妊娠11週目でおこるママの体調の変化と赤ちゃんの様子は?この頃のママが注意することとは?
妊娠11週は、妊娠3か月目の最後の1週間にあたります。エコー写真の赤ちゃんは頭の形がしっかりしてくるので、ママになったことを実感できるようになってきます。妊娠11週目におこっているママや胎児の様子をご紹介します。つわりがひどいママは体力的に大変な時期ですが、頑張って乗り切っていきましょう。
もくじ
妊娠11週目のママの体にはどんな変化があるの?
妊娠11週目になるとママの子宮は、徐々に大きくなってきていて大きさは大人の握りこぶしくらいの大きさになっています。外見からはあまりおなかが大きくなったようには見えませんが、おなかに手をあてるとふっくらとおなかがふくらんでいる感触を感じられるようになってくる人もいます。
それ以外には、ママの体調にはどのような変化がおこるのでしょうか。
ママの体に変化が起きる理由
妊娠が成立するとママの体にはさまざまな体の変化が起こります。これは、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が関係しています。
卵巣で作られる女性ホルモンの代表としてよく知られているものは「エストロゲン(卵巣ホルモン)」とプロゲステロン(黄体ホルモン)」です。
排卵まではエストロゲンが多く分泌されるのですが、排卵後はプロゲステロンが多く分泌されます。プロゲステロンは、エストロゲンが作ってくれたフカフカのベッドをさらに寝心地がよくなるようにして、受精卵が来るのを待っています。でも、一定期間待っても受精卵がやってこないとプロゲステロンの分泌量を減らし、フカフカのベッドを片付けます。これが生理です。
妊娠が成立するとベッドを片付ける必要がなくなるのでプロゲステロンは分泌されたままになります。そして、さらに胎盤からもプロゲステロンが分泌されるようになります。プロゲステロンは、女性にとってあまり心地のよくないホルモンだといわれていて、「微熱」「腹痛」「頭痛」「イライラする」といった症状を引き起こすことがあります。
プロゲステロンは妊娠を継続するために大切な女性ホルモンなのですが、妊娠後は多く分泌されるようになるのでママの体調が悪くなってしまうこともあるのです。
妊娠中に眠くなるのはなぜ?
女性に限らず人は体温が急激に下がるときに眠くなります。ですが、妊娠中はプロゲステロンが多く分泌されているため、体温が下がらない状態が続きます。それによって体温が上がったままの状態になってしまうので、睡眠の質が低下してしまうことがあります。自分では寝ているつもりでも睡眠の質が悪くなっているので、眠気を感じてしまうことがあるのです。生理前になると眠くなるという女性も多いですがそれも同じ理由です。
仕事をしているママの場合、会社でお昼寝をするのは難しいですが、自宅にいる場合は眠くなったら無理をせず、横になり体を休めるように心がけてください。
腰痛・腹痛
プロゲステロンが、多く分泌すると腰痛や腹痛を感じる妊婦さんもいます。妊娠11週の頃は、おなかのふくらみはほとんどない時期ですが、痛みがストレスになってしまうことがあります。強いストレスは妊娠生活に影響が出てしまうことがあるので、無理をしないことが大切です。
痛みを感じたときは、無理をせず楽な姿勢で体を休めるようにしましょう。また、体が冷えると腰痛が悪化することがあります。体を冷やさないように気をつけましょう。
肌のトラブル
ホルモンバランスの変化の影響でメラニン色素が沈着してしまい、シミやそばかすなどが濃くなることがあります。他にも、乳首の色が黒くなってくることもあります。
イライラしたり気分が落ち込んだりする
ホルモンバランスの変化により、ちょっとしたことでイライラしてしまったり、気分が落ち込んでしまったりすることがあります。
便秘、おなかの痛み
妊娠11週の頃になると、便秘になりやすかったり、おなかに痛みを感じたりすることがあります。妊娠初期は、子宮が急激に大きくなることでおなかに違和感がある場合があります。また、子宮を支えている靭帯(じんたい)や子宮内膜が引っ張られることで、生理痛のような痛みを感じることもあります。
妊娠中におなかの痛みを感じると不安になるかもしれませんが、出血がなく、超音波検査で胎児の心拍が確認されていればほとんどの場合、問題はありません。
妊娠11週の頃の胎児の様子
妊娠11週の頃の赤ちゃんは、身長は5cmほど、体重は10gくらいです。皮膚、内蔵などの土台ができて11週の終わり頃までが赤ちゃんの「器官形成期」になります。エコー写真をみると、頭の形がしっかりわかるようになるので、人間らしくなってきたなと実感できるようになります。
妊娠11週になるとつわりが落ち着いてくるって本当?
つわりは、個人差がありますが、妊娠12週頃から落ち着いてくる人が出てくるので、早い人の場合、妊娠11週くらいから楽になってくる人もいます。ですが、妊娠11週目の頃はまだまだつわりで大変な思いをしている妊婦さんが多い時期です。
妊娠15週目くらいになると落ち着いてくる妊婦さんが多いので、もうしばらく頑張って乗り切っていきましょう。
つわり(悪阻)については、育ラボでは全14記事にまとめています。ぜひ妊婦さんに読んでいただき、つわりのお悩みを少しでも軽減していただけたら嬉しいです。
つわりで食べられない!おなかの赤ちゃんへの影響は?
妊娠11週の頃の妊婦さんは、つわりでつらい思いをしている人がまだまだ多い時期です。食べ物のニオイで気持ちが悪くなってしまったり、頻繁に吐き気を感じると体力的にもつらいですね。
つわりで食べられないときは、無理をして食べようとすると逆にストレスになってしまうことがあります。この頃の胎児はとても小さいので、赤ちゃんの栄養のことは特に心配する必要はありません。ただし、水分を摂ることもできない場合は、脱水症状になってしまうこともありますのでかかりつけの病院を受診しましょう。
つわりがつらい妊婦さんが食べやすいといわれているものは、ヨーグルト、ゼリー、アイス、シャーベットなどがありますが、個人差があります。まずは、自分が口にできそうなものを無理のない範囲で食べることを優先してみましょう。
妊娠12週目以降になるとつわりの症状がおさまってくる妊婦さんも多いので、もう少しの辛抱です。
妊娠初期は葉酸の摂取がお勧めですが、どうしても食事から摂れない場合は、サプリメントなどで補う方法もあります。サプリメントを利用する際は、用量を守り、不安がある場合は主治医に相談してから使うと安心することができますね。
気分転換に外出するときは感染症予防に気を配りましょう
つわりで体調がよくないときは、家にこもってばかりいるとよけいに気が滅入ってきてしまうことがあります。外出は気分転換になるだけではなく運動にもなるのでおすすめですが、妊娠初期に妊婦が感染するとおなかの中の赤ちゃんに影響のある病気や、妊娠中に発症すると重篤化(じゅうとくか)してしまう感染症もあります。
外出するときは、感染症予防に気を配りましょう。
・水痘(すいとう)
水痘は、一般的には水ぼうそうと呼ばれています。水ぼうそうは、妊娠初期の妊婦さんが感染すると、胎児の発育が遅れることや、発達障害や低体重出生、小頭症を起こす可能性があります。
・風疹(ふうしん)
風疹は、妊娠初期の妊婦さんが感染すると、胎児が先天性風疹症候群になるリスクが高いといわれています。は先天性心疾患、難聴、白内障といった症状になる可能性があります。妊娠中は、風疹の予防接種を受けることができないので、風疹が流行している時期は不要な外出は避けることをおすすめします。
他にもインフルエンザなどの感染症も高熱や咳などで胎児に影響が出てしまう可能性があります。感染症の流行の時期はできるだけ人混みに行くことは避け、念のためにマスクなどを着用して外出する、帰ってきたらうがい、手洗いを忘れないなど感染症予防には十分注意するようにしてください。
便秘がつらい!妊娠中に市販薬を使っても大丈夫?
妊娠11週の頃は、便秘になり、おなかがはってつらくなってしまうことがあります。妊娠中に便秘になると、薬を使ってもいいのか不安になることがありますね。結論からお話すると、自己判断で市販薬を購入して飲むことは止めましょう。
薬の成分によっては、強い子宮収縮が起こり、流産などの危険があるからです。便秘以外にも体調が悪く薬に頼りたい場合は、かかりつけの産科医に相談して薬を処方してもらうようにしてください。
また、薬の成分などで疑問や不安がある場合は、一人で悩まずに処方してくれた医師や薬剤師に相談してみましょう。
妊娠初期にセックスしても大丈夫?
昔は、妊娠初期にセックスをすると流産につながると考えられていたことがあります。しかし、妊娠初期の流産は、胎児の染色体異常などが原因になっている場合が多く、セックスが流産の原因にはならないといわれています。ただし、妊娠11週以前のセックスは控えた方がいいと考えている専門家もいるので、出血や腹痛などの異変がないかを確認し、体調に注意することも必要です。
妊娠初期にセックスを控えたほうがいいケース
基本的に妊娠初期のセックスは問題がありませんが、以下のような症状や経験がある人は、控えたほうがよいケースもあります。
- 不正出血がある
- 下腹部の痛みが続いている
- 過去に切迫流産や切迫早産の経験がある
- 多胎出産の経験がある
上記のような経験がある場合、医師から性交について指導があるケースがあります。医師から性交を控えるように指導された場合は、医師の指示に従うようにしてください。
妊娠するとセックスをしたくなくなる女性も多い
妊娠をすると、ニオイに敏感になったり、体調などが変化することも多いので、セックスをしたくなくなる女性も多くいます。無理をして付き合っていると、ママが苦痛に感じてしまうこともありますね。
セックスは、パパとの大切なコミュニケーションの1つですがすべてではありません。苦痛に感じているときは、無理をせずに素直に気持ちを伝えてみましょう。
どうしてもつらいときはセックス以外のコミュニケーションをしよう
つわりがひどかったり、ホルモンのバランスが崩れたりすると、どうしてもセックスがつらいと感じることがあります。そんなときは、そばにいる、手をつなぐなどセックス以外のコミュニケーションを取るようにしてみましょう。
女性の場合は、おなかに赤ちゃんがいることで母親になる実感がわきますが、男性の場合は赤ちゃんの顔を見るまで父親の実感がない人も多いです。完全に拒否をしてしまいますと、喧嘩になってしまうこともありますし、イライラはママの精神衛生上もあまり好ましくありません。
赤ちゃんに会えるまで、しばらく大変ですがパパと協力して妊娠生活を乗り切っていきましょう。
産婦人科を受診するタイミングは?
妊娠11週目くらいになると、ほとんどの妊婦さんが胎児の心拍確認ができた人も多いので、受診している病院にもよって違いますが産婦人科に受診するタイミングが4週に1度になる人も出てきます。
妊娠11週の頃は胎動もないですし、おなかもほとんど大きくなっていないので、産婦人科で赤ちゃんの心音を聞いたり、エコーで赤ちゃんの姿をみて安心できていた人は、受診の間隔があくと不安になってしまう人もいるかもしれません。
特に体調に変化がない場合は、4週に1度の検診で問題がありませんが、出血や下腹部の痛みが続くといった場合は、次の検診日まで待たなければいけないということでもありません。
以下のような症状がある場合は、我慢せずに産婦人科医に相談し、早めに指示を仰ぐようにしてください。
- 出血があった
- 下腹部の痛み
- おりものに異常がある(かゆみや痛みを伴う)
- つわりがひどく水分も摂ることができない
- 便秘がひどく苦しい
- いつもと違う体調の変化
今は、インターネットでさまざまな情報を探すことができるので、参考にすることは可能です。ですが、自己判断は危険なケースもあります。不安なことがある場合は、かかりつけの産婦人科に電話で相談して指示を受けるようにしましょう。
まとめ
妊娠11週目を無事に過ごすことができると、次の週は妊娠12週目になり妊娠4か月目に入ります。つわりも落ち着いてくる人が増えたり、おなかもふくらんでくる人が多いので、より妊娠を実感できるようになるママが多いでしょう。
妊娠は病気ではありませんが、大切なおなかの赤ちゃんを守るために、ママが注意しなければならないこともあります。特に、水ぼうそうや風疹は妊娠初期の妊婦さんがかかってしまうと、おなかのなかの赤ちゃんに影響が出てしまう可能性があります。
気分転換も大切ですが、感染症が流行しているときは、できるだけ人混みに行くことは避けることがおすすめです。つわりなどでまだまだ大変な時期ですが、安定期まであと少しです。妊娠生活を楽しみながら、乗り切っていきましょう。