば陽性(妊娠している)となります。
日本で一般的に市販されている妊娠検査薬は、HCGホルモンを50mIU/ml感知することで反応します。しかし、次の図のように…
(出典:arax.co.jp)
妊娠3週目はまだ十分にHCGホルモンが分泌されていない時期でもあるので、たとえ妊娠してても陰性反応になることも多いのです。(妊娠検査薬の説明書には「生理予定日から1週間後」のように書かれています。)
ただ、「妊娠検査薬で陽性が出たのはいつ頃?」というアンケートによると…
- 1位 2829票(48.3%):妊娠3週
- 2位 2411票(41.1%):妊娠4週
- 3位 395票(6.7%):妊娠5週
というデータもありますので、「100%確実ではない」「あくまで目安」という前提で、妊娠3週目に妊娠検査薬を使ってみるのも良いでしょう。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、いつ病院に行けばいいの?
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、妊娠を待ち望んでいた人にとっては、早く妊娠を確定させたい気持ちになる人も多いですね。ですが、妊娠検査薬で陽性反応が出た場合であったとしても、受精卵が子宮に正常に着床していない「子宮外妊娠」といったことが起こってしまうこともあります。
また、あまり早く病院を受診してしまうと病院で心拍が確認できないため、再度病院に来るよう促されてしまうこともあります。病院が推奨している週数は、病院によって異なる場合がありますが、妊娠5週目~6週目になるとほぼ病院で妊娠を確定することができるといわれています。
妊娠5週目~6週目の目安は生理がくる予定日よりも1~2週間過ぎた時期にあたります。人によって生理の周期が異なりますし、周期が安定していない人もいますので妊娠5~6週目で必ず妊娠が確定できるわけではありません。ですが、生理予定日の1週間後以降に妊娠検査薬で検査をして陽性反応が出た場合は、妊娠5週目にあたりますので、すぐに病院を受診しても病院で確定してもらえる可能性が高いでしょう。
ただし、妊娠を確定することができなかった場合は時間をおいてから再受診の指示をされることがあります。その場合は、医師の指示に従うようにしてください。
妊娠3週目に妊娠検査薬を使う際、気を付けたい2つのポイント
妊娠しているのに陰性反応が出ることがある
これは先ほど説明したように、妊娠検査薬はHCGホルモンを50mIU/ml感知することで反応します。妊娠3週目だとHCGホルモンが50mlU/ml以下の可能性があり、その場合は、妊娠していたとしても陰性反応が出ることになります。
3週目で陰性反応が出たとしても、「妊娠かも」と心当たりがあるなら、4週目以降にも検査薬でチェックすることをオススメします。
化学流産に気付いてしまう可能性がある
「化学流産」はフライング検査で陽性反応が出たけど、妊娠が継続できず終わってしまうというもの。その後、生理と同様に出血が起こるので、昔は「いつも通りの生理がきた」という認識で気付かない人がほとんどでした。(原因のほとんどが染色体異常によるもので、一般的いよくあることです。)
しかし最近は検査薬のレベルが向上している事もあり、フライング検査で陽性反応が出てしまい、気付いてしまうケースが多くなっています。化学流産だった場合、悲しい思いをする事になりますから「フライング検査はしない方が良い」という声も多いです。
化学流産だった場合、基本的に特別な処置は必要ありませんが、もし体調不良が続くようであれば病院で診てもらいましょう。
妊娠3週目の赤ちゃんの大きさや特長について
妊娠3週目になると受精卵が子宮に着床し、「絨毛」と呼ばれる根っこを生やします。絨毛は胎盤のもととなっており、この時期から胎盤がしっかりと出来上がり、赤ちゃんもどんどん大きく育っていきます。
受精卵の大きさは0.1mmと非常に小さいものですが、妊娠3週目のうちに1.0mmほどに成長します。わずか1週間で10倍の大きさになっているわけですから、もの凄く急成長していることが分かります。
また、この時期は正式に「胎児」とは呼ばれず「胎芽(たいが)」と呼ばれています。まだ人間の形にはほど遠く、尾やエラがあってタツノオトシゴみたいな形をしているからです。
赤ちゃんは妊娠7週目までは胎芽の時代で、妊娠8週目になると胎児と呼ばれるようになります。
妊娠3週目に飲んでしまった薬や予防接種の影響はある?
妊娠は、生理が遅れていることで気が付くケースが多いです。しかし、生理は順調に来ることもありますが、遅れることもあるため、妊娠に気づいていないときに市販の薬を飲んでしまうことがあります。その後妊娠していることがわかると、薬が胎児に何らかの影響があるのではないかと不安になってしまう人は多いですね。
薬の影響に特に注意が必要なのは、妊娠4週~9週目だといわれています。この時期は、中枢神経、心臓、手足、目、鼻など赤ちゃんの体の大事の器官が作られるので、胎児に影響のある薬を飲んでしまった場合、赤ちゃんの器官に形成異常が起きることがあります。
しかし、妊娠0~3週目までは「無影響期」に該当する期間です。薬物の影響を受けた場合は…
(1)着床しない
(2)流産して消失する
(3)完全に修復されて健児を出産する
のいづれかで「妊娠が成立しないか、正常の経過をたどるか」のどちらかとなります。
ですので、妊娠3週目に飲んでしまった薬や予防接種に関する「生まれてくる赤ちゃんへの悪影響」は心配する必要はないとされています。
ただ、妊娠4週~7週目までは奇形を最も起こしやすい時期とされていますから、薬剤に残留性のある場合には注意が必要です。特に、生ワクチンである麻疹・風疹・ポリオ・おたふくかぜ・水痘などは禁忌です。
インフルエンザは不活化ワクチンですので、生ワクチンほど問題にはならないとされています。
妊娠中は市販の薬などを自己判断で飲むことは避け、妊娠中に風邪などを引いてしまったなど体調をくずしてしまったときは医師に相談し、病院で処方してもらった薬を飲むようにしましょう。また、持病などがあり、日常的に薬を飲んでいる場合は、妊娠がわかったらなるべく早く対応について医師に相談するようにしてください。
妊娠3週目!これから注意して欲しい3つのこと
妊娠3週目はまだ妊娠を自覚していない時期ですが…、妊娠を意識しはじめたら次の3つの事には気を付けましょう。
タバコをやめること!
喫煙することで血管が収縮し、子宮に栄養が十分に送られなくなり、胎内の環境が悪化していきます。その結果、奇形児・未熟児・流産を引き起こす可能性が高くなるので、もしママが喫煙者であるなら禁煙するようにしましょう。パパが喫煙者なら、外で吸ってもらうか、出来る事ならママ同様に禁煙して欲しいところです。
アルコールやカフェインにも注意!
母親が妊娠中にアルコールを摂取すると、胎児が発達の遅れ(低体重)、精神の遅延、胎児性アルコール症候群といった症状を起こしてしまうことがあります。また、カフェイン摂取によって流産や、胎児発育遅延の危険性が高くなるので、カフェインの摂取量は控えるようにしましょう。
妊娠4週~7週目に入ると、胎児の脳をはじめとする各器官の形成に影響を及ぼす可能性があります。飲酒した量にもよりますが、妊娠3週目だから絶対に影響はないとはいいきれないため、妊娠を望んでいる人や、妊娠する可能性がある場合は、お酒は飲まないようにするに心がけておくことをおすすめします。
ですが、万が一妊娠に気づかずに飲酒してしまった場合は、すでに摂取してしまったアルコールについて悩むよりも、今後はアルコールの摂取をしないように注意することが大切です。
妊娠中の飲食に関して次の記事も参考になるでしょう。
まとめ
以上、妊娠3週目のことについてお話させていただきました。
妊娠3週目は、ママの身体の中で赤ちゃんが育つ準備をはじめている時期です。ママにとってはまだ妊娠の自覚がない時期かもしれませんが、「もしかしたら妊娠かも…」と妊娠を意識し始めたら、
- 禁酒・禁煙をする
- カフェインに気を付ける
- お腹を冷やさないようにす
など、食生活や健康管理には気を付けるようにしたいですね。
また、特に初めての妊娠の場合、自分自身の身体の変化に戸惑い、不安や心配になることも多いでしょう。不安や心配を解消するためにも、今後どのような変化があるのか、雑誌や当サイトなどで確認しておくことをオススメします。
妊娠4週目については、次の記事をご参照下さい。