帝王切開ってどんな手術?リスクはある?痛みが強く傷跡が残るって本当?

帝王切開ってどんな手術?リスクはある?痛みが強く傷跡が残るって本当?

妊娠してからというもの、赤ちゃんに会える日を楽しみに毎日過ごしている方がほとんどだと思いますが、ふと「赤ちゃんに会える日」=「出産の日」なんだよなぁ、と思った時、自分の出産はどんな出産になるのだろうか、安産だといいなぁ、と不安と期待が混ざったような気持ちになりますよね。

どのような出産になるのか、自然分娩なのか、帝王切開なのか、というのも一つの大きなポイントですよね。もしかすると、すでに分娩方法が決まっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は、出産方法の一つ、帝王切開について、みていきます。

帝王切開とはどのような出産方法か、痛みは強いのか、傷跡は残るのか、また、術後の回復はどうなるのか、そして、費用はいくらくらいなのか、様々な疑問や不安が湧いてくると思います。

帝王切開とはどのような出産なのか、順番にみていきましょう。

帝王切開とはどんな出産方法なの?

帝王切開とは?

帝王切開とは、子宮を切開することで胎児を取り出す手術方法のことを言います。

現在最も一般的な帝王切開の方法では、通常1時間弱の手術時間で、長くても2時間程度と言われており、一般的には、腰椎麻酔で行いますが、緊急時は全身麻酔となります。ただし、全ての麻酔薬は胎盤を通って胎児に影響を及ぼしますので、全身麻酔をする帝王切開術はまさに時間との勝負になると言われています。

手術の順序としては、皮膚、皮下組織、腹膜、脂肪組織、子宮と順番に切開し、胎児を娩出します。胎児は、生まれるとすぐに待機していた看護師や小児科医に受け渡され、一方ではお母さんの胎盤を含めた子宮内容物を取り除く作業を行います。

この間に一番出血が起こりやすいので要注意ですが、必要に応じて子宮収縮剤を注射する場合もあり、問題がなければ子宮筋を縫合し、縫合が終了したら、十分に止血されているかを確認します。

その後、腹腔内を洗浄し、子宮に癒着防止吸収性バリアを貼り付け終了となります。

帝王切開が適応となる場合

帝王切開は、誰でも受けられるというわけではなく、適応となるケースは限られています。帝王切開が適応となるのは、「自然分娩では母体または胎児の生命に危険がおよぶ可能性がある場合」となり、その中でも一部は帝王切開が絶対適応(必須)となるケースもあります。

そして、適応となる状態とは、「急速に胎児を取り出す必要があるが自然分娩ではそれが不能な場合」「自然分娩が物理的に不可能な場合」「産道感染の危険性が高い場合」「高齢出産の場合」などです。

具体的には、

・常位胎盤早期剥離
・子宮奇形
・前置胎盤、(場合によっては低置胎盤)
・前回が帝王切開だった場合
・児頭骨盤不均衡
・逆子
・性感染症(HIV感染、性器ヘルペスなど)
・胎児機能不全の低酸素状態
・分娩停止(薬剤を使用しても陣痛の増強がみられず、吸引分娩、鉗子分娩が不可能な場合。)
・子宮筋腫核出などの婦人科手術既往がある場合。

などがあげられます。

帝王切開は希望できるの?急に帝王切開になることもある?

予定帝王切開

上記に、帝王切開の適応となる場合と具体例をご紹介しましたが、ここではさらに詳しくみていきましょう。

まず、帝王切開には、「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2種類があります。

通常、皆さんがイメージするのは、逆子などが理由で前もって帝王切開での出産が決まっているケースではないでしょうか。これは、「予定帝王切開」と言われるもので、あらかじめ自然分娩が難しいと判断されていて、手術日も事前に決めて計画的に行われます。

これに対し、「緊急帝王切開」とは、母体や胎児の命にかかわるような、まさに緊急に対処しなくてはいけない問題が起こり、できるだけ早く赤ちゃんを取り出す必要がある場合に行われるものです。

まずここでは、予定帝王切開になる場合について詳しくみていきましょう。

どのような場合に、予定帝王切開になるのでしょうか。

前回の出産が帝王切開だった場合

基本的に、前回が帝王切開だった場合はその次の出産が自然分娩だと子宮が破裂するリスクが高いため、医師から予定帝王切開を勧められるケースが多くなります。これと同じ理由で、子宮筋腫の手術などで以前子宮にメスを入れた経験がある妊婦さんも、予定帝王切開になる可能性が高くなります。
ただし最近では、1度帝王切開をした妊婦さんは、絶対に2回目以降も帝王切開をしなくてはいけないというわけではなく、自然分娩でのお産をサポートしてくれる病院もあります。
これについては、後ほど説明しますね。

高齢出産

高齢かつ初産の場合は、体力的に自然分娩が難しいと医師が判断するケースもあります。さらに、年齢とともに子宮口の収縮性や膣壁の柔らかさが低下していくため、赤ちゃんが通り抜けられないケースもあるようです。
医学的な定義では、高齢出産は35歳以上となっていますが、予定帝王切開を適用するかどうかは、医療機関や医師によって判断が異なっています。
出産年齢が上がるにつれて、たとえ自然分娩が可能だったとしても、リスクを軽減するためにあえて予定帝王切開を選ぶ場合もあります。

多胎妊娠

双子や、三つ子など多胎妊娠の場合は妊娠高血圧症候群や切迫早産になりやすい傾向にあるため、予定帝王切開を選ぶケースがあります。

前置胎盤(場合によっては低置胎盤も)

前置胎盤とは、胎盤が子宮口をふさいでいたり、胎盤の一部が子宮口にかかっている状態のことを言います。
そのため、前置胎盤の場合は、陣痛で子宮口が開きかけると大量出血を起こす可能性が大きく、母体の命にもかかわってきます。そのため、大量出血のリスクを回避する必要がるので、予定帝王切開となることが多いのです。

合併症がある場合

糖尿病や心疾患などの持病があり、母体が陣痛に耐えられないと医師が判断した場合は、予定帝王切開となります。

逆子

通常、出産が近づいてくるにつれ、赤ちゃんは子宮口に頭を向けた状態、つまり赤ちゃんの頭が下になり、足が上になります。
しかし妊娠後期になっても、頭が上で足が子宮口側にある状態の赤ちゃんもいて、この状態を逆子といいます。逆子のまま自然分娩をすると、出産時に赤ちゃんが低酸素状態になるリスクが高いため、基本的には予定帝王切開となります。

児頭骨盤不均衡

児頭骨盤不均衡とは、赤ちゃんの頭の大きさがお母さんの骨盤の幅よりも大きかったり、お母さんの骨盤の形に問題があって、赤ちゃんが産道を通り抜けられないと判断された場合のことを言います。この場合は、自然分娩が難しいため、予定帝王切開となります。

以上が、予定帝王切開になるケースになります。

予定帝王切開は、いつ決まるの?

上記の場合が予定帝王切開になるケースですが、予定帝王切開の決定に関しては、前回が帝王切開での出産だった妊婦さんや高齢出産の場合は、早い時期から帝王切開することが決められます。
しかし、他のケースでは妊娠経過、母体や胎児の状態や状況をみて、医師が臨機応変に判断し決定します。

通常では、妊娠経過を観察しつつも、だいたい妊娠36週ごろになると自然分娩か帝王切開、どちらを選択するのかを決定することが多いようです。

というのは、出産予定日間近になるといつ陣痛がおこってもおかしくないため母子共に危険な状態になってしまう可能性もありますし、また、反対に赤ちゃんを子宮から取り出すためには、赤ちゃんの身体の機能が十分に発達しているかどうかも考慮しなければなりませんので、あまり早くに判断することもないようです。

このようなことから、予定帝王切開の決定は妊娠36週ころに、帝王切開の手術は出産予定日より2週間前の妊娠38週ごろにおこなわれることがほとんどです。
しかし手術の予定日前に破水または、出血があった場合は、緊急帝王切開に切り替わります。

予定帝王切開の流れ

では、予定帝王切開の場合、どのような流れになるのでしょうか。医療機関によって若干の違いはありますが、おおまかな流れをみていきましょう。

手術前日に入院し、手術当日は、浣腸、赤ちゃんの心音確認、点滴開始、麻酔、切開、赤ちゃんの取り出し、子宮の縫合、そして術後は病室に戻り安静に過ごす、という流れが一般的になります。

予定帝王切開の場合の麻酔は全身麻酔ではなく、局所麻酔が用いられることが多く、お腹の切り方は、術後の傷跡が目立たないように、お腹を横に切る方法が主流となっています。この点は、女性としては、一つの安心材料になるかもしれませんね。

ただし前回の帝王切開でお腹を縦に切っている場合は、縦に切ることとなります。
ここまでが、予定帝王切開の一般的な流れとなります。

緊急帝王切開

ここまでは「予定帝王切開」についてみてきました。予定帝王切開の適応や、当日の流れなどご理解いただけましたか?
不安はあるとは思いますが、前もって予定がきまっていると落ち着いて手術を受けられるかもしれませんね。

では、今度は「緊急帝王切開」について説明しますね。

こちらは、予定帝王切開とは反対に、お母さんまたは赤ちゃんに危険が迫る状況になり、緊急におこなうものになります

妊娠中の検査などでリスクが低いと判定された妊婦さん、妊娠経過が順調であった妊婦さんでも、2%くらいの割合で分娩が始まってから緊急帝王切開が必要となるケースがあります。

なお、先ほども触れましたが、予定帝王切開としていた方が手術の予定よりも早く陣痛や破水、出血が起きた場合も緊急帝王切開となります。

では、具体的にどのような場合に緊急帝王切開となるのでしょうか。

胎児機能不全

分娩中は、陣痛と胎児心拍のパターンを分娩監視装置でモニターしますので、胎児機能不全となった場合はすぐに診断されます。多くの場合、臍帯の圧迫、胎盤の機能低下などが原因で赤ちゃんが十分に酸素を受け取れなくなってしまうことが原因で起こります。

常位胎盤早期剥離

赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう状態で、赤ちゃんに酸素が行きにくくなるだけでなく、子宮内に大量の出血が起こり、母子ともに生命が危険な状態になります。一刻も早く赤ちゃんを取り出す必要があります。

妊娠高血圧症候群

以前は、「妊娠中毒症」といわれており、妊娠20週~分娩後12週までの間に、高血圧、または、高血圧と尿タンパク両方がみられる状態をいいます。出産前では、胎盤の機能低下を招き赤ちゃんの発育が悪くなってしまったり、高血圧によってお母さんが意識を失ってしまったり、腎機能が低下するなど、母子ともに生命が危険な状態になります。

微弱陣痛、遷延分娩

陣痛が始まったものの、子宮の収縮力が弱く陣痛の持続時間が短い、陣痛の間隔が長いなどの状態が続くとお母さんは疲れてしまい、出産に耐えられるだけの体力を奪われてしまいます。通常は、陣痛促進剤で陣痛を強くしますが、それも効果がなく分娩が進まない、又は停止してしまう場合は、帝王切開に切り替わるケースがあります。
また、遷延分娩では、子宮口が硬く開かないために分娩が長引いてしまうため、帝王切開に切り替えることもあります。

回旋異常

通常出産時は、赤ちゃんは産道の形に合わせて頭を回しながら下りてくるのですが、この回旋がうまくいかず、分娩が停止することがあります。

子宮内感染が心配される

子宮内感染は、前期破水や細菌性膣症から胎盤を通して赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんに悪影響がありますので、早急に赤ちゃんを取り出す必要があります。

過強陣痛

子宮口や産道が収縮して十分に開ききっていないにも関わらずお産が進む状態で、最悪の場合、子宮破裂を起こす可能性があります。子宮破裂を起こすと、母子ともに生命が危険な状態となりますので、緊急帝王切開をして赤ちゃんを取り出します。

以上は、緊急帝王切開となる具体的な状態となります。やはり、医療が発達した現代でも、出産とは何が起こるか分からない命がけのものなのですね。
しかし、昔であれば母子共に悲しい結果となってしまったような状況でも、今では緊急に帝王切開に切り替えることで、多くの母子の命が救われています。

帝王切開のメリットとデメリットは?

帝王切開のメリット

帝王切開は、予定帝王切開でも緊急帝王切開でも、今の時代においては珍しいことではなくなりました。母子の生命を救う手段である帝王切開ですが、やはりメリット、デメリット両方あるのが現実です。

では、どのようなメリット、デメリットがるのでしょうか。

まず、帝王切開の一番のメリットは、「赤ちゃんが安全に産まれてこられる」ということではないでしょうか。

帝王切開は、母子の安全を最優先にするための出産方法ですので、自然分娩しか方法がなかった昔なら助からなかった赤ちゃんの命が、今では助かるようになりました。これが最大のメリットですよね。
帝王切開は、自然分娩に比べて術後の痛みや傷など母体には大きな負担がかかる出産方法ですが、赤ちゃんに対する安全性が高い、というのはとても大切なポイントではないでしょうか。

そして、予定帝王切開の場合は、医師と相談して手術日を決められますので、予定が立てやすい、というメリットがあります。

出産予定日があらかじめわかっているので、入院準備や赤ちゃんを迎える準備が計画的にできます。また、出産予定日には旦那様に出張をさけてもらったり、上のお子さんがいる場合は、保育園や学校行事と重ならないように手術日を決めるなど、旦那様をはじめ家族との都合がつけやすいですね。

そして、母体にとってのメリットは、自然分娩に比べて子宮下垂、子宮脱、膀胱脱、直腸脱などの骨盤臓器脱が起こりにくく、産後の尿失禁の頻度も低くいといわれています。
そして、帝王切開での出産にかかる時間は、赤ちゃんやお母さんの状態によって異なりますが、一般的には約1時間ですので、短時間で出産できる、というのもありがたいですね。

また、心配な費用についても、詳しくは後ほど説明しますが、健康保険が適用されますので高額療養費の給付対象になりますし、医療保険に入っている場合は、入院給付金や施術給付金が給付されます。

帝王切開のデメリット

帝王切開にはメリットばかりなのではないか、と思うかもしれませんが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、お腹に傷が残る、ということがデメリットそして挙げられます。女性としては、気になるところですよね。

そして、一般的に、自然分娩の入院日数は産後5日ほどですが、帝王切開の場合は7~10日ほどかかりますので、デメリットとしては、自然分娩に比べて回復が遅く、入院期間も長くなる、ということがあります。

また、お母さんが帝王切開での出産体験を受け入れにくい、というケースもあるようです。これは、特にお母さんが自然分娩を強く希望していたもののやむを得ず帝王切開になった場合、帝王切開になったことを受け入れられないお母さんが多いようです。

そして、いまだに「帝王切開は楽」というような偏見を持つ人がいるのも事実で、そのような人が周りにいた場合、帝王切開に理解が得られず、辛い思いをするお母さんもいるようです。

帝王切開が危険?どんなリスクがあるの?

手術中のリスク

では、皆さんが一番心配な部分、帝王切開のリスクについてお話します。帝王切開は、母子の生命を救うとても素晴らしい出産方法ですが、残念ながらそれでもやはり「リスク」はあります。

まず、一番リスクが多いのは手術中で、リスクとしてあげられるのは「麻酔の合併症」、つまり麻酔薬によるショック状態や誤嚥性肺炎です。

緊急帝王切開などで食べ物が胃に残ったまま麻酔をすると、麻酔の副作用で吐き気を起こすことがあり、食べ物が逆流して肺に流れこんで誤嚥性肺炎を起こす場合もあります。

また、自然分娩と比べた場合、母体死亡率は自然分娩の4~10倍とされています。

手術後のリスク

次に、手術後に起こる可能性があるリスクについてみていきます。一番のリスクは、血栓症になりやすい、ということです。産前産後は血が固まりやすくなっており、特に、足は心臓から遠く血流が悪くなりやすいため、血栓ができやすい状態になります。

そのうえ、帝王切開の術中は赤ちゃんの重みで静脈が圧迫され、最も血栓ができやすい状態なのですが、赤ちゃんが取り出され一気に血流がよくなると、血栓が一度に肺動脈に向かい、肺血栓塞栓症を引き起こす可能性があります。

帝王切開における血栓症のリスクは自然分娩の7~10倍といわれていますので、経過がよければベッド上で足を動かしたり、弾性ストッキングで下肢を圧迫するなど、血栓の予防策を行うことが大切です。

そして、他にリスクとしては、子宮と臓器の癒着があります。

「術後癒着」と言われるもので、手術のときに傷ついた臓器や組織が再生するときにくっついてしまう現象のことを言い、帝王切開の術後は、子宮とその周りの臓器が癒着を起こしてしまうことがあります。

特に、帝王切開を複数回繰り返すと癒着のリスクはどんどん高まり、お腹がいつもひきつっているような感覚や、排尿痛、排便時の痛みを覚える人もいるようです。

次の妊娠に向けてのリスク

最後に、次の妊娠に向けて起こり得るリスクについてご説明します。

今回の帝王切開では何も問題がなかったとしても、次回妊娠した際に起こり得るリスクがあります。順番にみていきましょう。

胎盤異常

帝王切開を経験した人は、そうでない人に比べて前置胎盤になるリスクが2倍になると言われています。また、子宮の切開した部分の組織が正常に再生されていない状態で次の妊娠時に受精卵がその近くに着床すると、胎盤がはがれなくなる「癒着胎盤」がおこることがあります。

子どもの数(産める人数)が制限されてしまう

帝王切開を重ねるごとに「子宮破裂」や「臓器癒着」というリスクが増えていくため、産める子供の数に限りができてきます。

赤ちゃんへのリスク

ここまでは、母体あに起こり得るリスクについてお話してきましたが、おそらくお母さんが一番心配なのは、帝王切開をすることで、赤ちゃんに何かしらのリスクが生じてしまうのではないか、ということですよね。

実は、胎児に対するリスクは「0」という訳ではありませんが、殆どないとされています。少し、安心されましたか?
しかし、あえてリスクをあげるとすれば、「新生児一過性多呼吸」ではないでしょうか。

自然分娩の場合、産道を通る時に赤ちゃんの肺が圧迫されることで肺液が排出され、自力呼吸が可能になります。しかし、帝王切開の場合には産道を通りませんので、赤ちゃんの肺に水分が残ってしまい、新生児一過性多呼吸と呼ばれる呼吸障害を引き起こす可能性があると言われています。

ただし、この新生児一過性過呼吸は一時的な症状であり、ほとんどの場合、酸素吸入により、1~3日で普通に呼吸ができるようになりますし、後遺症や障害が残ることはまずありません。

以上が、あえてあげた場合の帝王切開により赤ちゃんへのリスク、といわれているものになります。

帝王切開の場合の入院期間は長いの?回復に時間がかかる?

入院生活はどんな感じ?

帝王切開の場合、開腹手術ですのでどうしても入院期間は長くなってしまいます。予定帝王切開の場合は、出産の前日から入院にすることが多く、手術前日に、赤ちゃんやお母さんの身体の状態をチェックします。

手術当日は、麻酔を使うため飲食が禁止なります。
術後は、基本的にベッドの上で過ごしますが、経過が良く異常な出血などがみられなければ、血栓症予防のため、ベッドの上で体の向きを変えたり、足を動かすなどすると良いですね。ただし、ベッドから降りることはできませんので、排泄は導尿カテーテルを入れて行います。残念ながら食事はまだできないので、点滴による栄養補給が行われます。

手術の翌日には、経過が良ければ、歩く練習がスタートします。最初は助産師や看護師の付き添いのもと、トイレに行くことから始める場合が多いです。術後早めに歩くと重力で悪露を早く体外に出すことができますし、腸閉塞や血栓症を予防する効果もあります。

また、食事も手術の翌日からスタートし、念願の赤ちゃんにもこの日から会えることが多く、病院によっては授乳もできる場合があります。

一般的に、術後2日目から母子同室になったり、授乳が始まります。(体調をみながら無理せず)。体調が良ければシャワーも浴びることができ、食事も普通食に移行します。
そして術後3日目以降は行動に制限がなくなり、自由に生活できるようになります。

抜糸は術後の傷の状況によりますが、通常は術後5~8日に行い、自然に溶ける糸を使って縫合したケースでは、抜糸が不要な場合もあります。

退院できる条件としては、

・傷の状態が良好
・悪露が正常に出ている
・子宮内に胎盤が残ってない
・赤ちゃんのお世話ができるくらいに体力が回復している
・抜糸が済んでいる(必要な場合)

となり、平均すると術後7日~10日で退院できる場合が多いようです。

術後の痛みは?回復にどのくらいかかる?

帝王切開での出産の場合も、赤ちゃんを取り出した後は子宮がもとの大きさに戻ろうと収縮しますので、自然分娩と同じように「後陣痛」はあります。
同時に、術後の傷の痛みもありますので、出産後2日~3日は一番痛みが強い期間だと言われています。この期間は皮膚が再上しながら傷口が閉じていく患部の「炎症期」と呼ばれ、皮膚に痛みや腫れが生じる場合があります。

その後、およそ3週間は、新しい細胞が増殖して傷になった部分を埋めていく「増殖期」とよばれる期間で、軽い痛みや掻痒感、皮膚の赤みなどが見られることがあります。

3週間を過ぎると「成熟期」とよばれる期間に入り、細胞の活動が落ち着いて痛みやかゆみが徐々に治まり、傷跡も目立たなくなっていきます。一般的には、およそ1年をかけて回復に向かっていくといわれています。

術後の過ごし方

退院し、自宅に戻った後も帝王切開の傷口が痛むことがあるかと思いますが、よほど激しい運動などをしない限り傷口が開いてしまうことはありませんので、若干の痛みがあっても、心配しすぎないようにしましょう。

ただし、我慢できないほどの痛みが出た時や、傷口から出血し、傷口がジュクジュクとしていて化膿しているような場合や、浸出液などがでてしまっている場合は、自己判断せず速やかに受診するようにしましょう。

帝王切開をした後、次はいつ妊娠しても平気?ブイバックって?

次の妊娠はいつからが良い?

帝王切開で出産した後、いつから妊娠することができるのかについては、気になるところですよね。

帝王切開では、体にメスをいれていますので、先ほど説明しました通り、術後は炎症期を経て、徐々に傷の痛みが治まり傷跡もうすくなっていくというように、おおよそ1年かけて回復していきます。

ですので、出産後1年の間は、傷ついた子宮や体が回復するための大切な期間だと思い、次の妊娠は待ちましょう。

また、産後は、ホルモンバランスも乱れますし、子育てに追われ忙しい毎日ですので、精神的にも余裕がないかと思います。体の回復だけでなく、精神的な回復も待ちながら、次の妊娠の計画をたてると良いかもしれませんね。

ブイバックは危険じゃないの?

近年、帝王切開をした方に、注目されるようになりました「ブイバック(以下VBAC)」についてご紹介します。

以前は一度帝王切開をすると、子宮破裂のリスクを考慮し、その後の出産も必ず帝王切開をしなければならないといわれていました。しかし、近年は、帝王切開による出産の後でも自然分娩で出産ができる「VBAC」と呼ばれる方法が注目されています。

VBACに関しては、芸能人の方も経験していることから広く知れ渡るようになり、実際に帝王切開の後、2人目そして3人目などをこの方法で出産した女性もいるようです。

ただし、実際にはVBACでも子宮が破裂するといったリスクは伴いますので、必ずドクターと相談しながら進めていく必要がありますし、VBACを扱っている病院も多くはありません。

万が一子宮破裂してしまいますと大量出血となり、母子ともに命が危険な状態になりますので、本当に信頼のおける病院探しを行った上で、良く考えるようにしましょう。

帝王切開にかかる費用

健康保険の適用

では、最後にお金のお話をしましょう。

帝王切開となると、自然分娩と違っていくらかかるんだろうか、と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんね。

まず、帝王切開の手術は、健康保険の適応となります。帝王切開の手術自体には健康保険が適用されますので、地域や医療機関に関わらず22万2,000円(32週未満の早産の場合は24万2,000円) となり、そのうちの3割が自己負担額となります。

そこに差額ベッド代や食事代、あるいは分娩介助や新生児の保育、検査費用などがかかり、これは医療機関によって金額が異なりますので、かかる費用のトータルは40万円から100万円と大きく開きがあります。

自然分娩に比べ、帝王切開では入院日数が長くなってしまいますので、費用は高額になってしまいますね。

また、出産をするとご自身が加入している健康保険から「出産育児一時金」が支給されます。これは、ご主人の扶養に入っている場合、会社の健康保険または国民健康保険のいずれでも対象となります。 条件として、

・健康保険の被保険者または被扶養者である
・妊娠4ヵ月(85日)以上で出産したこと
・上記に該当する、早産、死産、流産、人工妊娠中絶

これらに該当する場合は、対象となります。 金額は1児につき42万円ですが、産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合には39万円の支給となります。

高額療養費制度

帝王切開は健康保険の適応ですので、高額療養費制度を利用することができます。  
高額療養費制度とは、公的な助成制度で1ヵ月の間に支払った医療費が一定額を超えると、その超過分を払い戻してもらえます。  

自己負担の上限額は収入に応じて異なり、収入が少なくなるほどに自己負担上限額も低くなるように設定されています。

医療費控除

こちらは出産に対して支払われるものではなく、自ら申請しなくてはいけません。
条件として、1年間にかかった医療費が10万円を超えていた場合に、医療費控除を受けることができる制度です。

申告の際には領収書が必要になりますので、忘れずにとっておきましょう。病院までの交通費等も対象になりますので、金額等メモして残しておくと良いですよ。

帝王切開による手術は高額な医療費用がかり、1年間にかかった医療費10万円という条件をらくらく超えますので、ぜひ活用したい節税対策ですね。

乳幼児医療費助成制度

分娩時に様々な理由から胎児の状態が悪くなってしまったため緊急帝王切開へ変更になり、出産後も赤ちゃんがNICU(新生児特定集中治療室)に入ることになった方もいらっしゃることと思います。
そういった場合は、被扶養者として早めに手続きをしていただくと、医療費を軽減することができます。

また、未熟児だったときなどには、「未熟児養育医療制度」というものがあり、入院および治療を受ける際に必要となる医療費を負担してくれる制度もありますので、是非利用してみてくださいね。

出産とお金のことについては、次の記事も参考になるでしょう。

まとめ

以上、帝王切開について、手術の内容から、適応になる具体的な状態、また、帝王切開のリスクをはじめとする様々なメリット、デメリットについてご紹介しました。

出産に関係する母子の死亡率の低さは、先進国の中でもトップクラスです。
それだけ、日本は安心して子供を産むことができる環境が整っている、ということなのですね。

日本には、自然分娩を推奨するような雰囲気や、自然分娩してこその出産、というような古い考え、固定観念がいまだに残っているのも事実です。

しかし、帝王切開の普及で、かつては救うことができなかった多くの母子の命が救えるようになりました。このことからもわかるように、帝王切開はとても素晴らしい出産方法なのですよ。